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視覚障がい者が使いやすいPC!オススメは?購入のポイントは?

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ライター:榎戸篤(えのきど)

こんにちは!視覚障がいのライター榎戸(えのきど)です!

先日、視覚障がいの友人から「PCのオススメってない?」と聞かれました。
そういえば、音声ユーザーや拡大機能利用者にとって使いやすいWindowsのPCってどんなものなんだろう?
そう思い、今回視覚障がい者のPC教室を行うNPO法人スラッシュの副理事長で、自身も音声でPCを操作する山賀信行さんに取材をしてきました。

ズバリ!音声ユーザーにオススメなWindowsのノートPCのブランドは?

単刀直入に山賀さんのオススメのノートPCを聞いてみました。
すると、東芝が開発・販売するノートパソコンのブランドDynabook(ダイナブック)をあげてくれました。

山賀さん「Dynabookはコストパフォーマンスに優れていて、これまで多くの音声ユーザーが使ってきた実績があります。また、ラビットという視覚障がい者用支援機器販売・サポートをする会社などもこれをオススメしているようですね。なので、僕が音声ユーザーに購入をお願いされた時は、このブランドを購入しています」

近年、世間で人気を集めるDynabook、音声ユーザーにとっても使いやすいんですね。

視覚障がい者向けPC選び 性能のポイント3つ!

さて次に、PC選びの際の性能のポイントを教えてもらいました。
山賀さんは、下記の3つをあげてくれました(少し難しいので、この項は読み飛ばして購入の際に再確認してもらっても大丈夫です)

ポイント①「保存容量は128GB以上」
ポイント②「作業メモリーは8GB以上」
ポイント③「CPUはインテルのCore i5 8000番以上がオススメ」


ソフトの更新などを考え、保存容量(ストレージ容量)は128GB以上。
音声ソフト・拡大機能の動作のスピードを考え、作業の際に一時的な保存容量を示すメモリーは8GB以上が良いとのことです。
PCの頭脳にあたるCPUもメモリーと同様、音声ソフト・拡大機能を使うために適切なものを選んだ方が良いとのこと。
今回は実績のあるメーカー・インテルの、Core iというシリーズを選んでくれました。Core iシリーズも「Core i3」「Core i5」「Core i7」とあり、5以上の「Core i5」「Core i7」が推奨とのことです。さらにさらに、Core iには末尾に世代を示す4~5桁の数字がついており、8000番台以上が良いとのことです(例「Core i5 8500」「Core i7 10500」など)

音声ソフト・拡大機能の動作やソフト更新に影響するので、この3つは押さえておきたいですね。

その他PC購入時に確認したいことは?

「性能のポイント3つは前提条件として、次のようなことも好みに応じて確認してもらいたい」と山賀さんは3つのポイントをあげてくれました。

1・画面の大きさ
2・タッチパネルの有無
3・ノートPCの場合、キーボードの配列


まず1・画面の大きさについて、活字ユーザーにとっては見やすい大きさを選ぶのがコツ、逆に音声ユーザーは問題が起きた時に持ち運んで人に見てもらうケースが予想されるため持ち運び可能な大きさにしておくのが無難だと言います。

2・タッチパネルについては、活字ユーザーにとってはマウスカーソルの使用を減らせるため、検討するのもありだということです。また音声ユーザーにとっても、画面をクリックしなければいけないケースや他人に見せるケースを考えると、あるに越したことはないそうです。
「ただ、タッチパネルの有無で1万円ぐらいの価格差が出るため、好みや予算によって考えて良いと思う」とも山賀さんは補足してくれました。

タッチパネル

3・ノートPCの場合、キーボードの配列にも注意が必要とのことです。
十字キーの上下が小さいもの、ファンクションキーの間隔が全く空いてないもの(あるいは全てが等間隔に空いているもの)があり、それに苦労する可能性があるそうです。
僕も会社のノートPCが上記のような形状になっていて、押せず、かと言って見て押すこともできないので、外付けのキーボードを使っています。

キーボード

やはり僕らの場合、実際に触ったり見たりしてから購入した方が良いようですね。

購入時の注意点2つ!

購入時の注意点として、2つ教えてもらいました。
注意点①「格安PCに注意!」
注意点②「PCの有料設定、一般の業者に頼む前に専門機関にお願いすることを要検討」


注意点①「格安PCに注意!」について、最近は通販サイトやディスカウントストアで格安のPCを買えるようになりました。ただ、これには注意が必要だと言います。
「格安PCは手軽ですが、機能・性能が足りていないもの、容量が少ないものも多いです。しかし、音声や拡大機能を使うためには、性能のポイントにあげたような性能・容量があった方が良いです。そのため、格安を購入する際は注意をしてください」とのことです。

次に注意点②のPCの有料設定について、家電量販店でPCを購入すると、設定を有料でしてくれるサービスがあります。
ただ、これも注意が必要だといいます。

「一般の業者は音声ソフトなどの設定まではできません。そのため、一般の業者に頼んでしまうと、一般業者と音声ソフト関連設定をする専門機関両方にお金を払うケースが出てくるので、これも注意が必要です」と山賀さんは教えてくれました。

つまり音声ソフト関連の設定までお願いしたい場合、まずスラッシュなどの専門機関に事前に相談した方が良いようですね。

おわりに ~PCは自分の目となり、手となるもの~

取材の時、山賀さんが語ってくれた言葉が印象的でした。それは「PCは自分の目となり手となってくれるものです。そして生活を豊かにしてくれる―――」というものです。
情報にアクセスしにくい視覚障がい者だからこそPCで情報を収集することが重要なんだなと改めて感じました。
PCを学ぶか躊躇(ちゅうちょ)している方も一歩足を踏み出し、もしわからないことがあればサポートをスラッシュなどの専門機関に依頼する。そうやってPCを使えるようになり、「情報障がい」を補うのもひとつかもしれません。

▼NPO法人スラッシュの情報
今回取材にご協力いただいた視覚障がい者向けPC教室のスラッシュの情報です。僕もお世話になったことがありますが、1対1で親切に、個々のレベルにあわせて教えてくれます!
最寄り駅:東京都 JR中央線荻窪駅徒歩5分ほど
営業日:水・木・土・日
営業時間:10:00~16:00
電話:03-5397-0644
メールアドレス:slash101@me.point.ne.jp
http://www4.point.ne.jp/slash/
※現在新型コロナ対策として、オンラインでの授業を行っているとのことです。

▼山賀信行さんのHP
取材に応じてくれた山賀さんのHPです。お役立ち情報が満載です!
https://www.yama3nomori.jp/

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ライター 榎戸篤(えのきど)

テレビ番組の制作会社で働きながら、ライターとして活動する視覚障がい当事者。3歳の時、保育園で転んで怪我をし、弱視に。視力は左0.06、右0。 障がい当事者ら向けの旅行サイト「COTRAVEL」などで執筆中。 https://www.cotravel.jp/mypage/5e9438bd76fc4/ 記事のご感想などありましたら、こちらにいただけると有難いです。 uj092021@yahoo.co.jp 記事は、ひとつひとつを丁寧に、懸命に、心をこめて・・・書かせていただきます!

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公式HP
https://www.cotravel.jp/mypage/5e9438bd76fc4/

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