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手話で考え・手話で語り・手話で作った映画「咲む(えむ)」

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ライター:maroemon

こんにちは!まろえもんです。
今回、全日本ろうあ連盟創立70周年記念映画「咲む(えむ)」が完成。8月に横浜市で延期になっていた記念すべき第1回の試写会に行ってきました。聴覚障がいをもつ、自分がどんな風に感じるかとても楽しみでした。

全日本ろうあ連盟とは

全日本ろうあ連盟(ぜんにほんろうあれんめい)は、1947年 群馬県伊香保温泉にて創立、全国47都道府県に傘下団体を擁する全国唯一のろう者の当事者団体です。基本的な取り組みは次の通りです。
1)手話通訳の認知・手話通訳事業の制度化
2)聴覚障害を理由とする差別的な処遇の撤廃
3)聴覚障害者の社会参加と自立の推進

ろう者の監督・ろう者の主演女優、強靭なキャスト・スタッフで制作された映画「咲む(えむ)」

全日本ろうあ連盟として初挑戦となった前作「ゆずり葉」(2009年)は海外を含めて上映会上750ヵ所・上映回数1,250回、観客動員40万人を突破。
2019年10月から鳥取県や全国6カ所のロケ地で約1カ月にわたって撮影が行われました。脚本・翻訳・監督は前作の「ゆずり葉」につづき、早瀬憲太郎氏。主演となった藤田奈々子さんは、早瀬監督との出会いは3歳だったとのこと!この映画ならではの、手話言語指導者・監督付き手話言語通訳者・手話言語通訳者・盲ろう者通訳・介助員・手話言語通訳コーディネーターなど、「手話通訳」に関する方々が総勢20名、そのほかロケ地の聴覚障害者協会の方の協力で充実した通訳体制が完備されました。撮影中はもちろん他愛のないおしゃべりも通訳しコミュニケーション格差がない環境をつくりながら映画製作、きこえる役者さんも日に日に手話が上達していったようです。

平子瑞月(ひらこみずき)を成長させる家族と周囲の人たち

映画「咲む(えむ)」には聞えない役者さんや身体に障がいのある役者さんも出演しています。手話の魅力や美しさが役者さんの手先や伝わり、また表情の豊かさに圧巻されました。

平子充:高島良宏:瑞月の父親。久仁木村生まれのろう者。
2008年 7月 TBS系「風の歌が聴きたい~音のない世界に生きる 聴覚障害者夫婦の16年~」(第25回ATP賞テレビグランプリ2008 ドキュメンタリー部門優秀賞、総務大臣賞)

平子愁子:鈴まみ:瑞月の母親。ろう者。
日本ろう者劇団1996年入団。手話狂言、創作劇に多数出演。2019年濃淡公演VOL.01に参画。

平子はるひ:山中蓮媛(れおん):瑞月の妹。両親、姉ともにろう者の家庭に生まれた、きこえる女の子。
書道特待生、全国手話検定試験2級

加古川リュウ子:伊是名夏子:加古川次郎・敏江の娘。生まれつきの骨形成不全症。
コラムニスト。骨が折れやすい障害「骨形成不全症」のため、電動車いすを使用。身長100cm、体重20kg。

映画「咲む(えむ)」とは

★ストーリー
看護師試験に合格したろうの女性の瑞月(みづき)は、就職活動で苦戦。
そんな折、ある村の診療所で雇われる話が舞い込み、意気揚々と村にやってきた瑞月。
しかし、採用を見送られることになり、落ち込む瑞月に役場からの仕事の紹介が・・・。
村に住みながら懸命に取り組む瑞月だったが、様々な壁が瑞月を阻んでいく。
相手を想っての行動が思わぬすれ違いを生み、そのわだかまりを解くこともできずに苦しんでいる大人たち。
瑞月の起こす行動は、そんな大人たちを少しずつ変えていく。
そして、村も大きく変わっていく・・・。
映画「咲む(えむ)」HPより引用

ルマンド大好き早瀬監督

一切の妥協を許さず、手話で考え、手話で語り手話で作った脚本。
早瀬監督、ルマンドが元気の素なんだとか・・・・

「咲む(えむ)」のストーリーはどのようにして生まれたのでしょう。

当初は、現在の「咲む(えむ)」とは違い、主人公が女性で観た人が元気になれて、ろう者運動の精神を感じられる映画にというものでした。構想は、昭和30年代~40年代を生きた、ろう女性たちの視点から描いた「ろう運動」というものでした。その中で、「昔と今では、社会も変わり「ろう運動」の形も変わってきている。でも、人間の本質が変わらないのと同じように根底にある、ろう運動の精神も変わらない。」という言葉が非常に印象に残りました。
そこで、思い切って舞台を現代にし、若いろう女性を主人公にとして、私たちが目指す「ろう運動」とは何かを考えようとしていました。
『季刊みみ:早瀬憲太郎監督に聞く』より引用

映画「咲む(えむ)」題字の揮毫は金澤翔子さん

映画の題字「咲む(えむ)」。揮毫した題字が寄贈。セレモニーは試写会より早く2月に神奈川県庁で開催されたそうです。試写会で映画を鑑賞した翔子さん「感動しました。」と感想を伝えてくれました。

今後の上映スケジュール

2020年9月5日(土) 13:00/16:00 とちぎ福祉プラザ 多目的ホール
2020年9月6日(日) 13:00/16:00 横浜市健康福祉総合センター4階ホール 
2020年2月まで上映スケジュールあり、詳細はこちら

https://emu-movie.jp/theater/

まとめ

今回、コロナ禍の中で延期されていた上映会。ソーシャルディスタンスを保ちながら開催された上映会。聴覚障がいを持つ私にとって共感すべきところが多く映画を観ながら
「あーそこ!そうそう、そこなんだよね」と大きくうなずいてしまいました。
「咲む(えむ)」では、聴覚障がい者だけではなく、身体障がい者や盲ろう者の出演もあり
斬新さを感じました。
早瀬監督、現場ではいつも赤やピンク色の洋服を着ていたそうです、それは「スタッフが監督を見つけやすいため」呼ばれても聞こえないから、見つけてもらえばいい。そのためには目立つ色。素敵なアイディアですね!「咲む(えむ)」は英語版字幕で海外で世界へも羽ばたきます!お住まいの地域で上映会が開催される際には是非、足を運んでみてはいかがですか。


★コロナウイルス感染予防対策について★
media116ではソーシャルディスタンスを保ち、取材の際には検温・消毒・フェイスシールド着用しています。
通常時・移動中はマスクの着用。
フェイスシールド提供元:J-Workout株式会社

映画「咲む(えむ)」HP

https://emu-movie.jp/

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ライター maroemon

車いすユーザーであり、聴覚・視覚・内部疾患も兼ね合わせる。 ジョブコーチまたアスリートとしての経験を活かし現在はゼネラルパートナーズの企業アスリートとしてまた知的障がい・発達障がい専任カウンセラーとして日々当事者と同じ目線で向き合って課題解決に取り組む毎日である。

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