障がい者の私が彼氏に言われて救われた一言
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ライター:わに
みなさんこんにちは!わにです。てんかんと闘いながらゼネラルパートナーズにてライターをしています。みなさんは自分に障がいがあることを理由に落ち込んだり、夜中に悩んで「ウワァーーー!」となってしまったりすることはありますか?私は頻繁にあります。そんなある日、私が彼氏に言われて救われた一言について書きたいと思います。
逃れられない「障がい者」であるという事実
私はてんかんを発症してからかれこれ11年を過ごしてきました。障害者手帳も取得し、完全に受容しているつもりでした。しかしふとした瞬間に自分が「障がい者」であるということに悲しさや、憤りや、言い知れぬ不安を覚えるのです。「なぜ私が障がい者なんだろう」「これから症状が悪化したらどうしよう」「周りに迷惑をかけるんじゃないか」「障がい者じゃなければ」考えても仕方のないようなことがぐるぐると巡ってしまう時があります。
いくら逃げようとしても執拗に追いかけてくる「障がい者」であるという事実。闘い続けるしかないとわかっていても自分ひとりでは耐えきれないこともあります。そんな時、彼氏から言われた一言が私を救ってくれたのです。
「障がい者じゃないよ。普通の女の子だよ。」
ある日大きく情緒を乱し、彼氏との関係について不安や申し訳なさが爆発してしまったことがありました。「私は障がい者だから普通の付き合いなんてできないの!迷惑もかけるし不安にもさせる!私は障がい者なの!」今思えばなんという非常識なことを言ってしまったのだろうと思います。(不快に思った方、申し訳御座いません。)しかしそう言い放った私に、彼は瞬時にこう言いました。
「障がい者じゃないよ。普通の女の子だよ。」
「普通」の?「女の子」?
その言葉に私は驚いて何も言えませんでした。何も言えずただただ涙が溢れてきたのでした。
彼は私を「障がいのある彼女」とはみていなかったのです。「ただの一人の女の子」として「ただの彼女」としてみてくれていたのです。
彼がどんな気持ちで「普通」という言葉を選んだのかはわかりません。しかし、その「普通の女の子」というたった一言に私のこれまでの苦悩や、辛い過去や、不安が一気に吹き飛び、まるで新しい自分に生まれ変わったかのように救われたのでした。これまで自分が「わに」という一人の人間であるという概念より先に一人の「障がい者」であるという概念が先行していました。その考えを打ち砕いてくれたのが彼のこの一言でした。
自己紹介をするならば、「てんかんという障がいのあるわにです。28歳です。よろしくお願いします。」から「わにです。28歳です。てんかんという障がいがあります。よろしくお願いします。」に変わったのです。微々たる違いかもしれませんが、私の心の中の障がいに対する「優先順位」は大きく変わりました。
一人の「障がい者」の前に一人の「人」として
私は自分自身で勝手に一人の「人」である前に一人の「障がい者」であると強く認識してしまっていたのかもしれません。なぜなら私の場合は障がい者であることを自覚しない日は一日たりともないからです。平日は障がい当事者のライターとして記事を書き、土日の夜には障がいについて悩み、眠れなくなり、発作がおきれば「また発作になってしまった、どうしよう。なぜ私がこんな辛い思いを…」そんなルーティンで日々を過ごしているのです。
そんな日々を過ごす過程で凝り固まった「私は障がい者である」という認識を打ち砕いてくれたのが彼の一言でした。その言葉にどれほど救われたかわかりません。「障がい者じゃないよ。普通の女の子だよ。」その言葉を言ってもらってから、私はこれから一人の「人」として生きよう。そう強く思ったのでした。
みなさんも「救われた一言」があれば、是非TwitterやFacebookなどで共有してくださいね。お待ちしています!
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ライター わに
17歳の時に側頭葉てんかんを発症、精神障害者手帳2級の障がい者。 酸いも甘いも経験してきた熟れ時アラサー女子。 「全力で働き全力で遊ぶ」がモットー。 誰彼構わず噛みつき周囲をヒヤつかせるため「わに」。 過激な記事を投稿しようとし編集長に止められるのが日課。
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