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下肢、上肢障がいを持つ方に朗報。 カラダにも心にもフィットする靴を探せ!
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ライター:Media116編集部
皆さんはどこで、どんなふうに靴を選んでいますか?障がい部位は同じでも、「大きな履き口」、「マジックテープ式」、「とにかく軽量!」、「足首にはホールド感が欲しい」、「いやいやそこは可動域重視でしょ」など、十人十色、千差万別のニーズがあるはずです。「お洒落は足元から」とは耳馴染んだフレーズですが、靴の機能面を吟味するうちに、ファッション性は二の次、三の次に…、というのが残念な現実だったりします。下肢障がいや上肢障がいがあっても、カラダはもちろん、心にもフィットする靴に出逢いたい!そんな皆さんに、Media116が見つけた市販靴と、靴型装具メーカーを紹介します!
脳性麻痺の高校生が開発に携わった伝説の量産スニーカー 『NIKE FlyEase』シリーズ
レブロン・ジェームズ選手(右)と脳性麻痺の高校生マシュー・ウォルツァー(左)
NBA選手のレブロン・ジェームズが座位の青年の肩に腕を回しているこの写真、見覚えのある方もいるのではないでしょうか。2015年の「レブロン ソルジャー 8 フライイーズ」発売当時に公開された開発秘話の動画が感動を呼び、話題となりました。
FlyEaseシリーズは一見すると紐靴のスニーカーですが、甲の一番上をマジックテープで留めているストラップがジッパーのランナーの持ち手になっています。ジッパーはかかとをぐるりと回り、ワン・アクションで履き口を大きく開放できるほか、閉じれば優れたフィット感が得られるように設計されています。
「レブロン ソルジャー 8 フライイーズ」(2015年発売モデル、製造終了)
足首をサポートするハイカットタイプのほか、柔軟な動きを可能にするローカットタイプなど、様々なデザインが展開されています。現在、日本国内では未展開。入手はちょっと難しいかもしれませんが、今後の国内展開に期待したいですね!
「ナイキ レボリューション 4 フライイーズ」
足のフィット感が最高に気持ちいい!! 履きやすく脱げにくいスリッポン『adidas Originals SS Slip On W』
「adidas Originals SS Slip On W(S81337)」8,900-(税抜)
アディダス オリジナルスの『SS Slip On W』シリーズは、障がいのある方を意識して開発された製品ではありません。しかし、「スリッポン=カパカパ」という定石を覆し、履きやすいのに足に吸い付くようにフィットする優れものです。前でクロスされた幅広の伸縮バンドとニット素材のアッパーが、足を柔らかくかつしっかりとホールドします。履きやすく脱げにくいのに、脱ぎたい時も実にスムース!前側とかかとのループのほか、ソールにつながる両サイドのベルトなど要所にレザーが使用されていて、かかとのループを引き上げたり、引き下げたり、小さな力でも着脱の際にしっかりと手ごたえを感じることができます。
カラーや幅広バンドの模様、テキスタイルなどバリエーション展開されているので、お洋服の好みに合わせて選べる楽しみがあります。アディダス オリジナルス スーパースターの代名詞、シェルトゥデザインが採用されているのも嬉しいポイント。adidas公式オンラインショップ、その他ネットショップおよび靴店などで販売中です。
レザーにはadidasのロゴ。大き目のループで指をかけやすい。※写真は記者の私物「SS Slip On W(AC8582)」
治療、療養機能とファッション性は共存できる! 衝撃的にオシャレな靴型装具メーカー『7th seed』
医師によって処方される靴型装具は治療や療養の一環であり、「ファッションとは一線画すもの」と思っていませんか?そんな靴型装具ユーザーの生活に靴選びの喜びを運んできてくれるのが、靴型装具と足底装具の専門店『7th seed』さんです!
保険適用で装具を作るためには「義肢装具士」という国家資格が必要です。「装具」と一口に言っても、頭からつま先まで実に様々。しかし、日本ではこの「義肢装具士」が全装具を一手に担っており、靴型装具も例外ではありません。一方、欧米では装具製造に求められる資格はより細分化されていて、靴型装具を作るには、ヨーロッパでは「整形靴マイスター」、アメリカでは「足装具士」など、より専門性の高い知識と技術を裏付ける資格が必要です。
『7th seed』は、代表 新井宏明氏がドイツ式整形靴学んだ職人であると同時に、義肢装具士のスタッフも在籍する、日本の医療保険制度に則してドイツ式整形靴を製造できる、貴重な靴型装具および足底装具専門店です。「日本の病院や患者さんの多くは、医療用の靴でもファッション性を求められるということを知りません。確かな知識と技術があれば、もっとオシャレな靴型装具を提供できるんです」(新井氏)。
オーソドックスな靴型装具も新井氏の手にかかればこの通り。
市販のショートブーツよりオシャレ。
「普通の子が履くような靴を履かせてやりたい」と願う親御さんにも好評なスニーカー型。
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【発注から完成まで】
1. 型取りとヒヤリング
2. 仮合せ(型取りから2、3週間)
3. 引き渡し(問題が無ければ仮合せから2、3週間)
4. 経過チェック(引き渡し後、適宜使用期間をとってから実施)
※ 工程は一般的な靴型装具とほとんど変わらない。通常1~3までの工程で1ヵ月程度。ただし依頼数が多いときは2ヵ月程度かかることも。
※ 保険適用無しでのオーダーメイドシューズの価格は、1足目で17~18万円ほど。
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そうは言っても、主目的はあくまでも治療。「ですからスピードも大事です。患者さんも日々変化していきます。例えば、多発性神経障がいを発症している患者さんなどは、靴が合わずにできてしまったタコが原因で、命を縮めることにもなりかねない」と語る新井氏の声からは、医療用としても、ファッションとしても、どちらも譲れない職人としてのプライドが強く伝わってきます。
『7th seed』は2019年1月末頃を目途に京都から大阪へと工房を移転し、関西圏ほぼ全域の病院に行かれるようになるとのこと。春先には職人さんも増員される予定で、急増する患者さんのニーズにも対応できる体制作りを着々と進行中です。
患者さんの趣味をデザインに取り入れた靴。
かわいいショップバッグにも遊びゴコロが垣間見える。
最後に、Media116読者へのメッセージを伺いました。
「そんな偉そうなことは言えないんですが…。装具を履きたくないからと、症状に合わない靴を履かれる方もいます。でも、機能的にも満たした上で、ファッション性の高い靴も作れるということを知っていただきたい。どちらも諦めないでほしいと思います。これからも私たちは、『これしか履けない』ではなく、『これが履きたい』と思ってもらえる靴を提供していきます」(新井氏)。
病院によっては指定の製靴業者が決められている場合もあります。「次に靴を作るときには『7th seed』で…」と思った靴型装具ユーザーの方、まずはかかりつけ医にご相談ください。ただし、靴が装具に見えないせいで、電車の中で席を譲ってもらえなくなるかもしれないので要注意です(実話、笑)。
7th seed
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ライター Media116編集部
障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。
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