【精神障がいの方へ】大事なこと4つ!上司や先輩とギクシャク…仲良くなるにはどうしたらいい?
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ライター:ヒラノオツボネ
こんにちは!ヒラノオツボネです。4月に入社されたという方、おめでとうございます!入社してから上司の方や周囲の方と仲良くできていますか?新しい職場に馴染むのって、かなり難しいし労力のいることですよね。特に障がいがある方の場合、コミュニケーションに悩みを抱えている方は少なくないと思います。今回は入社された方、これから入社予定の方がすんなりと職場に馴染むための大事な方法を4つお伝えしますね。
「心のパーソナルスペース」を感じとって心地よい距離を保つ
「早く会社に馴染まなきゃ!」「このまま馴染めずに浮いてしまったらどうしよう…」そんな不安があると思います。実際私も転職を2回していますので、そのお気持ちはよくわかります。
特に前職を対人関係が理由で退職してしまっている方も多いと思います。以前「障がい者総合研究所」で行ったアンケートでも、障がいのある方の転職理由の2位が「職場の人間関係」でした。
参考)障がい者総合研究所「転職・退職理由に関するアンケート調査」
特に前職を対人関係が理由で退職してしまっている方は、「今回こそは!」と意気込んでしまう気持ちもあると思います。
ただし!焦りは禁物です。
早急に、必要以上に距離を詰めようとしてしまうとよく相手のスタンスを理解しなかったためにコミュニケーションに失敗したり、ほどよい距離感をこえてしてしまったことで相手を不快にさせてしまったり…焦ることでリスクは沢山出てくるのです。
その原因は何か?
皆さんは心理学用語の「パーソナルスペース」という言葉をご存知ですか?
「パーソナルスペースとは、他人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリア、対人距離とも呼ばれる。一般に女性よりも男性の方がこの空間は広いとされているが、社会文化や民族、個人の性格やその相手によっても差がある。
一般に、親密な相手ほどパーソナルスペースは狭く(ある程度近付いても不快さを感じない)、逆に敵視している相手に対しては広い。相手によっては(ストーカー等)距離に関わらず視認できるだけで不快に感じるケースもある。」(Wikipediaより引用)
例えば電車に乗っている時、ちらほらと席が空いていたら隣に人が座っていない席に座る方が多いと思います。これは他人との距離を保って、無意識に自分のパーソナルスペースを確保しようとしているのです。
人間関係とは一筋縄ではいかないもので、相手の「心のパーソナルスペース」を感じ取ってお互いが心地よいと感じるところまで上手く距離を詰めていくことが大切です。
「仲良くならなきゃ!早く溶け込まなきゃ!」その気持ちはよくわかります。しかし、気持ちだけが先行して焦りや不安から体調を崩してしまったら本末転倒ですよね。まずは自分に無理をしないように、ゆっくりと距離感を測っていくことから始めましょう。
新しい職場では前職でのやり方や過去の経験は一旦封印する
同職種へ転職された方の中には、前職でのやり方や過去の経験にこだわりすぎてしまうことがあります。
私は特にそうでした。人材紹介会社しか渡り歩いてきませんでしたので、現職・前職・前々職それぞれの良さや弱い部分が丸見えだったのです。そのため入社して2日目から「前職ではこのようにやっていて、この方法のほうが効率がいいので採用してください!」と突然言い出したり、「前職ではこういったやり方で成果を挙げていました!やりましょう!」などなどしゃしゃり出てしまったのですね。
一見積極的な社員に見えなくもない?ですが、新しい職場にはその会社独自のやり方やルールがあります。
改善のために発言することは良いことですが、その会社独自のやり方やルールをわきまえないで「前職では!前職では!」を連呼する社員は、上司や周囲からすれば「目の上のたんこぶ」です。
「そんなに前職がいいなら前職に戻れば!?」となってしまうわけですね。
「郷に入っては郷に従え」という古人の教えは転職において非常に大切な言葉です。
仕事だけに留まらず、どこのコミュニティにでも独自の決まりがあることがほとんどです。
「能ある鷹は爪を隠す」とよく言います。まずは現職に溶け込むことを第一に考え、仕事をしていく上でだんだんと人柄や仕事ぶりを認めてもらい、打ち解ける機会を待ちましょう。その準備ができてから、やりたいことや変えたいことを柔らかく発言していくと、驚くほどすんなりと通ることがあります。
業務上の会話が終わった時、そこがチャンス
1章目では「心のパーソナルスペース」の話をしました。では、そのパーソナルスペースはどうやって近づけていけばよいのでしょうか?
その秘訣は「コミュニケーション量」にあります。人間は頻繁に会う人や多くコミュニケーションをとる人に対し警戒心が薄れ、好意を抱いていく「単純接触効果(ザイアンスの法則)」という心理が働きます。
毎日会社で顔を合わせていると、段々と警戒心が薄れていくのですね。
ではその先の好意を持ってもらうにはどうしたらよいか?
それは日々のちょっとした会話の積み重ねです。
例えば先輩に何か業務上の質問があったとしましょう。
ここでの受け答えは業務上発生するものですが、最後に一言プライベートの話を振ってみるのです。
「今日のネクタイ素敵ですね」「この筆箱かわいいですね」「写真たての写真はお子さんですか?」など、相手が受け取って気持ちのいい話題を一言添えるだけです。もちろん難しければ毎日きちんと目を見て挨拶をするだけでもいいです。目を見て挨拶や話をすることが難しい方は、メモを渡すときに一言添えるのもアリです。
決して、おだてなさい、媚びなさい、というわけではありません。一言の積み重ねで相手は段々と心を開いてくれることがあります。
実際に私は前の章では「目の上のたんこぶ」でしたが、最初は「はぁ…」「別に…」と沢尻〇リカ並の塩対応で流されまくりながらもこのコミュニケーションを続けることで話せる方が増えていきました。
無理をしなければならないほど苦手な場に行ったり、心が疲れるほど苦手なことはしない
新しい職場に入ると、歓迎の意味で大勢での飲み会やランチの誘いがあるかもしれません。
ただ、「大人数で集まる場に行くと緊張して気分が悪くなってしまう」「ランチなど1対1でいると自分が正しくコミュニケーションを取れているか、相手を嫌な気持ちにさせていないか過度に心配してしまって疲れる」そんな思いを抱えられている方もいるかもしれません。
もちろん出だしにコミュニケーションをとって、良好な関係を築いていくことは大切です。
しかし、無理をしてしまって体調を崩してしまっては元も子もないですよね。
そんな時は事前に上司の方や人事の方に相談しましょう。
大人数の席への参加が不安だ、無理をしてしまいそうだ、体調を崩してしまいそうだ…事前に相談していれば、配慮して頂くこともできるはずです。
また、もし症状のことを理解してくださるようであれば先輩社員や周囲の方にもチラッとでいいので
「私も本当は○○さんとご一緒させて頂きたいのですが、こういった理由で…折角お誘い頂いたのに申し訳御座いません。」
など一言添えてみるとよいかもしれませんね。
ただでさえ新しい職場では緊張や不安がありますので、無理をせず体調を崩さず一日を終えること、それが第一です。
さて、ここまで色々と書いてきましたが、コミュニケーションは学ばなければ身につかないものです。自分で本を読んだり、ネットで調べたり…そして身に着けた知識を実際にトライアンドエラーしてみてコミュニケーション能力は培われていくものです。積極的に学ぼうとする意志が大事ですよね。
皆さんが職場で良好な関係を築いて、HAPPYなワークライフを過ごせることをお祈りしております!
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ライター ヒラノオツボネ
これまで一貫して人材紹介会社にて健常者・障がい者の転職サポートに携わってきた人材一筋のオツボネ。ゼネラルパートナーズではキャリアアドバイザーとして身体障がいのある方のサポートを経験した後、精神障がいのある方のサポートに従事。現在はMedia116のライターとして仕事系記事を執筆中。
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