職場などで自分の「怒り」と上手く付き合うための「アンガーマネジメント」を学ぼう。
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ライター:うつ症状のある方向けサービス シゴトライ
皆さん、こんにちは。うつ症状の方専門の就労移行支援「シゴトライ」で施設長をしている南雲です。さて、「怒り」という感情について、皆さんはどうお考えですか? 「怒っている」状態にある自分が好きな人はあまりいないでしょう。誰でも、できることなら怒りを喚起させるような状況は避けたいと思うものです。
しかし、怒りは人間の自然な感情の一つであり、必ずしも怒ること=いけないことではありません。むしろ、怒りとは心がなにかの不快を感じた際に自分を守るために生じる、反射的な自己防衛の感情といえます。ですから、肝心なのは、怒る必要があるときに、その怒りを相手に上手く伝えること。そのために必要となるアンガーマネジメントについてお話ししてみようと思います。
怒りは「二次感情」であることを理解しよう
まず、皆さんがどういうときに怒りを感じるかを想起してみてください。「怒りは自然な感情の発露」といわれていますが、実は怒りとは二次的な感情なのです。下記の図を見てください。
人がある出来事に遭遇し、「困った」「嫌だ」「不安だ」などという感情が生じたとします。それらの「一次感情」が貯まりに貯まると、心の外に溢れ出してしまいます。このとき溢れ出るのが「怒り」という「二次感情」です。怒りは一次感情の蓄積によって生じる副次的な感情であると言い換えてもいいでしょう。
このメカニズムを理解していると、怒りをマネジメントしやすくなります。たとえば、同僚に何か頼み事をし、相手がなかなかそれを履行してくれないというケースを考えてみましょう。このとき、あなたは怒りを覚えるかもしれませんが、その怒りの根底にあるのは「相手がなかなか頼み事を履行してくれない→「困った、どうしよう」という一次感情なのです。
この一次感情にフォーカスすると、怒りをコントロールしやすくなります。なぜなら、先の例に倣っていえば、自分は「困っている」から怒ってしまったのだと自分の感情を客観視できるようになるからです。そこから、怒りを適切にマネジメントする道が拓けます。
怒ってしまったときは6秒待ってみよう
怒りにまかせて行動してしまうことが得策ではないことは、誰もが理解していることでしょう。しかし、どうしても怒りでわれを忘れそうになったときは、6秒間、待ってみてください。強い怒りの感情というものが6秒程度しか持続しないことは、科学的に立証されています。ですから、怒りを爆発させる前に6秒待つ――これを心がければ、無用なトラブルなどもずいぶん回避できるはずです。
怒る必要のあることかどうか仕分けてみよう
自分の力ではどうにもならないことに対し、怒ってしまう経験は誰にでもあると思います。たとえば次のような例です。
会社の人事異動で慣れ親しんだ上司が他の部署に移ることになり、どうしようもない不安が生じて、「会社はなぜ私の上司を異動させることにしたのか!現場のことをなにもわかっていない!」と強い怒りを抱いてしまった――。しかし、社内での人事異動などは自分の力ではいかんともしがたいところ。自分でコントロールできない事項に対し怒ってみたところで無意味です。ですから、それらは「怒っても仕方ないこと」に仕分けるのです。
一方、業務量が多すぎて「なぜ自分ばかりこんなに仕事量が多いのか」と怒りを感じたケースはどうでしょう。この場合は、仕事量の軽減について上司などに相談できる――つまり、ある程度、自分でコントロールできる事項です。こうしてコントロールできること・できないことを仕分けると、無駄なことに怒り、徒にエネルギーを消耗してしまうことは少なくなるはずです。
「Iメッセージ」で一次感情を伝えることを心がける
メッセージには2つの種類があります。「私は」を主語にしたIメッセージと「あなたは」を主語にしたYouメッセージです。怒りにまかせた伝達というのは、おおむねYouメッセージの形を取ります。
たとえば前項で掲げた業務量が多すぎるという怒りを上司にぶつける際などは、「あなたはいつも私に仕事を押しつけますね!こちらの状況をわかってますか?!」というように、どうしてもYouメッセージなってしまいがち。これは、建設的な話し合いには不向きなメッセージの伝え方です。では、こうしたケースではどのように上司にメッセージを伝えれば良いのでしょう?
業務量が多すぎることに対する怒りとは、「仕事が処理しきれなくて困っている」「体調が崩れそうで不安」といった一次感情をベースとした二次感情です。ですから、二次感情ではなく一次感情の方をIメッセージで伝えれば良いわけです。
「私はいま5件以上の仕事を抱えていて、今週中は余裕がありません。これ以上、仕事を受けて体調を崩し、お休みをいただくと、さらにご迷惑をかけると思います。来週ならば受けられると思いますがよろしいでしょうか」
このような伝え方であれば、お互い建設的な話し合いができます。
怒りの感情はコントロールすることが難しいものです。しかし、ここまで述べてきたような怒りのメカニズムを知っていれば、それに振り回されることはずいぶん少なくなるはずです。とくに職場などでは、衝動的な怒りに身を任せてしまうと大きな損をします。自分が損をしないような「怒り方」を、ぜひとも身につけてください。
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ライター うつ症状のある方向けサービス シゴトライ
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