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うつ症状における就職・転職の「オープンorクローズ」、自分にとってはどっちが良い?

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ライター:うつ症状のある方向けサービス シゴトライ

皆さん、こんにちは。うつ症状の方専門の就労移行支援「シゴトライ大阪」で施設長をしている糸岡です。今回は、求職中のうつ症状のある方からよくご相談を頂く働き方、「オープン・クローズ」についてまとめました。

就職・転職におけるオープン・クローズとは?メリット・デメリットは?

求職中のうつ症状のある方で、この様なお悩みはありませんか?

「障がいのことを伝えると、職場で浮いてしまわないか・・・」

「安定した収入と雇用を確保できるか・・・」

「やりがいを持てる仕事を任せてもらえるのか・・・」

一方で、障がいのことを伝えないと体力的に働き続けられるか不安・・・という方も少なくないのではないでしょうか?

ハローワークを通じた精神障がい者の新規就職件数は年々増加し、2016年4月からは障害者差別禁止法も施行され、うつ症状があることを職場へ伝えやすい時代となりつつありますが、まだまだためらう方もいらっしゃいます。

将来のキャリアや、周囲からの評価などが気になり、「本当に伝えて良いのか」と思い悩むケースが大半です。今回は、求職中でオープンかクローズかに悩む方にとって、働き方を検討する材料になればと思いこのテーマを取り上げました。

まずは改めて、オープン・クローズとは何かについて説明します。




【オープン・クローズとは】
 身体や精神に障がいがあることを職場へ伝えることを「オープン」、伝えないことを「クローズ」と言われています。それぞれどの様なメリット・デメリットがあるのでしょうか。

【オープン・クローズのメリット・デメリット】
オープンのメリット
必要な配慮を頂けることです。例えばうつの症状のある方への配慮の場合、残業を避けることや、体調に合わせて勤務時間を短くすること、体調管理に影響を与える業務を避ける(例えば、電話や来客対応、難しいかけ引きや交渉が発生しやすい業務を避けるなど)ための職場配属、体調に変化があった場合に周囲から気付きをうながすなどのフォロー、定期面談の実施、通院のためのお休み等の配慮を頂けるため、長期的に無理をせずに就業できる環境が整いやすくなります。

オープンのデメリット
障がい者採用の求人では一般採用の求人と比較すると職種の選択肢が狭くなり、求人件数が減ることです。オープンにして就労をする場合に、多くの方が障がい者採用の求人を選択します。
職種の選択肢が狭くなるというのは、障がい者採用の求人は一般事務が多く、営業職や開発職等の求人件数が少ないためです 。

クローズのメリット
一般採用の求人も加わるため、求人数も多く職種の選択肢がひろがります

クローズのデメリット
必要な配慮を頂けないため職場への定着に不安が残ります。通院の為のお休みも申請しづらいため、通院頻度を減らしてしまったり、通院ができなくなってしまったという経験談も聞きます。また、服薬も周囲に気付かれないようにと気を遣います。

転職直後は慣れない環境への順応に加え、仕事内容、人間関係などすべてが新しくなるため、誰でもストレスが掛かるものですが、そこへ病気を隠しているという大きなストレスも加わり、体調を悪化させてしまうケースもある様です。

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メリット・デメリットを整理すると、オープンは「就職の機会はクローズと比較すると減るが長く働くためには有効」、クローズは「就職の機会は増えるが長く働くためには不安が残る」となります。しかし、多くの方は「就職」と「長く働く」ことの両方を実現したいと考えるものです。両方を実現するための手段はないのでしょうか。

オープンとクローズ、自分にとってはどっちが良い?

オープンかクローズかの判断をする前に考えて欲しいことが、「今、自分は働き続けられる状態か?」ということです。

どんな時に体調悪化の傾向が出ますか?そして、悪化傾向を止めるための対処法をお持ちですか?また、体調悪化しないような予防法を身に着けていますか?まずは、ご自身の症状の理解を深め、長く働き続けるための課題と対策と予防法をまとめてみることをお勧めします。

ご自身の症状の理解が不十分で、悪化の傾向や予防法もわからないまま入社してしまうと、オープン・クローズのどちらであっても体調を崩した時に周囲に負担を掛け、やりがいを持てる仕事を任せてもらえず待遇も不安定になってしまうリスクが高まります。

長く働き続けるための課題と対策と予防法がまとまれば、それを実現できる環境がオープン・クローズのどちらかを考えてみましょう。その際はぜひ長い人生を見すえて考えて頂ければと思います。オープン・クローズを一度選択したからと言って、次も同じ選択をしなければならない訳ではありません。

自分の「今」を知るには?



ご自身の症状の理解については、机上で考えるよりも実際に体験して主観だけでなく客観的な意見も取り入れることが有効です。実際に体験し、客観的な意見ももらえる場としてはデイケアやリワーク施設、就労移行支援事業所など、日々通いながら自分の状態を把握することができる施設が有効です。体調や気持ちの変化などを点ではなく、線や面でとらえられ、施設の職員から客観的な評価を貰うこともできます。

長く働き続けるための課題と対策と予防法をまとめるために利用してみてはいかがでしょうか。

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ライター うつ症状のある方向けサービス シゴトライ

うつ症状の方向けの就職支援サービス。就職のためのスキルアップ研修や、安定就労のためのストレス対処法などのノウハウを活かし、うつ症状の方に関わる情報を発信していきます。

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http://www.45try.jp/

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