入社後に「やる気UPした!」「DOWNした・・・」明暗の理由とは?
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ライター:Media116編集部
なぜ?入社後のやりがい4割以上が「下がった」
まずは、このグラフを見て欲しい。(出典:障がい者総合研究所「入社後のやりがいの変化に関するアンケート調査」)
仕事のやりがいが入社後に「下がった」と回答した人は、なんと44%。「高まった」と回答した人は24%にとどまり、その差は歴然。これには、入社後に生じたどんな「変化」が影響しているのだろうか?
障がいのタイプによって理由は異なる
まず、障がい者全体で見てみると「仕事内容の変化」を理由に挙げている人の割合が最も高く、次に「給与・評価の仕組みの変化」と続く。
これを障がい別で見てみると、結果は変わってくる。まず、「仕事内容」と「給与・評価の仕組み」の変化は特に身体障がい者に影響が大きく、精神障がい者の場合は「自身の障がいの状況の変化」が4割を占める、その影響は圧倒的だ。
このことから、身体障がい者にとっては「給与や評価」、精神障がい者にとっては「障がいの状況に合わせた配慮や仕事の任せ方」が、入社後のモチベーションを大きく左右すると言えそう。
顕著なのは30代と40代の違い
年代別に見てみよう。どの世代も概ね「下がった」という割合が高いのに対し、30代だけは傾向が異なる。「高まった」が他の世代よりも最も高く35%で、「下がった」は最も低く24%にとどまっているる。これとは対照的なのが40代で、「高まった」はわずか12%で他の世代よりも低く、「下がった」は52%で過半数を超えているという状況だ。
これには、40代を境とした求人数の大幅な減少が影響していると考えられる。20代、30代で社会経験を積んでいるものの、自身の能力や経験と給料のバランスが見合わないと感じたり、仕事の内容そのものへの不満というものを抱きがちなのかも知れない。
良くも悪くも影響が大きい「仕事内容の変化」
一方、入社後に仕事のやりがいが「上がった」理由では、「仕事内容の変化」と回答した人が最も多く、次いで「給与・評価の仕組みの変化」となっている。そしてこの2つは、「下がった」理由のトップ2とも同じ。つまり、仕事内容の変化や給与は、良くも悪くも入社後の仕事のやりがいに大きな影響を与えているということ。
そして「高まった理由」で「給与・評価の仕組み」と同率で高い「自分自身の考え方の変化」にも注目したい。
障がい別に見てみると、以下のような違いがある。
「給与・評価の仕組み」と並び「自分自身の考え方の変化」の割合が高いのは身体障がい者で、精神障がい者は「仕事内容の変化」の割合が最も高いのが特徴的だ。
やりがいを見つけるために工夫していることは?
仕事のやりがいを感じるためにしてきたことは?という問いに対しては、
「自身の特性を整理し、出来ることと出来ない事を受け入れ、アサーションなどの訓練を受けた」
「仕事の中に自分なりの楽しみやこだわりを見いだす」
というコメントが寄せられている。
一方で、
「仕事に関連する勉強をする」
「資格取得」
「パソコンのスキルアップ」
など、自発的に自身の能力を磨くことで、やりがいを見つける努力をしているという声も目立った。
また、
「判らないことを積極的に聞く」
「上司や同僚へ相談し、何をどういう風に乗り越えたか質問して成功例など助言を頂いた」
「人間関係を良好にできるように努めた」
のように、周囲とのコミュニケーションを大切にしているという声も。
どんな仕事も、続けていれば様々な変化に直面することは避けられないが、自分自身でできることを工夫しながらモチベーションにつなげていくことも、仕事を長く続けるためのポイントと言えそうだ。
障がい者総合研究所「入社後のやりがいの変化に関するアンケート調査」
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