私たちのソーシャルディスタンスとは
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ライター:Media116編集部
こんにちは。
日本中が少しずつ日常を取り戻してきていますが
「新しい日常」の中で「ソーシャルディスタンス」という単語。
そして行為が日常化されました。
では、私たち障がいを持つ人々の「ソーシャルディスタンス」とは?
そして「新しい日常」についてお届けします。
コロナ弱者とよばれる人たち
「社会的弱者」と呼ばれたり「災害弱者」と区分けされる
障がい当事者は「コロナ弱者」にも値するのではないでしょうか。
いくつかの障がいにスポットをあてて見ました。
視覚障がいについて
視覚障がいのある人たちが苦境に置かれています。一人で外出が困難な人が利用する「同行援護」はガイドヘルパーの体につかまるため、接近や接触が避けられません。新型コロナウイルスの感染拡大後は「不要不急の場合」の利用が制限され、最低限の買い物や通院でさえも極力控える人がおり、「コロナ後の『新しい日常』はどうなるのか」と不安の声が上がっています。
「ソーシャルディスタンスが(見て)確認できない」
「日ごろ触覚に頼る部分が多く、感染対策が難しい」
「ビニール手袋を着用してみたが触覚感覚が乏しくなる」なるなどの意見が寄せられました。
聴覚障がいについて
聴覚障がい者について
相手の口の動きや表情を読み取って話の内容や相手の気持ちを感じ取るのですが、マスクを着用している人と会話をするときには、相手の口の動きや表情がわかりにくくなります。
「マスク着用で口型や表情が読み取りづらく、コミュニケーションが難しい」
「筆記用具の受け渡しがやりづらく、筆談を遠慮してしまう」という声が挙げられました。
「7つの提案」
一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティでは新しい生活様式に障がい者の視点を取り入れてもらおうと、視覚障がい者と聴覚障がい者、それぞれからの「7つの提案」を公表しています。
視覚障がい
(1)画像やグラフは言葉でも説明を
(2)助成金の申請などは、読み書きだけに頼らず多様な申請方法を
(3)視覚障害者が感染した場合の移動手段の確保を
(4)触れることは情報を知るひとつの手段と知ってほしい
(5)人との距離や街の変化も声かけで伝えてほしい
(6)街なかでも声かけを
(7)会話は笑顔と明るい声で
聴覚障がい
(1)映像には手話や字幕をつけて
(2)聴覚障害者が感染した場合、電話以外の連絡手段の確保を
(3)オンラインでの会議や授業は音声認識アプリの導入を
(4)声も筆談も、大きくはっきり
(5)ジェスチャーでコミュニケーションを
(6)手話に興味を持ってほしい
(7)笑顔でアイコンタクトを
一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティでは、この度、在宅長期化に伴う視覚障害者・聴覚障害者が抱える困難に関する実態調査も実施されています。
(詳細は下記リンクをご参照ください)
https://djs.dialogue.or.jp/news/20200506/
ケアを受ける障がい者の生活は(主に身体障がい)
日常生活のさまざまな場面で身体的な介助を必要とする障がい者は、ヘルパーとの毎日の接触が欠かせません。ソーシャルディスタンスという考えに立つと、介助そのものは成り立たなくなるのです。
事実、ヘルパーから当事者へ感染させるリスクがあるという理由で、ヘルパーの訪問が一時休止となり、代わりに入れるヘルパーも見つからなかったため、当事者の家族が不眠不休で対応した。という事例も報告されています。
ソーシャルディスタンスを踏まえて外出
緊急事態宣言は解除されたとはいえ、ショッピングモールや美術館・博物館は
入場制限・メディカルチェックの案内が日常化されていますね。
基礎疾患があったり、目線の低い車いすユーザーは何かと不安が多くなり
中々外出が億劫になりがちに・・・・
そんな時に外出する勇気を後押ししてくれるアイテムや、そもそも外に出なくても外出気分が味わえるスポットをご紹介いたします!
【Zoomツアー・1時間】期間限定オンラインで体験できる妖怪美術館点検ツアー
6月より毎週日曜日の午前10:30~スタートです!
香川県小豆島の妖怪美術館!世界中から800体以上の妖怪が展示!
館長で妖怪画家の柳生忠平さんほか、スタッフと共に休館中の館内を点検するツアーです。
スタッフ以外誰もいないはずの美術館で、何かが起こるかもしれません・・・。
小豆島は、広さはわが国で19番目の島。169.86㎢の面積、人口は約2万8千人。
小さな島、高松空港からリムジンバスとフェリーを乗り継いで到着!ですが・・・
今回はZoomツアーで妖怪美術館体験しちゃいましょう。
(本ツアーが現時点では終了期間は未定、6月・7月は開催)
夏だから・・・プールを楽しみたい!!
今年の夏はプール授業や海水浴場開設中止のニュースが相次いでいますね。
水泳指導者向け耐水透明マスク「プールマスクマン」
新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、水泳スクールの指導者向けに開発された耐水マスクが話題になっている。その名も「プールマスクマン」
1)子供や会員様への感染予防
2)子供へ安心と笑顔を届ける
3)コロナ対策の見える化
4)プール施設に入れない保護者へ安全安心を届ける
現在、全国のスイミングスクールで指導員らの活用がスタートしています。
今後は、障害児・者のスイミング指導の活用にも期待が出来そうです。
「プールマスクマンはあくまで水泳指導者向けなので、一般の方がこれを付けて泳ぐことは想定していません。危ないので子供はもちろんの大人の方も練習では使用は避けてください。」とのこと。
プールマスクマンをつけた指導者のいるスイミングスクールなら安心して通わせられる気がします。
マスクとフェイスシールドで!
顔全体をガードするフェイスシールド型のマスク。汚れた場合は、フィルムを洗うだけで繰り返し使用可能。曇り止めコーティングによって、フィルム表面での呼吸による結露が起きません。軽くて快適な着用感が得られます。また、メガネに装着することもでき、ゴーグルになっていることで、バンドタイプと違って髪形を気にすることはありません。体温調節が難しく、座っていることで常に立位に比べ顔が低い位置にある車いすユーザーの新しい防御装備として、お勧めしたい一品です。
● まとめ
「新しい日常」「ソーシャルディスタンス」という新たな常識が求められた今年、昨年まで全く想像もしていなかった毎日を私たちは過ごしています。
これから障がい当事者に求められるものとは何なのか、いまだ想像はつきません。しかしながらこの長く、そして少し窮屈な自粛生活の中で、だれもが何かしらの障がいを持ったといえるのではないでしょうか。
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ライター Media116編集部
障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。
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