誰にとっても結婚式はオンリーワン
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ライター:Media116編集部
こんにちは、media116編集部です。
6月はジューンブライドでしたね。
障がい当事者にとって、恋愛・結婚・出産なんとなく躊躇して
しまいがちになるカテゴリーかもしれません。
今年2月に挙式を挙げた視覚障がいの築地ご夫妻を取材しました!
私たち視覚障がいがあります
築地ご夫妻について
夫)築地健吾さん 1986年1月15日生まれ 34歳
職業)企業内ヘルスキーパー・電車通勤しています。
妻)松田昌美さん 1986年2月18日生まれ 34歳
職業)ブラインドライター・「プロの文字起こし」として活躍中
健吾さん・昌美さんは盲学校の同級生だったそうです。
高等部を卒業してから10数年ぶりに偶然再会し異性の友人として
食事やお酒を楽しむ仲間だったそうです。
しかし、2018年に昌美さんから逆プロポーズ!
2019年2月に入籍。そして2020年2月22日に結婚式を挙げました。
入籍したけど結婚式・・できるの??
二人とも障がいがあるため、不安がいっぱいのなか
検索すると、たくさんのプランナーや会場がPCから溢れてきます。
その中から昌美さんが、選んだプランナーサロンへ電話をします。
●自分たちの障がいのこと
●車いすの友人や視覚障がいの友人を招待したいこと
●障がい当事者ならではの不安・心配なこと
当初の二人の希望を真摯に聞いてくれたのが、今回のプランナーの山本さんでした。
画像:打合せに活用されたレーズライター(Wikipedia)より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC
私たち、結婚式挙げます!
プランナーの山本さんと結婚式に向けて歩き出した築地夫妻です。
式場はどうしましょう
当初はレストランウェディングを希望していましたが、実際に現地にいくと当日来ていただくゲストのことを考えたら難しい状況でした。
●多目的トイレが完備されていない
●会場に段差が多い
当事者目線で見ると重要なポイントがいくつか浮きぼりになり、結果的には
ホテルに決定。
寿切手やめました
本来であれば、結婚式の招待状は寿の切手を郵便局で購入して、招待状を印刷してひと手間かかりますが・・・
築地夫妻はWEB配信・メールですべて完結しました。
視覚障がいの場合、郵便物は文字や画像が見えない、また誰かに読んでもらい、返信も誰かに代筆。
想像しただけで大変ですし、精神的に疲れちゃいますよね。
WEB配信の場合、読み上げソフトがあるので、双方負担なく作業が進むわけです。
会場内のオンリーワン
●座席の配置
多様な障がいのゲストが来場する結婚式。
特に視覚障がいのゲストが多く、まったく見えない人、光を感じる程度の人など見え方はそれぞれです。
隣に晴眼者を配置することで、「今、ここに●●がありますよ」と声をかけてもらうことで安心感が増します。
また、車いすユーザーであれば、少し広めにスペースを確保しておくなど。
●テーブルはシンプルに
結婚式のテーブルといえば、花があってテーブルクロスは真っ白で・・・
この日は白いテーブルクロスはNG→お皿の色やグラスと区別がつきにくくなるからだそうです。
なので、濃い色のテーブルクロスで大人っぽくしたそうです。
新婦・昌美さんのオンリーワン
この日のために作られたウェディングドレスはファッションブランド「tenbo」の鶴田能史さんがスモッキングの手作業によるテクニックで表現したデザインで一針ひと針、心を込めて縫いあげました。
ドレスには点字で健吾さんからのメッセージが!
「えらんでくれて ありがとう。これからもどうぞすえながくよろしく。」
画像を参照してくださいね。
背中の大きなリボンも素敵ですよね、ほんと妖精みたいです。
新郎・健吾さんのオンリーワン
昌美さんから健吾さんに何やらギフトが・・・
健吾さん、7年半苦楽を共にしてきた盲導犬のハーバーを2016年3月に亡くしました。
この4年間、何度か盲導犬を勧められましたがハーバーと7年半を整理しきれない
自分がどこかにいて、4年の月日が経ちました。
写真は見えないからハーバーとの思いでは振り返れない・・・
そこでハーバーそっくりな、ぬいぐるみを制作。
残しておいた遺骨と毛の一部をぬいぐるみのお腹へ、まるで魂が宿ったようです。
まとめ
取材当日、おそろいのシャツで待ち合わせの場所まできてくれたお二人。
ほんとうに幸せそうで、こちらまでほっこりしました。
このように交わる場所で何が必要なのか・・・・
まずは、お互いの認識を共有すること。なのでは。と感じました。
昌美さん・健吾さん末永くお幸せに!
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ライター Media116編集部
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