車椅子ユーザーも安心・快適! ユニバーサルデザインの温泉宿3選+α~関東近郊編~
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ライター:Media116編集部
みなさんこんにちは!Media116編集部です。温泉宿でのんびりし、近隣のスポットでちょっと観光。そんな気軽な近場旅を楽しみたいけれど、なかなかバリアフリーの宿を探すのが難しいという車椅子ユーザーからの声を耳にします。そこで、今回はMedia116が関東近郊で安心して温泉を楽しめる施設をリサーチ!オススメの宿をご紹介します。
入浴介助用のリフトあり!貸切風呂でリラックス「 富士レークホテル」
富士山にほど近い河口湖のほとりに建つ「富士レークホテル」は、昭和7年に創業。この歴史あるホテルは、長年ユニバーサルデザインに力を入れ、多くの車椅子ユーザーに親しまれている。
特筆すべきは2つの貸切温泉。大きな窓から河口湖を一望できる「レークビュー貸切風呂」は段差のない広い脱衣所やトイレを備え、入浴介助用のリフトも完備している。洗い場は4か所あり、湯船には4~5人入れる広さなので、同行者とゆったり入浴することができる。
※1回60分/4,320円。要予約。ホテルスタッフによる入浴介助はなし。同行者による介助もしくは、ヘルパー派遣の手配も可(1カ月前を目安に申し込み)
また、富士山を眺められる「富士展望貸切風呂」は入浴介助用のリフトはないが洗い場まで車椅子で入ることが可能。※1回50分/3,780円。要予約
移乗台や浴槽椅子などの貸し出しも行っている(事前予約制)。
客室は7タイプ23室のユニバーサルデザインルームを完備。室内に段差が少なく、お風呂とトイレには手すりを設置し、スペースを広く確保している。そのうちスイートルームとバリアフリーコーナールームのお風呂には座シャワーが設置されている。
カラオケルームやフェイシャルやボディトリートメントなどが受けられるトリートメントサロンにも車椅子での入室が可能。食事はきざみ食やミキサー食にも対応し、とことん障がいを持つ人のニーズに応えたサービスを提供している。
ほとんどの車椅子ユーザーが自家用車で来館しているが、富士急行線河口湖駅から福祉車両での送迎も可能。座席が車両外部に出てくるタイプの車なので、車椅子から座席に移乗する必要があるが、電車での来館者にはうれしい。
その他の設備、ホテルの詳細は公式WEBサイトで確認を。
ひのき風呂付き客室&部屋食で贅沢気分!箱根湯本「小田急 ホテルはつはな」
「はつはな」とは、その年最初に咲く桜のこと。「ホテルはつはな」は、桜のシーズンは玄関前のソメイヨシノ、湯坂山のヤマザクラ、さらに懐石料理に至るまで桜づくしの宿。
ここには、2つのユニバーサルスタイルの部屋がある。その1つ「ひのき風呂付き和洋室ユニバーサルスタイル」は、源泉掛け流しの温泉が楽しめるひのき風呂が部屋の中にあり、四季折々に変化する庭園を眺めながらのんびり入浴ができる。車椅子からバスタブへの移動、体の反転などがしやすい造りになっており、希望があればシャワーチェアの用意も可能。
手すりを設置したトイレ、和座敷の他にテーブルと椅子でくつろげるリビングを備えた室内は広々として過ごしやすい。
もう1つは「ビューバス付き和洋室 ユニバーサルスタイル」。こちらは温泉ではないが、マイクロバブルバスによる美肌効果が期待できる手すり付きの風呂を完備している。こちらも車椅子からバスタブへの移動がしやすいバスルームとなっている。
いずれも夕食は部屋食。日本料理の伝統を重んじる料理長が季節の旬の食材を取り入れ、器や盛り付けにまでこだわった懐石料理を心置きなく楽しむことができる。朝食は車椅子のまま食事ができる館内の「つつじの茶屋」です。
また、ホテルはつはなは「女性にやさしい宿」として有名。温泉スロープカー(車椅子乗車可)を使って移動する3つの源泉掛け流しの温泉露天風呂と内湯、リラクゼーションサロンを備えた女性専用スパ「やまざくら」がある。岩風呂と檜風呂に階段があるが、その他の風呂はフラットな床で手すりなどが付いており、バリアフリー。車椅子のままの入浴はできないため、同行者とともに利用を。
電車で来館の場合は、箱根湯本駅からの「湯本旅館組合巡回バス」が便利。車椅子での乗車も可能とのこと。
その他の設備、ホテルの詳細は公式WEBサイトで確認を。
風呂付きバリアフリールームと貸切露天風呂でのんびり!「箱根パークス吉野」
「パークス」とはラテン語で「くつろぎ、やすらぎ」の意味。「吉野」は桜の「ソメイヨシノ」から取り、宿に面する滝通りでは春になると桜が美しい花を咲かせる。
箱根パークス吉野は、家族での温泉旅行をもっと楽しんでほしいと、2013年末に館内を改装。車椅子のまま利用できる「客室」「お食事会場」「貸切露天風呂」「みんなのトイレ」を新設した。
バリアフリールームは2室。段差のない半露天檜風呂、広々としたトイレ、手すり付きの洗面台を完備している。
また、館の最上階にあり、地上20mからの眺めが楽しめる3つの貸切露天風呂のうち1つは、車椅子のまま洗い場に入れるバリアフリー対応(車椅子のままの入浴は不可)。シャワーチェアも用意している。
朝食・夕食の会場は、テーブルが車椅子対応の高さに調整してあり、夕食は箱根西麓野菜と相模湾の海の幸を活かす薄味で調えた旬の和食会席膳が楽しめる。
宿泊なしで、客室でゆっくり休憩できる日帰りプランも多彩。夕食付きの「0泊夕食」「0泊2食プラン」など、要望に合った使い方ができるので、問い合わせてみて。
設備やプランの詳細は公式WEBサイトで確認を。
障がい者の利用に特化した 公共の宿もチェック!
一般の温泉宿ではないが、自治体や社会福祉法人などが運営する障がい者のための宿が現在国内に5軒ある。「障害者更生センター」と呼ばれる施設で、関東近郊では神奈川、栃木、静岡に存在している。
その1つ「横浜あゆみ荘」は、横浜市営地下鉄の「都筑ふれあいの丘」駅から徒歩3分の場所にある。大浴室、小浴室A、小浴室Bの3つの風呂のうち、小浴室AとBは予約制の貸切風呂。Aは脱衣所と浴室が一体で車椅子のまま浴場に入ることができるほか、介助用のリフトの貸し出しも可能。
小浴室A
小浴室B
車椅子でも室内を移動しやすく、トイレが広い洋室3室、車椅子のまま入室できる和室9室(スロープを使用)も完備。食事は予約制で、車椅子バスケットボールや卓球などが楽しめる小さな体育館もあり、仲間と汗を流した後に風呂へ入ってリフレッシュ!という使い方もできる。
10名以上の団体利用でJR桜木町駅などからの送迎バスの利用も可(要予約)。
横浜市在住以外の人も利用でき、障がい者とその介護者は大人1泊2200円~(食事代別)と格安で宿泊できるのが魅力。きざみ食やおかゆ食などの特別料理も用意可能。
詳しくは、公式WEBサイトで確認を。
栃木県にある「那珂川苑」は大浴場、中浴場、家族風呂すべて温泉を利用しており、浴室専用車椅子を完備。完全予約制で入浴介護サービスも行っている。
(残念ながら今年度で閉館となる)
静岡県にある「伊豆 潮風館」は埼玉県が設置し、民間企業が運営。浴室用車椅子と移動クレーンで入浴ができる家族風呂があるほか、車椅子用トイレや介護用ベッドを備えた客室も。
横浜あゆみ荘を運営する横浜市社会福祉協議会の相川勇さんによると、20年ほど前には全国10カ所ほどあった障害者更生センターは年々減少。その背景には、バリアフリー、ユニバーサルデザインを備えた一般の旅館やホテルが増えてきていることがあるのでは、とのこと。
各宿も車椅子ユーザーの意見を聞き、細かい改善、修繕を重ねている。2020年に向けて一層車椅子ユーザーが関東近郊の宿を利用する機会は増えるはず。より多くの宿が車椅子ユーザーにとって過ごしやすい場所になることが望まれる。
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ライター Media116編集部
障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。
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