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障がいを隠して働き体調悪化…就労移行支援への通所で掴んだAさんの明るい未来への希望

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ライター:うつ症状のある方向けサービス シゴトライ

皆さんこんにちは。障がい者専門の人材紹介会社ゼネラルパートナーズが運用する就労移行支援事業所「シゴトライ」です。「シゴトライ」はうつ症状専門の就労支援サービスで、うつ症状のある方が長く安定して勤務できるように実践的なスキルアップ研修を行っています。今回は「シゴトライ」に通所された後、ゼネラルパートナーズの人材紹介にて就職決定されたAさんに通所までの葛藤や通所されてからの変化、現在の状況などについて取材しました。

「頑張ることに疲れた」うつ病の父のサポート、有名私立大学での学業…その時私は爆発してしまった

Aさんはうつ病で障害者手帳を取得している、現在28歳の女性だ。某有名私立大学を卒業された後、数社のアルバイトを経てシゴトライに通所された。その後ゼネラルパートナーズの人材紹介からアパレル系企業に内定し、現在フルタイム就業を目指しつつ臨時社員として働かれている。

「小学6年生の時父が鬱になって、家族で父のサポートをしていました。でもそれが大学生の時に我慢の限界になったのです。」

日本で3本の指に入るであろう某有名私立大学に通われる非常に優秀な方で、大学での勉強にも真面目に取り組まれていた。しかし、周囲には不真面目で勉強をしないがなぜか優秀な成績を収めてしまう学生ばかり。

「頑張ることに疲れてしまったんです。」

女性の足

Aさんはため息交じりにそう言った。

「私は真面目に頑張ってるのに、なんで勉強をしていない人達が優秀な成績を収めるのか。真面目に頑張ってる私はなんなんだろう?と思いました。父のサポートに加え大学生活がうまくいかないことが重なって、爆発してしまったんです。」

Aさんがうつ病を発症するに至ったきっかけは家庭の問題と大学生活がうまくいかない状況が重なってのことだった。
大学生活を送っていた時にうつ病を発症し、卒業後半年ほどは自宅で療養をしていた。

「当時は体がなまりのようになって動きたくとも動けず、横にならざるを得ませんでした。手のしびれもあり、物をつかむのも辛いような症状もありました。」

「社会と繋がっていたい」就労を急いだことで起きた弊害

療養後、体調が万全ではない中Aさんは非正規雇用として働き始めた。何より彼女を就労に駆り立てたのは「社会と繋がっていたい」という思いだった。
「家庭の問題から脱出したかった。距離を置きたいと思ったんです。」そう彼女は言う。

「うつ病を抱えながら働いていた時はカミングアウトできず、体調が悪くともなるべく休まないよう気をつけなきゃ、など体調の自己管理のプレッシャーが大きかった。」と言う。

2015 年冬から塾でのアルバイトを始めた彼女。しかし担当の生徒数が増えるのと比例して業務が増え、毎日残業が発生する状況になった。周囲の状況を考えたら上司に業務量の相談ができず、辛いまま勤務をしていたため徐々にうつ症状が出るようになった。

障がいをクローズで働いていたため、体調に関しても相談ができず、無理をして勤務していたことで徐々に欠勤が目立つようになった。最終的にうつ病であることを上司へ伝えると、休暇を取ることを勧められた。しかし、これ以上同じ状況で働いていくことは難しいと判断し、2年後の2017 年春にやむなく退職することとなった。

落ち葉

「障がいを受け入れて前に進むしかないと気付いた」きっかけは“日記”

アルバイトを退職し、「これから仕事をどうしていったらいいのか…」そう思っていた時に彼女は「福祉の力を借りたい」と思い就労移行支援に頼ることを決めた。

「就労移行支援に通おうと思ったきっかけは障がいを受け入れて前に進むしかないと気付いたからなんです。」
障がいを受け入れるということの重みや大変さは並大抵ではなかったはずだ。しかしどうやって自分一人で障がいを受容できたのか?と問うと
「毎日日記をつけていました。アルバイトの中で症状に悩まされていたことを日記に書いていて、それを振り返ってみた時にいかに私が体調に悩まされ、体調がきっかけで上手くいかないことが多かったのかを知ったんです。」
度重なる欠勤の原因や、急にガクンと気分が落ちこむ体調の波の原因が見えたと言う彼女。
「障がいを認めないと働きづらいだけだ!」と気づいたと、ハッキリとした口調で言う。
「そのことに気づかなければ私は安易に転職をして、失敗を繰り返していたかもしれません。」

日記

彼女を救ったきっかけは“日記”だが、本当に彼女を窮地から救い出したのは、彼女自身が自分の体調にしっかりと向き合い考えてきた結果だったのだ。

「就労移行支援に出会えなかったら今の私はなかった」通所を通じて彼女の得たものとは

Aさんは就労移行支援事業所のことをネット検索で知ったという。元々は病院で他の就労移行支援事業所のパンフレットを手に取ったことがきっかけだそうだ。そして「他にもないのだろうか?」と色々と調べ始めたという。
そして実際に複数の就労移行支援事業所の見学に行かれ、シゴトライがより実務的だったことから通所を決めた。

「通所者の方は皆授業に集中していたし、研修も充実していたのが魅力的でした。また、うつ症状専門の就労移行支援事業所だというところも通所した大きな理由でもありました。」

初めて体験通所した時、体調も良くなかったので少し遅刻してしまったという彼女。
「遅刻しても『良かった、来てくれて!安心した!』と支援員の方が言ってくれたことが大きかったです。受け入れてくれるという空気を感じて、頑張ろう!と思いました。」
彼女は嬉しそうに当時のことを話した。

「一気に緊張がほどけて、支援員の方にも迷惑をかけたくないし、自分のためにも毎日通おうと思いモチベーションが上がりました。」

「20人くらいいるメンバーの中でもちゃんと自分を見てくれているという安心感がありました。メンバーとは集まってお昼を一緒に食べに行ったり、和気あいあいとしていて、それも続けられる大きな要因でした。朝起きて、体もだるく体調もあまり安定しないという時でも、いけばなんとかなる!と思い安定的に通所ができました。」

彼女は2017 年4 月よりシゴトライへの通所を開始した。まずは週3日通所から始め、徐々に日数を増やしていき、2017 年8 月から週5日の通所ができるようになった。体調が良くない時もあったが、通所を開始してから出勤率100%を維持したという。

就労移行支援に通所することについて、家族はどのような反応だったかと聞くと、
「家族は、いってみたらいいねと後押しをしてくれました。通所してから、今日はこんなことをしたよ、と報告すると喜んでくれそれが安定通所の支えになっていました。」
支援員、仲間、家族の支え、そして彼女自身の決意があってこその安定通所だったのだ。

太陽をつかむ手

「就労移行支援に通所する前は体調が辛い状態でしたが通所して体調が安定して、3か月目から睡眠導入剤をやめ、そこから少しずつ減薬して6種類飲んでいた薬も3種類に減ったんです。」という。
薬の種類が半分に減ったという事は、本当に驚きだ。

就労移行支援では主にパソコン研修を受けていたとのこと。
「パソコン研修は実務的だったので就労後にも役に立って、家でも勉強できたのでとても良かったです。」と彼女は言った。
他にもビジネスマナー研修や就職活動についての心構えの講座などを受けており「シゴトライでなければ学べませんでした。一人では絶対に就労できませんでした。」と、彼女は言い切った。

いよいよ就職活動へ…彼女が選んだ「新しい働き方」とは

何回か通所をして「仕事に対する知識が全然足りなかったと気付いたんです。」と語る彼女。
「大企業じゃないと、正社員じゃないと・・・とか自分の中でこだわっていたけど、プログラムを通じて支援員との話の中で新しい働き方や自分に向いている働き方を知ることができました。」
そんな彼女が選んだのは体調を最優先した働き方だった。
彼女は今、アパレル系企業にて臨時社員として1日6時間から働き始め、フルタイム勤務を目指している。
「就労移行支援に通所する延長で臨時社員として働けるようになって、少しずつフルタイムに移行していく準備ができつつあることが嬉しいです。」
フルタイム勤務になれば、臨時社員ではなく契約社員となり、昇給もある。

「実はシゴトライで使っていた業務報告書を今も書いていたりするんですよね。1か月、溜まった業務報告書を見ると1か月行けた!と自分なりの達成感を感じてるんです。」と言い、ふふふ、と笑う彼女はとても充実した日々を送っているようだった。

就職活動の前に職場見学に行っていたため、少しずつ心の準備ができたが、いざ!となるとやはり緊張や不安はあったと話す彼女。
「その時には日々の楽しみを見つけて乗り越えてきました。就職活動の心構えや準備を教わっていたので、それがなかったら一人で乗り越えるのは難しかったと思います。」と語った。
人材紹介会社経由で4社応募し、自己応募1社応募した。その中で選んだのが現在の会社だった。

「入社して1か月がたって、だんだんと仕事に慣れてきました。総務事務なので自分の仕事だけではなく周囲の状況も見れるようになり、視野を広く持てるようになりました。仕事の理解も深まって仕事の幅も広がってきたことが嬉しいです。質問の仕方など、シゴトライで学んだビジネスマナーを元に上手く人に聞く、質問することができていて感謝しています。」
話の中から彼女の明るい未来が見えた気がした。

就労移行支援事業所への通所を迷われている方へ、彼女が伝えたいこととは

一人で悩むよりは支援員だったり仲間がいたほうがずっといいです。私は就労移行の支えがあって考えも変わって、機会にも恵まれました。一人で抱え込まないということが一番大事だと思います。私と同じくうつ症状のある人は特に一人で抱え込みがちなので、是非周囲や就労移行支援事業所などの力を借りて機会を得てほしいです。

終始明るくハキハキとお話になられた彼女からは、溢れるエネルギーと今後への期待感を感じた。
彼女の更なる活躍を祈るばかりだ。

桜の中を歩く女性

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ライター うつ症状のある方向けサービス シゴトライ

うつ症状の方向けの就職支援サービス。就職のためのスキルアップ研修や、安定就労のためのストレス対処法などのノウハウを活かし、うつ症状の方に関わる情報を発信していきます。

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