障害者雇用では1年の中にも転職に有利なタイミングがある!?それって一体何月?
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ライター:ヒラノオツボネ
こんにちは!元キャリアアドバイザーの「ヒラノオツボネ」です。これまで人材紹介会社にて健常者・障がい者両方のサポート経験があり、通算200名以上の方の就職決定に貢献してきました。障害者雇用で転職したいというみなさん。1年の中でも転職に有利なタイミングがあることをご存知でしょうか?転職活動真っ最中の方、まだ考え中な方、参考までに読んでみてくださいね!
転職活動に有利なのは4月、6月、12月の「1~2か月前」!
結論から言うと、1年の中で転職に有利なタイミングは3回あり、それは4月、6月、12月のそれぞれ1~2か月前なのです。つまり「2~3月」「4~5月」「10~11月」ということ。この3つのタイミングでは採用活動が活発化し、求人数が増加する傾向にあるため、新規の企業の求人やなかなか募集がでない企業の求人、職種と出会えることも。
なぜこの3つのタイミングなのか?それは企業側が4月、6月、12月入社をして欲しいからです。そのために入社月の1~2か月前から求人を出し始め、採用活動を活発化させていくのです。
企業が4月入社を目指し採用を活発化させる理由は3つ挙げられます。
・新年度の始まりの4月には新規事業のスタートや事業規模自体の変化があるため、増員したい。
・区切りの良い年度末の3月に退職者が出ることが多いため、増員したい。
・新入社員が入社してくる4月に中途社員も合わせて採用することで研修や教育の一括化ができる。
4月入社とは違い、6月入社を目指し採用を活発化させる理由は障害者雇用ならではの理由です。それは「ロクイチ報告」というものが深く関わってきます。
「ロクイチ報告」とは何か?障害者雇用には法定雇用率がありますよね。企業はその法定雇用率を満たすだけの障がいのある社員数をきちんと雇っているかどうか6月1日時点での「障がい者雇用状況」をハローワークに報告しなければなりません。それが「ロクイチ報告」です。
ハローワークは「ロクイチ報告」を受けて、一定の基準に満たなかった企業を「指導対象」と決定します。指導対象になるとその企業は2年以内に法定雇用率達成を実現させるための「障害者雇入れ計画」の作成と提出を求められます。
つまり、障がい者の雇用数が法定雇用率に達していない企業はなんとか6月1日時点までに採用を成功させたいために4~5月の間で採用を活発化させるのです。そしてそれは求職者にとっては大きなチャンスでもあります。
そして12月入社を叶えたいという企業にはこんな理由が。
先に述べた通り、6月1日時点で障がい者の「雇用状況報告」をしなければなりません。そこで指導対象になれば「障害者雇入れ計画」の作成と提出を行わなければなりません。更に12月には「障がい者雇入れ計画の適正実施の勧告」がなされます。これは計画通りに採用が実施できていない企業に対して行われるものです。そして法定雇用率を達成していない企業はなんとしてでも12月1日時点までに採用を充足させたいのです。
それはなぜか?
「障がい者雇入れ計画の適正実施の勧告」の後に待っているのはハローワークから障害者雇用に関する「特別指導」があり、そのあとにはなんと法定雇用率を達成していない企業として企業名が公表されてしまうから!
企業としては企業イメージを崩さないようなんとか社名の公表は避けたいところ。そのために12月入社に向けて10~11月に採用を活発化させるのです。
余念のない事前準備と機を待つということ
ここまで障害者雇用で活動する際に有利になるタイミングのカラクリを紹介してきました。ただ、求人数が増えると言っても応募するのは皆さんだけではないので、同時にライバルも増えるわけです。「2~3月」「4~5月」「10~11月」の1か月前くらいから面接対策、自己PRの作成や退職理由のまとめ、ビジネスマナーの復習など余念のない対応をしておくと良いでしょう。
そして最後に「今転職活動真っただ中!だけどなかなか決まらない…どうしよう…」という方へ。物事にタイミングがあるように、転職活動も上手くいく時期とスランプになる時期があります。転職活動は結婚と同じで両者の「ご縁」なので、もし準備万端にしていたのにうまくいかなかった出来事があっても落ち込む必要はありません。
落ち込んでいたり焦っていたりすると正しい判断ができなくなり機会を逃してしまうこともあります。気持ちに焦りが出てきてしまい、どうしようもなくなった時には今回お話した「転職活動の有利な周期」を頭の片隅に置いていて、機を待ってみることも一つの手かもしれませんね。ひとりひとり転職理由や事情は違いますので、一概に機を待ちましょう!とは言いませんが、少し気持ちにゆとりを持つと結果につながってきたりもしますよ。皆さんの転職活動が成功しますように応援しています!
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ライター ヒラノオツボネ
これまで一貫して人材紹介会社にて健常者・障がい者の転職サポートに携わってきた人材一筋のオツボネ。ゼネラルパートナーズではキャリアアドバイザーとして身体障がいのある方のサポートを経験した後、精神障がいのある方のサポートに従事。現在はMedia116のライターとして仕事系記事を執筆中。
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