あなたは誰のために生きていますか?~人生を楽に生きるヒント~【漫画家oyumiの発病体験記】
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ライター:oyumi
こんにちは、oyumiです!最近、こんな言葉を目にしました。
「誰かのためは誰かのせい」
私たちは日頃、自分以外の他の誰か・何かのために生きていることのほうがずっと多いような気がします。例えば恋人のためなら頑張れる!だとか、親のために勉強をする!だとか、家賃のために働いている!だとか。
私の場合、今まで恋人ができるたびに恋人のために働こうだとか病気をちゃんと治そうと努力していましたし、あるいは親のために身体がつらくても自立しようとしてきました。しかし、結果的には恋人からはこちらの努力が重荷になりすぎることで裏目に出て振られるし、親には体調を壊してかえって迷惑をかけてしまうことになりました。
自分以外の誰かのために努力をするというのは、自分のことを放棄していることにもなるので、結局誰のためにもならず、最悪ただ相手に都合よく利用されてしまうオチにもなりかねないと思っています。
だから、恋人に振られた時、無理して働いて体調を壊した時、家賃を払うことに追われ続けた時、ふと
「あれ?自分って、何のために生きてるんだろう…」
などと我に返ります。
先日、うつ病を患っている女性が健常者の男性に振られたという記事を書き、はてなブックマークでホットエントリーしていました。
その方は恋人のためにと必死に人並みになれるよう、仕事を頑張り治療にも専念していましたが、それが恋人にとって重荷になってしまい、別れることになってしまった…という内容でした。
大好きな恋人のために頑張るというのは一見とても健全で微笑ましいです。私も同じことを何度もしてきましたから、余計につらくなるほどわかります。しかし、自分の人生を他人が背負うことも責任を持つこともハッキリ言ってできません。自分の未来は他人が築くものではないからです。
文字通り相手にとっては重荷になるし負担にもなってしまいます。それに、血も繋がっていない赤の他人のために頑張ること自体、うつ病そのものを理解することよりもよっぽど難しいことだと私は考えます。
私だって、血も繋がっていないただ情だけの関係な相手の人生を背負うなんてこと、できる自信がありません。お金で養うことならできるかもしれませんが・・・。
私はかつてこの女性とほとんど似たような人が友人にいました。まだ若く、うつ病かどうかはわかりませんが精神的に健康な女性ではありませんでした。その友人も同じく大好きな彼氏のために生きる努力をしていました。無職だったのが職業訓練に自主的に通うことで見事就職にも成功し、一見幸せそうに見えました。
ある日渋谷でお茶をしていると、彼女は「最近彼氏が外で歩いていても手をつないでくれない」と嘆きました。私は「(それはもう振られるのも時間の問題だろうな…)」と思いながらも、励ますことを選びました。
その約2週間後、共通の友人を通じて彼女が自殺したことを知りました。やはり原因は破局だったそうです。
振られたからといって何故自殺してしまうのか?ということを考えてみると、やはり彼女が社会復帰できたのも全ては彼氏の存在がとても大きかったからなのだと思います。だからこそ頑張れたし、だからこそ振られて一人になってしまった時、生きていく理由が無いと気づいてしまったのかもしれません。
私も彼氏がいたことはありましたが、いずれも超短期間で別れたので努力をした期間も短く、結果的に特に何かを成し遂げたことも積み上げられたものもありませんでした。だから一人になってもある程度平気だったのだと思います。
しかし、自分の中で強く存在する親元から自立することへの義務感は心の奥底に根強く潜んでいます。
母のために働かなくては、母を早く安心させてあげなければ、母のためにせめて私だけでもきちんとしなければ・・・・・・
うちは家庭の事情も複雑で最近母子家庭になったばかりでして、母は本当に苦労をしてきました。ですので「母のために頑張らなければいけない」と、社会に出てから常に意識していました。
そのおかげで10代の頃に比べて親孝行はできるようになりました。けれども、自分が母にズブズブになっていっているのではないかと気付いたのです。何故なら、「親が死んだら自分も死のう」といつしか思うようになっていったからです。
誰かのために必死に頑張って生きることは時に人を狂わせます。私はそう実感しました。
恋愛でもそうだし、家庭でもそうだし、仕事でもそう。
多分、自分が何のために生きているのかわからなくなるときが来るからだと思います。
それが怖いから、必死に生きる理由を相手に求めているのかもしれません。
私は最近、「強くなりたい、強く生きたい」といつも考えています。
「強く生きる」と言うのは、「自分の人生自分でしっかり生きる」ことという意味なんだと思います。別に誰にも頼らず、汗水たらして長時間働くことが「強く生きる」ことじゃない。そう思いませんか?私はそうであってほしいです。
少しでも楽に生きれるように、みなさんも自分の人生、自分で生きましょう!!
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ライター oyumi
(名前 oyumi)1993年3月26日生まれ。高校1年生の時にうつ病になり、一時治ったもののその3年後に躁転し、双極性障害を発病。今はこうして時たま漫画やライターのお仕事を頂いてやらしてもらっています。
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