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【障害年金企画】第二弾!障害厚生年金、障害認定日…何それ?!障害年金 を取得する際に知っておきたいキーワードをやさしく、くわしく説明します。

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ライター:Media116編集部

みなさんこんにちは!Media116編集部です。前回「【障害年金企画】第一弾!難解な「障害年金」について、やさしく、くわしく説明します。」という記事の中で、障害年金とは?という概念について説明させて頂きました。今回は、障害年金にまつわる重要な「キーワード」をご説明していきます。参考になれば嬉しいです!

キーワード1「障害基礎年金」

[タロウくん「博士、『しょうがいねんきん(障害年金)のキーワード』って知ってる?」

ねんきん博士「おお、タロウ君「キーワード」とは - 鍵になる言葉 (Keyword) だよ。年金という迷宮の扉の鍵じゃな。順次説明してあげよう。」

ねんきん博士「まず障害年金には障害基礎年金というものと、障害厚生年金という2つがあるのじゃ。はじめに障害基礎年金について話そうか。日本の年金は2階建てになっているという話を聞いたことがあるかい?」

2階建ての図

ねんきん博士「1階が国民年金で、2階が厚生年金という構造だよ。国民年金(基礎年金)は、大人の人が納める保険料で半分、あとの半分は税金で負担しているのだよ。だからこそ、1人ひとりのくらしに負担をかけず、すべての世代を支えていくことができるよ。国民年金の保険料は、「20歳になったら必ず納めなければいけない」ことが法律で決められているんだ。もし保険料を未納のままにしておくと、年金が受け取れない場合もあるよ。」

タロウくん「え!年金が受け取れないこともあるんだね。じゃあ毎月しっかりと払っていかないといけないね。」

ねんきん博士「そうじゃよ。障害基礎年金は、1階部分の国民年金の加入者が保険料の支払いなどいくつか要件を満たしていればもらえる年金なんだよ。長い人生、この先なにが起こるかわからない。たとえば事故や病気で障がい者になることもあれば、そのために働けなくなってしまうことだってあるかもしれない。そんな“もしも”の不安に備えるための年金と考えれば良いよ。」

国民年金「障害基礎年金」

キーワード2「障害厚生年金」

タロウくん「ふーん、自分には関係ないと思っていても、もしも・・・ってことがあるもんね!じゃあ博士、障害厚生年金ってなんのこと?」

ねんきん博士「厚生年金は、会社などに勤務している人が加入する年金じゃよ。2階建て年金の2階だね。保険料は月ごとの給料に対して定率となっているよ。(平成28年度末現在で18.182%)実際に納付する額は個人によって異なることになる。」

ねんきん博士「厚生年金は事業主(勤務先)が保険料の半額を負担しており(労使折半)、実際の納付額は、給与明細などに記載されている保険料の倍額となるのだよ。」

タロウくん「勤務先によっては事業主(勤務先)が給与から天引きしてるところもあるって聞いたことがあるよ」

ねんきん博士「そうじゃよ。障害厚生年金の有難いことの一つには、障害基礎年金(国民年金)ではまかなえない3級という障害程度にも対応しているということじゃ。」

厚生労働省「いっしょに検証!厚生年金」

キーワード3「初診日」

タロウくん「障害年金を申請する時、必ず初診日はいつかって書かなきゃいけないんだよね?」

ねんきん博士「そうそう。初診日というのは、障がいの原因となった病気やケガになって初めて医師または歯科医師の診療を受けた日がいつかということじゃよ。」

障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法

タロウくん「なんで初診日が大事なの?」

ねんきん博士「初診日が大事なわけは、障がいの原因となった病気やケガの初診日に加入していた制度によって受給できるかどうかも、受け取る金額も決まってしまうからじゃよ。」

初診日はなぜ大切か

ねんきん博士「身体障がいの方の場合は、障がいについて外見上わかりやすい面があるね。一方、精神障がいの方の場合にはわかりにくい面があるよ。例えば、現在は統合失調症と診断されているが、以前は「適応障害」と診断されていた方がいるとしよう。その場合、以前から統合失調症であったと判断されて、適応障害で体調が悪くなって初めて通院した日を初診日と判断されることがあるのじゃよ。」

キーワード4「保険料納付要件」

タロウくん「障害年金をもらうまでって、けっこう大変そうだね・・・」

ねんきん博士「年金を受給するためには、保険料納付要件を満たしているかどうか、つまり条件にあった保険料を支払っているかどうかがポイントだね。具体的には以下の①②いずれかを満たす必要があるね。

① 初診日のある月の前々月までの加入期間のうち全体の3分の2以上保険料を納付していること。年金制度には、何かしらの理由で保険料を納められないときは免除・猶予制度というものがあるんだけど、免除・猶予を受けていた場合はその期間を含むよ。ただし、20歳前に初診日がある場合は、納付要件の適用はないよ。

② 初診日に65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
この2点が大事なんじゃ。」

国民年金「障害基礎年金」

キーワード5「障害認定日」

タロウくん「障害年金の申請でよく聞く障害認定日って、いつのことを言えばいいのかな?」

ねんきん博士「障害年金の「障害認定日」とは、以下の日をいうのじゃよ。

① 請求する病気やケガの初診日から1年6ヵ月を経過した日。障害年金は、原則初診日から1年6ヵ月を経過しないと請求できないのじゃよ。精神障がいの方は病状が時間と共に変化することもあるから、この原則通りのことが多いね。

② 初診日から1年6ヵ月経過前に症状が固定した場合は、固定した日。
身体障がいの方はこちらが多いね。例えば、交通事故によって、あるいは糖尿病による壊死で、足を切断しないといけなくなった場合、1年6ヵ月も待たなくても障がいが分かるよね。」

タロウくん「なるほど!」

キーワード6「障害等級に該当する程度の障害の状態」

タロウくん「ど、どういうこと?難しくてわかんないよ博士・・・」

ねんきん博士「一定の障がいの状態も障害年金の支給要件の一つなんだ。身体障がいの方の場合は、例えば、両眼の視力を足して0.05以上0.08以下のもの(原則として矯正視力)両耳の聴力レベルが90デシベル以上のものが2級など、わかりやすいよね。


日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」


それに比べると精神障がいの方の障害等級に該当する程度の障がいの状態は分かりにくいね。」

タロウくん「そうだね。精神障害の方の障害等級はどうやってきまるの?」

ねんきん博士「そう、それが複雑なんじゃ。ひとえに説明することはできないから、このガイドを読んでみてほしいのう。」

『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』等

キーワード7「はじめて2級」

タロウくん「はじめて?みんな障がいを受傷するのははじめてなんじゃないの?」

ねんきん博士「初めて・・2級とか、初めて・・1級とかいうのは、法律の条文にある言葉なんじゃよ。厚生年金法47条の3じゃがね、要するに既に発生している病気やケガではまだ1,2級の障がいに達していなかった方が、新たな他の病気やケガをして障がいを負った場合、前からの障がい(既存障害)とその後の障がい(基準障害)を加えると、1,2級に達することがあるということじゃよ。

タロウくん「そっか!障がいが重複したときに使える制度なんだね。」

ねんきん博士「そうじゃ。注目したいことは、後の障害の初診の日を初診日とできるのじゃよ。つまり、前回の受給申請で保険料納付期間が足りなかった方でも、その後必要期間分を納付されていれば、挽回できるわけだ。

厚生年金保険法

ねんきん博士「この「初めて」の他にも、障がいの程度(受給額も)が変わる場合がいくつかあるけれど、ややこしくなるから、いずれお話しようね。」

キーワード8「20歳前障害」等々

ねんきん博士「「保険料納付要件」のところで、「ただし、20歳前に初診日がある場合は、納付要件の適用はないよ。」とお話したね。「障害基礎年金」のところでは、「20歳になったら必ず納めなければいけない」とお話したね。つまり、未成年ではまだ年金を納めてない、無拠出ということになる。では未成年のうちに障がいを負った方への年金支給は、どうなるのか。」

タロウくん「どうなっちゃうの!?障害年金が支給されないの!?」
首をかしげるタロウくん

ねんきん博士「検討の結果、こういう方でも年金制度の対象にする必要があるとされたのじゃよ。身体障がいや精神障がいでは中途障がいの事例も多いが、知的障がいの方については、18歳以前に発症とされていることを知っているかい。例えば、「平成17年度知的障害児(者)基礎調査結果の概要」(厚生労働省)には、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と記載されている。つまり、知的障がいの方はほぼ20歳前障がいによる障害基礎年金を受給可能性があるということになるね。」

タロウくん「よかった!支給されることもあるんだね。」

ねんきん博士「ふむ。ここまで聞いてどうだったかな?ちょっと難しい話もあったかもしれんが・・・」

タロウくん「障害年金に関連する大事なキーワードはなんとなくつかめたと思うよ博士!ありがとう!」

ねんきん博士「そうかそうか、それはよかった。次に会った時にはどうやって障害年金を申請すればいいのか?必要な書類や手続きはどうすればよいかを教えてあげようね。」

タロウくん「うん!じゃあまたね博士ー!」

関連リンク
【障害年金企画】第一弾!難解な「障害年金」について、やさしく、くわしく説明します。
【障害年金企画】第三弾!「障害年金」はどうやって申請すればいい?やさしく、くわしく説明します。

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