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10月8日(土)初のハロウィンライブを開催!「手話あいらんど」に突撃取材してきました。

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10月8日(土)初のハロウィンライブを開催!「手話あいらんど」に突撃取材してきました。

ライター:Media116編集部

皆さん、こんにちは。Media116編集部です。以前、記事でご紹介した「手話パフォーマンス きいろぐみ」の手話ミュージカル。先日観覧してきましたが、ろう者と聴者のキャストがミュージカルと手話を融合させたパフォーマンスを展開、時には観客全員巻き込んで手話をさせてしまうなど、これがまた面白い。手話パフォーマンスに俄然、興味が・・・・・というワケで、今回はきいろぐみの練習にお邪魔して色々質問をぶつけてきました。

今回取材を受けてくれたのは、きいろぐみ代表の南 瑠霞(みなみ るるか/ヒアリングキャスト)さん、メインキャストの1人、中嶋 元美(なかじま もとみ/デフキャスト)さんのお二人。手話あいらんどについて、昨今の活動状況や、手話パフォーマンスならではの苦労や工夫、今後の活動など、聞いてきました。

――― 手話あいらんどは、手話パフォーマンスから、手話タレントの派遣、手話教室、テレビ・映画への手話指導など、非常に幅広く活動を展開されていますよね?

南)はい、最近だとアニメ「聲の形(こえのかたち)」の登場人物の手話や、ろう者のヒロイン硝子の声などで協力しています。こちらで主人公の将也とヒロインの硝子に近いキャストを探し、実際に手話やセリフを発してもらい、それをアニメに落としこむ。手話の「動き」や「間」などリアリティを追求するための作業なのですが、京都アニメーションさんは大変だったと思います。

あと、映画「シンゴジラ」で首相がTV会見するシーンで、手話通訳をしているのもきいろぐみのキャストです。これから映画をご覧になられる方は、ぜひ注意して見て頂けると(笑)

▼予告編 (YOUTUBE: KyoaniChannel 映画『聲の形』 ロングPV  )より

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「いよいよ明日公開!「聲の形(こえのかたち)」一足先に試写会を見てきた。」

---- すでに2つとも観ました(笑)。そもそもどんな目的で「きいろぐみ」をはじめたのですか?

南)目的は大きく2つありました。

1つは「普通を目指す」ということ。聾(ろう)者、だって夜遊びもしたい大騒ぎもしたい、お酒を飲んで騒ぎたい、「普通」の若者と同じことをしたい。

そういった「普通」を実現するために、1997年に渋谷の老舗ライブハウス「クロコダイル」で“手話ライブ”を開催、福祉的な観点での活動が多かった当時としては、手話とライブハウスの組み合わせは斬新な試みだったと思います。

もう1つは、手話を「ろう者だけに向けた福祉的活動」ではなく「万人が楽しめるエンターティメント」にしたい、と思ったことです。手話は「空中に絵を描きながら感情を伝える」アーティスティックな聾(ろう)者の言語。この表現力豊かな言語を使って、聾(ろう)者から世の中の人全体に夢と感動を伝えたい、バイオリニストが音で感動を伝えるように、ダンサーがバレエで感動を伝えるように。

---- なるほど。そういった目的で活動を開始して20数年経った今、世の中の変化を感じますか?

南)それは感じますね。

まず鳥取の手話パフォーマンス甲子園や、国内最大の手話ライブ「D′LIVE(読み:ドライブ)」の開催など、手話のパフォーマンスが普及しました。

また、法制面での違いも実感しています。以前は、手話は聾(ろう)者に対する福祉的要素で捉えられていましたが、今は「言語」として認知されつつあります。各自治体で手話言語条例も出来つつありますし、手話を日本語と同等の言語として認知させるための手話言語法制定に向けた活動も行われています。ここ4-5年で特に世の中が変わってきたと思います。

▼手話言語条例の制定状況
手話言語条例マップ(一般財団法人全日本ろうあ連盟ホームページ)

---- なるほど、確かに世の中が変わってきている感じがしますね。

---- 今度は中嶋さんにお聞きしたいのですが、5年ほど前からきいろぐみに参加しているんですよね?手話パフォーマンスを演じるようになって中嶋さんご自身に変化はありましたか?

中嶋)ありましたね。私は幼い頃から軽度難聴で補聴器をつけて生活していたのですが、聴者とのコミュニケーションがうまく行かないときは、聞こえているフリをして「うんうん」と受け流し、自分の意見も伝えないことが多かったんです。それが手話、そしてきいろぐみに出会ってから「相手の伝えたいことをキチンと理解する、そして自分の意見を伝える」ようになりました

もう1つは、「ダンサー」としての夢を取り戻せたこと。幼いころからバレエを習っていて、ダンサーが夢だったのですが、高校2年の時にマラソンの練習中に激しい耳鳴りとめまいで倒れ、翌朝起きたときには全く音が聞こえない状態になりました、、、ダンサーとしての夢も閉ざされたと思いました。

そんなとき、手話パフォーマンスの体験会で手話と出会いました。手話の美しさ・感情豊かなコミュニケーションに魅せられ「ろう者として生きるのも悪くない」と思えるようになりました。そして、手話パフォーマンスによって、諦めていたダンサーとしての自己表現の場を取り戻しました

---- その手話パフォーマンスなのですが、あの台本はどのように作られているのですか?

南)よくぞ聞いてくれました(笑) 実は通常のミュージカルに比べ、手話ミュージカルの台本の制作は大変なんです。

手話ミュージカルは、聴者とろう者を両方楽しませるものなので、セリフと手話の両方の視点で台本を考えなければいけない。なので3-4段階の作業を経て、台本を作り込んでいきます。

まず、私が日本語のセリフで台本を作成します。次にその台本をろう者の出演者に渡し、手話に翻訳してもらう。ここで難しい問題が発生します。日本語のセリフを直訳してしまうと手話の意味が変わってしまうんです

例えば、「そんなの決まってるよ!」というセリフがあるとしたら、この場合の「決まり」という日本語は、ルールや規則のことではないので、手話では「当然」「当たり前」というカタチに変更します。外国語の歌や映画を翻訳するイメージに近い、といったら分かりやすいでしょうか?

ただ、このままだと日本語と手話のセリフがずれてしまうので、今度は日本語のセリフを、最初のセリフのニュアンスを踏まえた「あったりまえじゃん!」というセリフに変更する。場合によっては音楽に合わせてさらにセリフを調整することも・・・。今まであまり意識していなかったですが、考えてみると結構気が遠くなる作業をしていますね。(汗)

---- 通常の台本の3~4倍の手間がかかっているワケですね・・・大変そうです。練習でのご苦労や工夫している点などはありますか?

南)まず、ろう者のキャストは音が聞こえないので、スタートのタイミングは、聴者のキャストがカウントを出したりして知らせることもあります。また、観客を巻き込むパフォーマンスを入れて、観客の動きもみながらタイミングを計れるようにする、という工夫を盛り込んだりもします。

手話パフォーマンスきいろぐみの練習風景・デフキャストの中嶋さんに対し指でカウントダウンを出す様子

でも、実は一番大切なのは「聴者のキャストの動き」なんです。ろう者のキャストは聴者のキャストの動きを見ながら タイミングをつかんで演じます。だから聴者のキャストの演技が上手くないといけない。ミュージカル全体の完成度に影響するんです。

手話パフォーマンスきいろぐみの練習風景・ヒアリングキャストの動きにあわせて演技をする中嶋さん

中嶋)手話パフォーマンスは、「ダンスのステップ」と「手話という会話」を別々に同時に行っている感じ、最近慣れてきましたが、なかなか難しいです。

----台本作りから練習まで、全ての人に楽しんでもらうためには手間がかかる作業が必要な訳ですね。近々の活動予定を聞いてもよろしいでしょうか?

中嶋)近々ですと10月8日(土)に、きいろぐみ初のハロウィンライブ「ハロウィンだ!モンスターだ!わお!」を開催します。これも「ろう者だって普通にハロウィンを楽しみたい!」という目的で企画されたもの、昔から「普通を目指す」というコンセプトは変わっていないんです。今から本当に楽しみです。

「きいろぐみ初のハロウィンライブ「ハロウィンだ!モンスターだ!わお!」の画像

「ハロウィンだ!モンスターだ!わお!」

日時:2016年10月8日(土) 19:30~21:30(開場18:30~)

会場:グレープフルーツ・ムーン

所在地:東急田園都市線 三軒茶屋駅より徒歩7分
     
料金:3500円(税込)


※チケット代金とは別に、店内で飲食物を1品以上注文していただく料金が必要です。

▼詳細はコチラ (※詳細については、事前に下記ホームページをご確認下さい)
手話パフォーマンスきいろぐみ・ホームページ

来年1月13~15日にも、クロコダイルライブで3DAYSライブを開催を予定してます。

----ハロウィンですか~。盛り上がりそうなライブですね!

南)当日は皆で盛り上がっていきたいので、当日はぜひ色々な仮装をしてお越しください。あ、公演中は後ろの方が、前が見えなくなるといけないので 頭の上が高くなる帽子や盛り髪は 低めにお願いします(笑)。ふるってご参加ください!


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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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