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TENGAが始めるB型事業所。障がいのある人を、地域のなかで支援する

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ライター:遠藤光太

TENGA社が、障がいのある人たちの就労支援を始めました。

拠点になるのは、埼玉県川越市。まちに開かれた新築の建物で、B型事業所が立ち上がります。名前は「able! FACTORY」。表にはドッグパークが設けられ、建物の大きな開口からカフェスペースに直結しています。

TENGAと言えば、「性を表通りに 誰もが楽しめるものに変えていく」をビジョンに掲げる企業です。そんなTENGAが、なぜ障がいのある人の就労支援を行うのでしょうか。なかでも、B型事業所を選んだのはなぜだったのでしょうか。

株式会社TENGA代表取締役社長の松本光一さん、「able! FACTORY」施設長の木村利信さんが登壇した記者発表の様子をお届けします。

TENGAがB型事業所をオープン

TENGAはもともと、障がいのある人に向けて性の課題をサポートしてきました。握力が弱くても保持することができる補助具の「TENGA用カフ」を用いれば、手に動かしづらさがある人も TENGAを自分で使うことができます。

そうした活動を通して、当事者たち、障がい者支援を行う事業者、団体と接し、TENGAが解決したい課題を見つけていきました。

松本社長「障がい者は働く喜びと満足な収入を得ることが難しく、それを変えようと奮闘する事業者や就労支援の取り組みが全国に増えてきています。

私たちは、人の根源的欲求である性を誰もが楽しめて、一人ひとりが自分らしく生き生きとして、互いに多様性を認め合える、愛と自由あふれた世界を目指してさまざまな取り組みをしてきました。

私たちにもっと出来ることがある。誰もが働く喜びを感じられる世の中にしていきたい。自分たちなりのやり方でより良い変化をもたらしたい。そういった思いから生まれた新しい取り組みが『able! project』です」

そうして、補助具の提供にとどまらず、B型事業所「able! FACTORY」の開設を実現します。オープンは2022年5月10日の予定です。

「できない」を意味する英語の「disable」から「dis」を取って「able!」、つまり「できる!」を名前にしました。

松本社長「自分が頑張って覚えた技術でモノをつくることの嬉しさ、できたときの喜びは、ほかでは得られないものです。想いを込めたモノづくりをして、そこから収入を得ることで、『できる!』の喜びを感じてほしいんです」

複数の事業で、継続性と工賃をアップ

「able! FACTORY」では、カフェ、衣料品の印刷、パソコンのリペア、通販サイト「able! STORE」の運営などの事業が展開されます。

これには理由があります。障がいのある人たちの工賃が低いことが課題であり、複数の事業を展開することでそれを改善できるのです。これまで20年以上、福祉事業所の運営に携わってきた木村所長が語ります。

木村所長「一般的には、ひとつの施設で1種類の作業を担います。主に内職的な軽作業が多く、そのために全国の平均工賃は1万6千円ほどとなっています。

こうした現状を鑑みて、『able! FACTORY』では複数の仕事を用意しています。障がいのある方が、自分の意思で仕事を選ぶことで、仕事の継続性が高まり、技術の向上につながります。それによって平均よりも高い工賃とやりがいを得ることができます」

記者発表資料でも、B型作業所を選んで開所する理由についてこのように紹介されています。

“B型事業所に来られる方は、A型事業所よりも大きな困難を抱えているケースが多く、「自分のペースで無理なく働きたい」という方が多いです。A型事業所は雇用契約を結ぶため、時間的な拘束や雇用へのハードルがあり、B型のほうがより多くの方にご利用いただけると考えたためです。able! FACTORYは、「自分らしさを大事にしつつ、働くよろこびを実感する」ということを叶える場にしたいと考えています”

木村利信所長
木村利信所長

木村所長はかつてNPO法人を設立し、さまざまな障がいがある方の支援を行ってきました。2019年にTENGAに入社し、豊富な経験を活かしています。

木村所長「私はこれまで、NPO法人で障がいのある方の支援を行ってきました。NPOや社会福祉法人は優遇されていてやりやすい部分もありますが、制約も多い。株式会社で運営する事業所なら、やりたいことを思い切って表現できます。

以前から松本社長とはお話ししていましたが、まさか自分が入社しているとは、数年前には思いもしませんでした」

able! FACTORYってどんな場所?

今回の記者発表では、施設内が公開されました。

カフェスペース外観
カフェスペース外観

カフェの屋内と屋外は、同じ床材・同じ模様でシームレスにつながれ、まちに開かれています。


ドッグパーク外観
ドッグパーク外観

敷地内にはドッグパークが設けられています。さまざまな工夫で、施設を閉じた場所にせず、まちに開いていきます。


作業スペースその1
作業スペースその1

衣料品の印刷を行う部屋です。Tシャツ・衣類へのプリントのご依頼を受付中とのこと。


作業スペースその2
作業スペースその2

パソコンのリペアを行うデスク。ノートパソコンの構造を、ボードでわかりやすく示しています。


休憩スペース
休憩スペース

充実の設備で迎え入れてくれます。

尊厳を守るために

記事の最後に、松本社長が「尊厳」について語った言葉を紹介します。

松本社長「上京したばかりの頃、ある障がい者と話をしていて『セックスができたら死んでもいい。そのぐらいの夢だ。でも一生できないだろう』と言われたことがあります。

性は、食事や睡眠にも等しい欲求です。それなのに、『一生できない』『できたら死んでもいい』なんて状況は、おかしいと思いませんか。

障がいがあってもなくても、尊厳を守らねばなりません。TENGAがこの支援を始めることにより、障がい者の性に関する活動も進めてまいります」

尊厳とは、仕事をする喜びにもつながっているでしょう。やりがいと高い工賃を得ながら働くことは、障がいのある人々の尊厳を守ってくれそうです。

「able! FACTORY」のこれからに注目です。

松本光一社長と木村利信所長
松本光一社長と木村利信所長

なお、4月29日、オープンに先駆けてオープニングイベントが開催されます。
お近くの方は、この機会に「able! FACTORY」を訪れてみてはいかがでしょうか?


TENGA社についてはこちらの記事もぜひごらんください!

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遠藤光太

ライター 遠藤光太

発達障がいの当事者。二次障がいでうつ病になり、休職を経験。現在、フリーライター。さまざまな媒体での記事執筆のほか、テレビ番組等で活動中。

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