「精神障害者手帳」ってどんなメリット・デメリットが?等級で何がかわる?
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ライター:Media116編集部
精神障がいのある方にとって障害者手帳(正式名称は「精神障害者保健福祉手帳」)を取得すると、いったいどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。地方自治体によって違いはありますが、等級等によってさまざまな福祉サービスが整えられており、手帳の取得によって、治療による経済的な負担や、精神的な負担を軽くして、治療に集中できる環境を作るきっかけになるかもしれません。手帳の取得を迷っている方や、まだ一部のサービスしか利用していないという方は、ぜひ、参考になさってください。
メリット1)障害者雇用での就職・転職活動ができる
障害者雇用促進法に基づき、50人以上の従業員数を雇っている一般事業主は、従業員数の2.0%以上、障害者の労働者を雇用しなければなりません。この雇用率を達成していなければ、事業主は国から一定のお金(障害者雇用納付金)を徴収されますし、雇用率を達成し、かつそれ以上の雇用数であれば国からお金(障害者雇用調整金)が支給されます。
こうした法律もあって、企業は障害者雇用を進めています。実は、この雇用率に算定されるのは、障害者手帳を持っている人のみ。ですから、障害者手帳を持っていると、就職を目指すとき、一般採用だけでなく、障害者雇用での募集にも応募できますから、選択肢が広がります。
精神障がいがあると、継続的に仕事を続けることが困難だったり、就職そのものが難しい場合もあります。障害者雇用として就職した場合、自分の能力と適正に応じた仕事に就ける、通院や治療に配慮してもらえる、周囲の理解が得やすい、など無理なく仕事を続けられます。精神的な安定が得られるメリットもあります。
メリット2)等級によって所得税・住民税・自動車税などが軽減される
納税者か、控除対象配偶者や扶養親族が精神障害者保健福祉手帳を交付されていると、所得金額から、級に応じて一定の金額の控除を受けることができ、所得税や住民税が軽減されます。
また1級の方と同居している場合、配偶者控除・扶養控除に加算があります。障害者手帳の等級によって金額が変わります。手続きは年末調整か確定申告で行います。ほかにも相続税や贈与税でもさまざまな特例が受けられます。
参照:国税庁 障害者と税
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm
障がい者が所有する自動車の、自動車取得税・自動車税・軽自動車税の減免を受けることもできます。減免内容や、対象となる障がいや等級は、自治体によって異なりますが、重度の1級のみを対象とすることが多いようです。
メリット3)さまざまな公共料金の割引サービス
鉄道やバスなど、公共交通機関の割引サービスは身体障害者や知的障害者に限られるケースが多かったのですが、精神障害者も運賃割引の対象とする交通事業者が増えてきています。よく利用する交通機関のサービス内容を確認してみてはいかがでしょう (なお、残念ながらJRは精神障害者保健福祉手帳による割引制度はありません) 。自治体によっては、タクシー利用券の交付やガソリン代の助成をするところもあります。
NHKの放送受信料は、障害や世帯の状況によりますが、半額割引と全額割引があります。
携帯電話会社の料金割引サービスも見逃せません。NTTドコモのハーティ割引、auのスマイルハート割引、ソフトバンクのハートフレンド割引、各社で内容が異なりますが、基本料金の割引など大きなメリットがあります。
ほかにも、美術館や博物館、動物園など、公共施設の多くで、手帳を提示すると入場料割引が受けられます。
精神障害者手帳を持つことにデメリットはあるの?
ここでは手帳を持つことで得られる主なメリットをご紹介しましたが、逆にデメリットはあるのでしょうか?医師への診断料がかかること、二年に一度の更新が負担といったこともありますが、「手帳を持つ」こと自体に抵抗を感じる方もいらっしゃるようです。
上記のようなことが心理的に負担だ、と思われる方は無理にとる必要はありません。自分にとって必要だと感じるサービスがあれば、取得を考えればよいのです。
実は、手帳を持たなくても受けられる福祉サービスもあります。たとえば、障害年金や、自立支援医療(精神通院)の申請は手帳がなくても可能です。
一方、都道府県、市町村などの自治体には「心身障害者医療費助成制度」などの名称で、心身に重度の障害がある方が保険証を使って病院で受診したときの自己負担金の助成が受けられる制度があります。
この制度は、自治体によって内容が大きく異なるのですが、精神障がい者も助成対象としている自治体の場合、精神障害者保健福祉手帳なしで申請できるところもあれば、手帳の所持者を対象とするところもあるので、要注意。お住まいの自治体の条件を調べておくとよいでしょう。
ほかにも、自治体ごとにさまざまなサービスがあります。手帳がどのくらい自分の生活を助けてくれるか、ぜひ一度、市区町村のホームページなどを調べてみてください。
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ライター Media116編集部
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