拡張身体でみんなと一緒に遊べる世界の実現!
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ライター:maroemon
Illustrator:Mackey
こんにちは!おうち時間が増えた昨今。
皆さまは、どんな風に過ごしていますか。
今回、ご紹介するイベントは超人スポーツ競技「スライドリフト」
このイベントは3月某日、関係者のみでのクロージングでのイベントとなり
「第0回」と称して開催されました。
こちらのイベントレポートをお届けします!!
スライドリフトとは
電動アシスト全方向移動体を用いて、ドリフト走行等のテクニックで競い合う車椅子レース、それが超人スポーツ「スライドリフト」である。
「スライドリフト」の競技性を代表するドリフト操作には、単純な競走にとどまらない俊敏性が求められます。
競技性のみならず,車体にも拘りました。
ヤマハ発動機社のJWX-2(電動アシスト)とポリホイールを活用した車輪により,人類にこれまでできなかったドリフト走行を可能とした。
身体の多様性に応じて柔軟に対応するため,様々は創意と意匠に取り込んだ
まさに身体的差異を超越した、超人スポーツここに生誕。
多様な参加者で開催
6名のプレーヤーが参加しレースを行い、タイムを競い合うのだが
障害・年齢・性別を超越し、下肢自由者が車椅子に乗って一緒に走るわけでもなく,下肢不自由者が義足をつけて一緒に走るわけでもなく、ドリフトという人類に存在しなかった身体機能で競い合う激しいレースを展開!
プレーヤーからのレース後の感想
● 遊びではなく、スポーツとして成り立っている。
● 大人と同等に戦える、みんなと同じフィールドで戦えて楽しかった!
● 練習を積まないと乗れない、上手になれない乗り物は発展しない。
● 段々スライドリフトが体の一部の近づいていくような感覚がしてきた。
● 身体的なハンデがあっても、スライドすることでカバーできた。
世界初の義手楽器「MusiArm」のパフォーマンス
当日はレースの他に世界初の義手楽器「MusiArm」のパフォーマンスがお披露目された。
THISABILITIES FEAT. キタフォックス
義手モデル・サウンドファシリテーターと幅広く活動中のKUNIHIRO YAMAMOTO
北海道旭川市出身、哀春オルタナティブロックバンド
そして義手楽器「MusiArm」「ThisAbilities」創設者・畠山 海人
ギターと義手を合体させたこの義手は、ソケットには専用アタッチメントがついており
ギターだけではなく別の義手楽器とのドッキングも可能!
このメンバーが融合し、世界初の義手楽器「MusiArm」のパフォーマンスを披露!
YAMAMOTO氏からコメント
「手の形に依存する必要はない、自分の手をどんどん拡張出来る可能性は無限大」
義手・義足の進化はどこまで行くのだろう・・・・
瞬きの瞬間すら惜しい異化身体(IKA)とは
サウンドコラージュ・プロデューサー / 音楽家のTOMC
車椅子ダンサーのかんばらけんたのユニット
異化身体(IKA)は今回が初のステージパフォーマンスとなった。
TOMC氏からのコメント。
音と既存の動きを超えた、かんばらけんたと自分のエクストリームな表現が
交わって難しい表現だと今までは思っていた。
しかし、たくさんの人達に「すごく良かった!」と言ってもらえて嬉しかった。
次回のステージパフォーマンスは未定。
開発者の想い
実行委員長でありスライドリフトの開発チームの一人である安藤氏より
技術や環境がこれほどまでに発達してきた昨今でさえ,僕らは当たり前のように身体差という非常に小さな差異に屈しています。
子供の頃から知っていた・感じていた、
「みんなで一緒に遊びたい」
という内在的な想いですらこの現実の前では霞み,致し方なく
「OOだから」という理由をこじつけ,僕らは狸寝入り、見て見ぬふりを
続けてきました。
僕らは,この想いが達成できない理由を「障害」とすることで,無理やり納得してきました。
農耕/狩猟社会の時代では,身体をその対象とし,工業社会では精神をその対象とし,情報処理社会においては発達をその対象としていると考えることができるでしょう。
身体的差異性を超越する,身体拡張がその有効打になります。
義足をつければ階段の上り下りが楽になる時代,脚よりも車輪機構のほうが日々の便益を受けられるようになった時代,義手の方が,義足の方が,日常生活をより豊かに楽しめることもあることが周知となり,人々が,まるで眼鏡を選ぶようにその身体を自由に選べるようになったその時初めて,僕らはこの呪縛の1つから解放されると信じています。
僕らは,まずは人類にできなかった動きを実現する身体を作り,みんなで一緒に遊ぶ方法を実現しました。
そのひとつが超人スポーツ「スライドリフト」なのです。
まとめ
このスライドリフトはもはや「車いす」ではなく一種の乗り物。
アミューズメントではないのでしょうか。
ほんとうに、みんなが平等に楽しく遊べる道具・乗り物。
レースを体験して、純粋に楽しかった!
次回のレースや体験会は未定ですが情報がリリースされましたら
メディア116でもお知らせしますね!!
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ライター maroemon
車いすユーザーであり、聴覚・視覚・内部疾患も兼ね合わせる。 ジョブコーチまたアスリートとしての経験を活かし現在はゼネラルパートナーズの企業アスリートとしてまた知的障がい・発達障がい専任カウンセラーとして日々当事者と同じ目線で向き合って課題解決に取り組む毎日である。
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