障がいが原因で「周囲から腫れ物に触るような態度で接される」と感じている精神障がいの方へ
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ライター:ヒラノオツボネ
こんにちは!元キャリアアドバイザーの「ヒラノオツボネ」です。これまで人材紹介会社にて健常者・障がい者両方のサポート経験があり、通算200名以上の方の就職決定に貢献してきました。キャリアアドバイザーの仕事は求職者様を内定に導くだけではなく、実は入社後の3か月間アフターフォローまでサポートさせて頂いています。入社後体調はどうですか、業務には慣れてきましたか、などいくつか質問をさせて頂き、もし何か困ったことがあった際には企業様との間に立って課題を解決していくという内容です。今回は私が精神障がいのある方のサポートをさせて頂いていた時によく耳にした「周囲となじめない」「周囲から腫れ物に触るような態度をとられる」といった体験について書いていきたいと思います。
障がいがあることで「腫れ物に触るような態度」をとられてしまうという現実
私は元キャリアアドバイザーですが、入社された方に定期的に「状況はどうですか?」と連絡をしていました。すると、
「みんなちょっとよそよそしくて、なんていうんでしょうか・・・腫れ物に触るような態度で・・・ちょっと居づらい雰囲気です。」
と仰る方も少なくありませんでした。特に精神障がいのある方に多い回答でした。障害者雇用で入社したのに、なんで?!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが。多くの場合受け入れ側としては悪気はないのですが、普段関わることの少ない障がい者に対しての接し方がわからないという結果がよそよそしくなってしまう、というような態度につながってしまうのです。
ではなぜこのようなことが起こるのでしょうか?
問題の根源は障がいについて「知らない」ことにあった
私は精神障がいの方の雇用促進のための企業向けセミナーを開催していました。企業側からは多方面からたくさんの質問がくるのですが、私には皆、口を揃えてこう言っているように聞こえたのです。
「何があるかわからないから採用するのがこわい」
解釈をすると、「精神障がいがどのようなものかわからないので通常の状態はどうなのか、体調を崩すとどんな状況になるか、その時どう対処していいかわからないので積極採用に踏み込めない」という意味です。
「こわい」という表現は過剰かもしれませんが、企業側・健常者側からしたらどんなことが起こるのか、予期せぬ事態に対して言い知れぬ不安を覚えているのです。障がいについて「知らない」がために、不安感から「こわい」という考えになり精神障がい者の雇用に尻込みしてしまう企業も少なくはないのです。
それは入社後の周囲の対応も同じで、「知らない」から、「どう接していいのかわからない」「どこまで仕事を依頼していいのかわからない」「聞いてはいけない質問があるかもしれない」「飲み会に誘ったら逆に負担になるかもしれない」・・・などなどそんなことが巡り巡って溝ができてしまい、障がい者側からすると「腫れ物に触るような態度をとられている」と感じるのです。
受け入れ側、障がい者側、どちらかが悪いという話ではなく、問題は障がいについて「知らない」ことなのです。
「腫れ物問題」を解決するには?
「知らない」=「こわい」=「腫れ物に触るような態度」という方程式があるとすれば、「知らない」という原因を緩和してあげれば良いのです。と言っても、どうすればいいの?という皆さん。解決する順番はこうです。
① まずあなたという人を知ってもらう
② 次にあなたの障がい特性について知ってもらう
これだけ聞くとなかなかハードルが高そうに思えるかもしれません。では実践ではどのようにすればよいのか?例も交えてご紹介します。
第1ステップ 「あなたという人」を知ってもらうこと
障がい者はエイリアンではなくあなたと同じ人間で、何も変わらないんです、ということを知ってもらいましょう。例えば業務上コミュニケーションが発生した際に、業務連絡だけでは終わらせず、一言
「そういえば○○さんは釣りがお好きだと聞きました。私も好きなんです。どんなところに行かれるんですか?」
「その花柄のスカートかわいいですね。私もそういうスカート欲しいなと思ってたんです。どこで買ったんですか?」
「デスクトップのお写真はお子さんですか?とってもかわいいですね。何歳なんですか?」
・・・話しかけるきっかけなんてなんでもいいんです。目についたもの、いいなと思ったもの、共感したもの、以前から気になっていたこと、などなどとにかくちょっとした会話を積み重ねて相手の警戒心を解いていくことが大切です。
そうすると、「あ、接し方わからなかったけど案外普通に話していいんだ」「へえ、こういうことに興味ある人なんだ」などあなたを知ってもらうことができます。雑談なんて・・・と思われるかもしれませんが、たかが雑談には思わぬパワーが秘められているのです。
第2ステップ あなたの障がい特性について知ってもらうこと
雑談を重ねることである程度人となりを知ってもらって、相手の警戒心も解けたところで障がい特性について知ってもらえるよう動いてみましょう。
ちょこちょこと雑談ができるようになってきた相手に
「私の障がい特性上、なかなかこういう作業に慣れないのですが、いつも手伝ってくださってありがとうございます。」
「いつも気さくに接してくださって嬉しいです。私は大人数の場は苦手ですが、こうやって○○さんとお話しをしている時はとても楽しいんです。」
など、日ごろの感謝の気持ちや嬉しいといったポジティブな気持ち+障がい特性の説明を入れていくと相手も受け取りやすいです。一度でべらべらと障がい特性について話してしまうと相手も重く感じるので、数回にわけて根気強く自分のできること、できないことをやんわりと伝えていきましょう。
「知ってもらう」ことによって周囲との関係も良くなったり、仕事上でも配慮を頂きやすくなったりすることがあるというのは紛れもない事実です。周囲に溶け込むには機会を待っているだけでは足らないこともあります。積極的に自分から働きかけることが大切なことなのです。
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ライター ヒラノオツボネ
これまで一貫して人材紹介会社にて健常者・障がい者の転職サポートに携わってきた人材一筋のオツボネ。ゼネラルパートナーズではキャリアアドバイザーとして身体障がいのある方のサポートを経験した後、精神障がいのある方のサポートに従事。現在はMedia116のライターとして仕事系記事を執筆中。
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