「一歩、歩み寄ってほしい」新婚旅行で痛感した障がい者と健常者の境界
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ライター:わに
みなさんこんにちは!てんかんと闘いながらゼネラルパートナーズでライターをしているわにです。先日新婚旅行をしたく大手旅行代理店に相談をした時、とてもショッキングに感じたことがありました。みなさんはどう思われますでしょうか?
障害者差別解消法が制定されても進まない障がいへの理解
先日大手旅行代理店に主人が新婚旅行の相談に行った時の話です。はじめは順調に旅行の内容が決まりつつあったのですが、座席指定の話になった時、お店の方に主人がこう相談しました。
「妻にはてんかんという障がいがあり、発作になった際に薬を飲ませなければならないので、座席指定料金をお支払いするので隣同士にしてください。」
するとどうでしょう。担当の方の顔色が変わり、こう言ったそうです。
「特別な配慮が必要な方は弊社フォーマットに沿った医師の診断書の提出が必要です。」
よくよく聞いてみると、今回はその代理店が主催するパッケージツアーでの旅行を希望していたため、リスク管理の面から同社フォーマットに沿った診断書の提出が必要とのこと。また、航空会社にも障がいのある方の利用に対しての規定があり、こちらでも診断書が必要になるというのです。
「確かに企業側としてはそういったリスクは取りたくないもんなあ…」と納得はしつつも、戻った主人から話を聞き、今後のために詳しく知りたいとお客様センターに事の顛末を話し、質問をしてみました。
わに「診断書は障がいのある方全員に求めているのですか?」
担当者『いえ、そういうわけではなく…例えば車椅子の方など目に見える障がいの方には求めていませんが、お客様の場合は必要になります。』
え?障がいが目に見えるか見えないかで差別するの?おかしくない!?
その後航空会社にも規定を確認してもらったところ、
担当者『お客様はてんかんをお持ちということですが、その場合発作の頻度が多ければ医師の診断書が必要とのことです。』との回答。
わに「発作の頻度が多い少ないは明確な規定があるんですか?」
担当者『ええと…そういうものはないので、お医者様に多いか少ないか聞いてください。』
わに「・・・???(この人病院にかかったことないのかな・・・)」
てんかんの頻度に関しては医師も明確な基準は持ちえないので、経験上の観測・感覚によって発作が多い少ないという判断は変わるのでは?と言いましたがそれでも医師に全て委ねるとの一点張り。医師が多いと言えば診断書を求める。少ないと言えば診断書を求めない。
正直、呆れと同時に「障がいを理解しようともしてくれていないのか」と、とても悲しい気持ちになりました。
「知ろうという一歩」そして「伝えていく」という歩み寄り
今回の一件で私は「あの旅行代理店が悪い!航空会社が悪い!差別だ!」と叫びたいわけではありません。私が考えたことは「個々の障がいへの理解が進んでいないのではないか」ということです。「この会社は・・・」といっても、会社も1人1人の人間、「個々」の集まりです。
「ひとりの人として、障がいというものに向き合って、一歩、歩み寄るこころを持ってほしい」
例えば今回対応してくださった方は、私にお電話を下さる前にてんかんという障がいについて一度ググってみてくだされば、話の内容や私が受ける印象は大きく違ってきたのかもしれません。
健常者が障がいについて「知ろうとすること」、そして障がい者が障がいについて根気強く「伝えていくこと」。両者のその一歩の歩み寄りがあれば、障がい者・健常者の境界は低くなり共生しやすい社会になるのではないでしょうか。
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ライター わに
17歳の時に側頭葉てんかんを発症、精神障害者手帳2級の障がい者。 酸いも甘いも経験してきた熟れ時アラサー女子。 「全力で働き全力で遊ぶ」がモットー。 誰彼構わず噛みつき周囲をヒヤつかせるため「わに」。 過激な記事を投稿しようとし編集長に止められるのが日課。
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