転職を有利に!人材紹介会社の攻略法
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ライター:ヒラノオツボネ
こんにちは、ヒラノオツボネです。私はこれまで人材紹介会社にてキャリアアドバイザーとして一般の方・障がいのある方のサポートをしてきました。今回はその経験から「いかに人材紹介会社を上手く使うか」というテーマで書きたいと思います。転職を検討されている方、転職活動真っただ中の方に是非知っておいて頂きたい内容です。
キャリアアドバイザーを上手く使って転職を有利に!
人材紹介会社を利用する時には「どんなキャリアアドバイザーがいるのか」ということよりも「どんな業界・業界に強いのか?」という意識のほうが強いかもしれません。
「郵便屋さん」「お巡りさん」「お医者さん」など肩書で呼ばれる職種の人たちも皆人の子で、感情があるひとりの人間ですよね。キャリアアドバイザーも「求人を紹介して内定までサポートしてくれる「サービス」である前に感情のある人間なのです。
何が言いたいかというと、人材紹介会社も「業者」ではなく「人対人」の関係性が前提であるということです。仕事なのでもちろん自分の感情でお客様を差別することはありませんが、「キャリアアドバイザーという人」を「上手く使う」ためには人としてのマナーなど忘れてはいけないことがあるということです。
では、ここからキャリアアドバイザーを上手に「使っていく」ためのノウハウをお伝えします。
キャリアアドバイザーに好印象を与える
キャリアカウンセリングでキャリアアドバイザーと面談をするとなった際、気を付けたいのは「印象」です。まずは身なりを整える、挨拶をきちんとする、キャリアアドバイザーとの対人関係において最低限のマナーを守る…当たり前のように思えるかもしれませんが、相手を「サービス」、自分は「お客様」と無意識に上下関係を持ったうえで接してしまうと気が緩んでしまうものです。
なぜ「印象」が大事なのか?その答えは好印象の方であればキャリアアドバイザーが求人を頂いている企業に「自信を持って」紹介できるからです。キャリアアドバイザーが「この方は社会人としてのマナーもあり、しかっかりとした方だな」、という印象を持てば「安心して求人をご紹介できる」「面接でもマナーを守った対応をして頂けるだろう」「会社に入ってもうまく溶け込んで頂けるだろう」…キャリアアドバイザーはあなたにお会いした瞬間から入社後のイメージまで想像しているのです。「当たり前のことを当たり前にできる」それが大切なのです。
自分の障がい上の配慮(できないこと・できること)を明確に伝える
さて、挨拶を済ませるとキャリアカウンセリングが始まります。その時に障がい者専門の人材紹介会社のキャリアアドバイザーが特に知りたいことは「どんな配慮が必要か」ということです。先でも述べたように、キャリアアドバイザーはあなたにお会いした瞬間、それ以前からあなたの入社後の活躍までを見据えているのです。
障がい上「できないこと」「できること」、「必要な配慮は何か」を明確に伝えることで、企業様にどのように掛け合えば入社後あなたがベストな状態で活躍して頂けるのかという想像ができるのです。
キャリアアドバイザーと会う前に、希望の職種においてご自身の障がい上配慮が必要になりそうなこと、逆にここまでの範囲ならできるということをイメージ・整理して準備をしておくと良いでしょう。
キャリアアドバイザーの話をよく聞く、質問をする
たまにキャリアカウンセリングでご自身の希望だけを伝え「求人紹介してください」という方がいらっしゃいます。しかし、これは実はとてももったいないことだったりします。キャリアアドバイザーは転職のプロですので、転職の市場感や現在アツイ求人、あなたが想像していなかったようなポジションの提案などができるサポートは幅広くあります。
希望を伝えたい、求人を紹介してもらいたい、そのお気持ちはキャリアアドバイザーも十分に理解しています。ですので、一旦ご自身の希望をマシンガントークで伝えるのは控えてキャリアアドバイザーに質問することを心掛けてみましょう。
「現在の転職市場はどういう動きですか?」
「どういった職種の求人が多いのですか?」
「年収はこれくらいを希望しているのですが、同ポジションでの障害者雇用の平均年収はどれくらいですか?」
「○○の職種を希望しているのですが、私の経歴では見合いそうでしょうか?」
まずはプロの話を聞く。その内容から今後の転職活動をどう動かしていけば良いかキャリアアドバイザーと二人三脚で考えていくということが大切です。
キャリアアドバイザーからの提案は一旦受け止める
希望の条件を伝えた際に、「うーん、なるほど…」とキャリアアドバイザーの顔が曇る場面があるかもしれません。それは現在出ている求人内容とあなたの希望・経験がマッチしていないという場合があります。「紹・介・会・社でしょ!希望に合う求人を紹介してよ!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、求人というのは無限ではないことを覚えておいてください。
転職の中でも特に障害者雇用には独特の傾向があります。職種に偏りがあったり、年収の幅に限界があったり、企業の中には障がい配慮がインフラ的に難しかったりなど、色々と制限が多いのが特徴でもあります。
その中でいかに折り合いをつけていくか。希望条件を広くすることを「条件緩和」と呼んだりもしますが、希望条件や経歴、障がい特性などにおいてどこかで折り合いをつけなければならないこともあるでしょう。
その時に大切なのはキャリアアドバイザーのアドバイスや提案をよく聞くことです。キャリアアドバイザーは最大限あなたに寄り添った内容で求人を紹介したいと思っています。無理に条件緩和をする必要はありませんが、キャリアアドバイザーの提案を一旦受けとめる姿勢ではいましょう。自分では気づかなかった新しい視点や、他の選択肢を提案してもらえるかもしれません。それはあなた自身にとってもプラスになることでしょう。
「二人三脚で歩む」というイメージを持つこと
初めに書きましたが、キャリアアドバイザーも人間です。お客様を差別するようなことはプロとしてありませんが、人対人のマナーを守ってきちんとした対応をしていればより気持ちよく動いてもらえるものです。気持ちよくコミュニケーションが取れれば、雑談からぽろっと良い話がでてくることもあるかもしれません。自分の転職を有利に運ぶためにはキャリアアドバイザーを上手く使うことが大切なのです。
そこで大勢のお客様の中で埋もれてしまわないようにするためには、キャリアアドバイザーからの連絡にはできるだけ早くレスポンスをすること、そして相手を思い遣ったコミュニケーションをとることが大切です。
例えば面接依頼がきている旨をあなたにメールと留守電にメッセージを残したのに返事を3日後にしてしまったらどうでしょう?面接調整が遅れることで、別の人が採用されてしまうかもしれません。
求人を紹介された際、特に理由を伝えず「応募しません」とだけ返信した場合はどうでしょう?あなたが本当に望む求人に出会うのにいたずらに時間が使うことになるかもしれません。
できるだけ早くレスポンスをして、相手が必要とする情報を提供することは、結局は自分に最適な求人に出会う近道につながるのです。
必要なのは「転職はキャリアアドバイザーと二人三脚で成功させる」というイメージを持つことです。キャリアアドバイザーは単なる「サービス」でも「機械」でもなく、いつでもお客様に寄り添ったパートナーであることをどうぞお忘れなく。
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ライター ヒラノオツボネ
これまで一貫して人材紹介会社にて健常者・障がい者の転職サポートに携わってきた人材一筋のオツボネ。ゼネラルパートナーズではキャリアアドバイザーとして身体障がいのある方のサポートを経験した後、精神障がいのある方のサポートに従事。現在はMedia116のライターとして仕事系記事を執筆中。
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