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バリアフリー日本語字幕版の「映画 信長協奏曲」を耳栓付けて見てみた!

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バリアフリー字幕版の「映画 信長協奏曲」を耳栓付けて見てみた!

ライター:Media116編集部

皆さん、「邦画の日本語字幕版」って言ってピンときますか? 正直最初に聞いたとき、「何故に邦画で字幕が必要??」とイマイチ意味が分かりませんでした(聴覚に障がいのある方からは「知ってるにきまってる!」とツッコミがきそうですが)。 聴覚に障がいがある方でも邦画が楽しめるように、あえて日本語字幕を付けている映画のことを指します。

障がいに関わる仕事に従事しながらも、恥ずかしながら一回も体験をしたことがなかった私。一度どんなものなのか体験したいと思っていた矢先に、絶賛大ヒット中の映画「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」で、2/6(土)〜2/9(火)で日本語字幕版を放映すると聞きつけ、ラッキー早速観にいこう!と上長に相談しました。

私)「明日、出勤前に経費で信長協奏曲観てきてもいいですか?」

上長)「・・・イイわけないだろ酔ってるのか?」

私)「いや、そうじゃなく、日本語字幕版を体験したくて・・・」

上長)「映画みたいだけだろ?」

私)「いや、ホントに勉強のために・・・」

上長)「じゃあ、そのまま観ても字幕を体験したことにならないので、耳栓つけて観てくるならいい」

私)「・・・・・」

というワケで、信長協奏曲の日本語字幕版を耳栓つけて観にいってきました。。。

いざ映画館へ

翌日、出勤前の朝8時30分。 耳栓を持っていざ新宿TOHOへ。



映画館に入り、チケットを購入し、11番シアターの自分の席に着席。
上司の言いつけ通り、用意した耳栓を付けていざ映画をと思いきや・・・

「アカン、耳栓くらいじゃ丸聞こえ。。。」

ならば、と耳栓の上からイヤフォンして「サンボマスター」をリピート演奏したら、ようやく音を完全シャットアウト。
スクリーンの予告に目を移すと、洋画の予告は字幕があるので雰囲気はつかめるが(それでも分からないところもあり)、邦画の宣伝になると、、、

「ま、ま、まったくワカラン。。なんか感動してる、とかケンカしてる、以上はちんぷんかんぷん・・・・」

これから始まる映画の本編が理解できるのか?と不安を感じていると、予告が終わり信長協奏曲(日本語字幕版)」がスタート。




バリアフリー字幕版「信長協奏曲」上映開始!

ここで、映画自体のストーリーについて、全く説明していなかったのでさわりだけお話します。
映画は、2014年に放送されたTVドラマの続きのストーリーで、戦国時代にタイムスリップした高校生・サブロー(小栗旬)が、奇しくも同じ顔をした織田信長(小栗二役)と出会い、信長として生きることになってしまう、、、というお話デス。
さて、バリアフリー字幕の解説に戻ります。
最初にスクリーンに登場したのは、今回一人ニ役の小栗旬くんのドアップと、スクリーンの下側に


「(サブロー) セリフ ~ 」


という、登場人物の名称と発している台詞の字幕。その後に、


「(ナレーション)  セリフ ~ 」


という字幕とともにナレーションで回想、登場人物やシチュエーションの説明が続く、字幕フル活躍の展開。
その後は、シーンにあわせ下記のような字幕が表示されていきました。

<台詞>
基本、字幕の台詞の前にカッコ書きで発言者の名前が入ります。(信長)とか(光秀)とか、、。
ただし、発言者が入るのは、複数人で話しているときや、背中越しに話しているとき、など誰が発言しているか分からない時だけ。顔のアップとか、誰の台詞か一目瞭然の場合は、発言者の説明はつかず、極力、字幕を減らす工夫がされてる気がしました。

<自然音>
極力少なくしている感じ。でもストーリーに関係する足音や爆発音などは(足音)(人々の悲鳴)といったカタチで、ちゃんと字幕に入れてくれている。現代のシーンでは、戦国との違いを出すために「飛行機の通る音」「車の音」といった日常音も字幕で表現されており、ストーリーにあわせて必要な自然音を選定しているんだろうな、と。

<戦のシーン>
戦国モノですので、当然戦のシーンが多々出てきます。このときの字幕は少なめで、「いくぞー!」「おおー!」程度であとは、字幕なしの合戦の様子が続きますが、動きのある迫力の映像が満載のため字幕がなくても全く問題なし。ストーリーに完全没頭できます。丸太で城の城門を突き破るシーンでは、音が聞こえなくても重低音がビリビリ体に伝わるほどの大迫力。これぞ映画館で映画を観る醍醐味!

<BGM>
BGMの字幕表示は少なめで、エンドロールのミスチルの主題歌のみ。歌詞がスクリーン左端に流れはじめたときは、体にジーンと感動するものが。。この映画のための書き下ろしだけあって、字幕の歌詞がささります。


映画を観終わって・・・
ネタばれになってしまうのでストーリーには触れられませんが、いやあ泣けました!(予想外の展開も!)
バリアフリー字幕によって、音がほぼ聞こえない方はもちろん、難聴者などの聞こえにくい方にとっても、「聴くこと」に全神経を使わずにストーリーに集中でき、映画がより楽しめるのだと思います。
ちなみに「NPO法人メディア・アクセス・サポートセンター」によれば、2015年に映画館で字幕付き上映された邦画作品は全体の約11%とのこと。
健聴者が観ても、そもそも洋画の字幕になれているのであまり気にならない気がする(現に私は全く気にならなかった)。軽々しくは言えないですが、「もっと字幕付きの映画があればいいのに・・・」と思ってしまう。

関係者の方々は、きっとコストや手間やさまざまな課題と戦いながら普及に努めているのかと。
応援します!頑張れバリアフリー字幕!


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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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