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「前を向くしかない」健常者は気づかない「当たり前の幸せ」

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ライター:わに

こんにちは。てんかん持ちのわにです。「今日はゼネラルパートナーズに勤務しているわに」としてではなく、1個人として私の気持ちを皆さんに知ってほしいと思い筆をとりました。皆さんは共感してくださるでしょうか?はたまた「いや、違うだろ!」と思われるでしょうか?それはまだわかりませんが、ここに素直な気持ちをぶつけます。TwitterやFacebookなどでご意見頂ければ嬉しいです。

「住んでいる世界が違う」健常者に対して思う気持ち

交差する人

私の友人には障がい者がいません。健常者だけの環境の中で、私はいつも、心のどこかでこう思っています。

「ああ、住んでいる世界が違うんだな」と。

いくら楽しく話していても、どこか一歩引いて傍観しているような感覚で接しているのです。

障がいを打ち明けても、症状を言っても、理解などされることなく「そうなんだ~全然わかんなかった~大変だね」と哀れみの眼差し(に見えるようなつくられた表情)で私を見つめるだけなのです。
きっと心の中では「自分は健康でよかった」そんな風に思っているんじゃないかと、疑ってしまうのです。

分かれ道の線路

私は一度、社内で聞いて回ったことがあります。

「障がいがなくてよかった、と思うことはなんですか?」

皆口をそろえて言いました。

「ええ!?うーん・・・そんなことかんがえたこともなかったな」

そうでしょう。
今、彼らが置かれている環境や幸せが「当たり前」だと思っているからです。
障がい者の気持ちなど、考えたこともないからです。


「受容」という重い十字架

そんなコンプレックスから、私は「障がい者でもこれだけできるんだ」「健常者より数字を出せるんだ」そういってがむしゃらに仕事に打ち込んで、結局、体調を崩すことになりました。
そしてまた障がいのせいにしていたのです。
「障がいのせいにするな」そんなこととうの昔からわかっています。
でもこのやるせなさをどこにぶつけたらよいのかわからないのです。

そんなことを言うと、「受容できてないね」そう健常者は言います。
「受容」というたったその2文字が、どれほど重く、どれほど辛く、どれほどの頑張りがないとできないものなのか、彼らは知らないのです。

発作に怯えることもなく当たり前のように生活をして、薬の飲み忘れはないかの確認も必要なく、どこに行くにも何をするにも制限はなく、ただただ純粋に楽しめる。それが「当たり前」であるかのように。
障がいがあったって、気分が不安定になる心配をせず、体調やバリアフリーを逐一気にすることなく、ただただ手放しで人生を楽しみたいのです。

「私も当たり前のように恋愛をして、当たり前のように結婚して、当たり前のように子供をもうけて、当たり前のように死にたかった」そう言って大声で泣いたこともありました。

単にうらやましいのです。
単にくやしいのです。

前を向くしかないと決めた

でもどうすることもできないから、強制的に前を向かざるをえないのです。
「障がいを感じさせないね」「障がい者なのにめげずに頑張っているね」その裏にはどれほどの努力や涙があるのか知らずにそんな言葉をかけられることが、深く深くチクチクと私達を傷つけることを健常者はわからないのです。

だからと言って卑屈になったり、弱気になっていたら社会では生きていけません。
前を向くしかないのです。自分を奮い立たせるしかないのです。どんなに辛くても、逃げたくても障がいからは逃げられないから、追い付かれないように毎日毎日走り続けるしかないのです。

レーストラック

走り続けて疲れてしまった時には、天まで届くかのように健常者をうらやむ気持ちがむくむくと芽生えて育ちます。
くやしい。くやしい。
でもそんな気持ちを胃袋の奥に隠して、いつかの原動力に変えていくのです。


私達には健常者に与えられたような「当たり前の幸せ」はありません。
何かしらの制限を打ち砕く努力、より快適に過ごすための努力、幸せに生きるための努力を私達はしています。

これからもそれはきっと続くのだろうと思います。時に自分自身を恨んだり、健常者がうらやましく思えたり。そんな気持ちも認めながら、私達は私達なりの幸せを掴んでいくしかないのだと私は思います。それは、人一倍の努力が必要かもしれません。

数センチずつ歩む

私が大好きなアーティスト、KREVAの「揺さぶるブルー」という曲の中にこんな歌詞があります。

「買わなくてすんだぶん苦労しようや」

苦労は買ってでもしろと昔から言われています。それが人を大きく成長させるから、と。
障がいが「苦労」なのかは人それぞれの感じ方によりますが、私は苦労することによって、努力することによって、自分で自分の幸せを掴みたいと思うのです。「ピンチがチャンスにチェンジ ほんの数センチが生む急展開」その言葉を信じて数センチずつ歩んでいきたいと。

前に進む女性の足

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ライター わに

17歳の時に側頭葉てんかんを発症、精神障害者手帳2級の障がい者。 酸いも甘いも経験してきた熟れ時アラサー女子。 「全力で働き全力で遊ぶ」がモットー。 誰彼構わず噛みつき周囲をヒヤつかせるため「わに」。 過激な記事を投稿しようとし編集長に止められるのが日課。

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