発達障害のある人が職場でミスをおかさないために――「復唱」の習慣を身につけよう

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ライター:発達障がいの方向けサービス LinkBe(リンクビー)

皆さん、こんにちは。発達障害の方専門の就労移行支援「LinkBe大阪」スタッフの黒木です。さて、就労経験を持つ発達障害のある方にお訊きします。職場でこんな悩みを抱えてはいませんか? 「指示内容と間違った作業をしてしまう」「上司の説明がわかりにくい」etc。それらの困りごとは発達障害のある方の生まれ持った特性に由来するものです。今回は、その特性を乗り越え、仕事でミスをおかさないための重要な方法論――指示内容の「復唱」についてご紹介してみます。

発達障害の特性をカバーする魔法の習慣

一口に発達障害といってもいろいろな類型がありますが、この障害のある人の多くは、コミュニケーションに苦手さを抱える傾向があります。発達障害のある人が職場で躓いてしまう背景には、対人コミュニケーション――上司や同僚などとの言葉のやりとりの中で生じてしまうものと言えるでしょう

より具体的なレベルで見てみましょう。

特性①相手の意図やニュアンスをくみ取ることが苦手
発達障がいを抱える多くの方は、言葉を字義通りに受け取る傾向があります。そのため、相手の意図や、言外のニュアンスをくみ取れない場合があります。仕事の指示においても、意図・ニュアンスをくみ取れない場合に、適した成果を生み出せない場合があるでしょう。

特性②物事の解釈の仕方が独特である
発達障がいとは、認知の障がいと言われています。認知とは、物事を知覚し解釈・判断することですが、その認知に障害があることで、情報を得て判断した内容が、他者とずれる傾向があります。この傾向により、業務の場面においても、すれ違いが発生することが多くなってしまいます。

特性③相手の話に集中することが苦手
発達障がい、特にADHDの傾向がある方は、一つの物事に集中することが苦手であることが多々あります。そのような傾向の方は、指示を聞き逃してしまい、誤った解釈をしてしまうう場合があるでしょう。

上の空のイメージ

特性④細部に目が行きがちorこだわりが強い
特性が、「物事の細部を気にしすぎる」「こだわりが強い」という部分で出る方もいらっしゃいます。このような特性のある方は、指示を受けている最中に、気になる箇所が出てくると、その後の内容が頭に入ってこなくなる場合があります。このような特性も、認識のズレを生み出す原因と言えるでしょう。

特性⑤音声情報を聞き逃すことがある
発達障がいのある方のなかには、音声情報そのものが苦手という方も、いらっしゃいます。そのような方々は、業務指示自体を聞き漏らしている場合が多々あります。一方、相手は伝えたつもりになっているため、コミュニケーションがすれ違うことが多くなってしまうでしょう。


こう並べてみると、いずれも職場で上司などから指示を受けた場合、その内容の“受け取り方”を誤ってしまうというミスに直結する特性であることがわかります。では、どうすればそうしたミスを犯さずにすむのでしょうか?


私たちが推奨しているのは指示内容の「復唱」です。指示内容の「復唱」とは、文字通り上司や同僚から指示された内容を、自分自身で繰り返すこと。この習慣を身につければ、発達障害のある人の特性の多くをカバーすることができます。以下、具体的な事例に沿って指示内容の「復唱」を行わなかった場合と行った場合で、どれほど結果に違いが出てくるかを見てみましょう。

会話形式のケーススタディ①指示内容の「復唱」を行わなかった場合

ある日の昼休憩前――。

上司 「A君、例の資料作成の件なんだけど、早めに対応してもらえる?」

A君 「わかりました」


その日の夕方――。

上司 「A君、例の資料作成終わった?」

A君 「(え!?)まだ終わっていません」

上司「早めに対応してほしいと言ったのに。今すぐ取りかかってくれる?」

A君「わかりました」


その日の就業時間間際――。

A君 「例の資料作成、終わりました」

上司 「ありがとう。ん!? これは来期の経営計画の資料だよね? 私が依頼しているのは今期の決算資料についてなんだけど。それと資料はWordで作ってほしかったんだけど、これPPT資料だよね」

A君「(え!?)そうだったんですか?」

失敗のイメージ

上司 「今朝の朝礼で言ったよね?聞いてなかったの?」

A君 「(あの話って、この件だったんだ!?)大変、失礼しました。急いで作り直します」

上司 「急いでやってよね」

こうしてA君は今日も無理して残業し、疲労を貯めてしまうのだった。

会話形式のケーススタディ②指示内容の「復唱」を行った場合

ある日の昼休憩前――。

上司 「A君、例の資料作成の件だけど、早めに対応してもらえる?」

A君 「わかりました。来期の経営計画の件について、今日の夕方以降にPPTで資料を作成します」

上司 「あ、ごめんね。作成してほしい資料は今期の決算報告のことで、Wordで作ってほしいんだよね。今朝の朝礼で伝えたよね。後、本当に緊急なので、他業務を差し置いて取りかかってもらえるかな?」

A君 「そちらの件についてだったんですね。わかりました。今期の決算資料をWordにて、今すぐに作り始めます」

上司 「よろしくね」

うまくいきそうなイメージ


発達障害のある人が職場で能力を活かしていくために

指示内容の「復唱」を行わなかったケースと行ったケースを比較してみましたが、どうでしょう? 結果は歴然ですよね。
指示内容の「復唱」を行うことで、スムーズに物事が運び、ミスを犯す可能性もぐっと減ります。指示内容の「復唱」は、発達障害のある人が職場で能力を活かしていくための最良の方策の一つといえるでしょう。ぜひとも習慣化してみてください。

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発達障がいの方向けの就職支援サービス。発達障がいがある方一人ひとりの強みや特性を活かした就労をサポートしてきた経験を活かし、発達障がいに関する情報を発信していきます。

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