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インドの障害者施設inコルカタ(障がい者自転車放浪inインド編④)

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ライター:keita0206

こんにちは。上肢障がいのケイタです。前回記事を書いたデリーから1500キロほど距離を進みまして、9/25現在はコルカタというところに来ています。この街では偶然にも、障がい者施設を見つけることができました。今回その施設内を少しですが、見学させていただくことができたので、内容を共有していきたく思います。

コルカタのマザーハウス

デリーから1ヵ月ほどかけて、ようやくコルカタまで到着した。ここに来るまで、何度か自転車がパンクしたり、部品が壊れるなど、多少のトラブルはあったが、大きな問題はなく、何とかたどり着くことができた。コルカタという大きな街に着いて、一息ついたので、観光と休息を兼ねて、2、3日ほどこの街で過ごそうと観光情報を調べていると、マザーハウスに行けば、障がい者施設のボランティアができると言うことを知った。

青丸が現在地。赤いピンがデリー。1500kmを約1ヶ月かけて進んだ事になる。
青丸が現在地。赤いピンがデリー。1500kmを約1ヶ月かけて進んだ事になる。

これは意外な収穫だった。デリーやバナラシなど、道中で会った人にインドの障がい者施設について聞いても、みんなその情報を持ってないので、てっきりインドにはそういった施設は存在しないと思い込んでいた。これはぜひ行っておかねばなるまいと思い、早速マザーハウスへ足を運ぶ。

マザーハウスとは、かの有名なマザーテレサが活動を拠点にしていた場所で、現在も、修道女たちが、事前活動の拠点として街角にたたずんでいる。施設内には、マザーテレサの使っていた部屋や、彼女の肖像画、彼女に関する資料等が見学できる。

マザーハウスにて①。修道女達の活動拠点となっている。

マザーハウスにて②。修道女達の活動拠点となっている。

マザーハウスにて③。修道女達の活動拠点となっている。

マザーハウスにて④。修道女達の活動拠点となっている。
マザーハウスにて。修道女達の活動拠点となっている。

早速、中にいた修道女に、Google翻訳を駆使して障がい者施設のボランティアもしくは見学をしたいと聞いてみる。
「明日朝7時に、ここでボランティアの召集があるから、そこに来てみると良い。日本語の分かるスタッフもいるから、運がよければその人にボランティア参加手続きの許可を貰えるかもしれません」と。
いろいろ聞いてみると、本当は前日の15時に面接したり、参加手続きが必要みたいだが、運がよければ当日参加も可能だそう。この日は、日曜で、面接等の参加手続きは月水金しか行ってないので、明日の朝の飛び込み参加を狙ってみることにした。

障がい者施設を見学してみる

翌朝、朝7時前につくと、マザーハウス前にはたくさんの人だかりが。こんなにボランティア参加者がいるのか?と思っていたが、実はほとんどみんな物乞い。毎朝、この施設前では、朝食の配給があるみたいで、みんなそれを目当てに集まってきているのだそう。近くにいた若い兄ちゃんに「障がい者施設のボランティアもしくは見学をしたい」と伝えると、マザーハウス内へ案内してくれた。

マザーハウス前に配給食を求めて集まる人々
マザーハウス前に配給食を求めて集まる人々

手続きしているところに行くと、フランス人やスペイン人、アイルランド人など、多くの国籍の人が、ボランティアをするために集まってきていた。我々にも朝食がふるまわれ、バナナやチャイ、パンをいただく。

ボランティアの為に振る舞われる朝食
ボランティアの為に振る舞われる朝食

朝食を食べていると、運良く日本語の分かる修道女の方がやってこられた。ここぞとばかりに、自分のこの旅の目的や、これまでの旅の過程、今後の旅の予定などを熱を込めて語る。毎日英語ばかりなので、クセでルー大柴のような英語混じりのトークになってしまう。

結果、現在単発のボランティア募集してないので、ボランティアの参加は厳しいが、施設内の見学だけなら構わないと。それでも施設内にお邪魔して、いろいろ様子が見れるのならありがたい。早速参加を希望する。

今回見学させてもらうことになったのは、マザーハウスから6キロほど離れた障がい者施設。スペイン人とフランス人のボランティア参加者もいたので、彼らと一緒にバスに乗り込む。バスはとても安かった。6キロほど移動しても日本円でおよそ20円だ。

インドのバスは乗務員に声をかければバス停でなくてもどこでも乗り降りできる。
インドのバスは乗務員に声をかければバス停でなくてもどこでも乗り降りできる。

今回見学させて頂いた施設①

今回見学させて頂いた施設②
今回見学させて頂いた施設

施設に到着する。中は写真撮影禁止なので、中の様子は残念ながら写せてない。

中の様子は、比較的綺麗で、大きいホールに車椅子に乗った子供たちが数人いた。こちらの車椅子は半分は、日本のようなアルミ製、もう半分は木製でできており、利用者ごとに体のサイズや障がいの程度が違うため、形を変えやすいよう木製にしているのだと。

ここにも日本語の分かるスタッフがいたので、施設内を見学させてもらいながら、気になってることをいろいろ教えて頂いた。

この施設に基本出入りしているのは、無償で働くシスター、有償で働くヘルパー、そして、ボランティアスタッフが主で、その他には、作業療法士や看護師も出入りしているのだと。なので、1日のスケジュールの中には、音楽や光を用いた作業療法の時間が組まれていたり、医務室のようなものもあった。

ここでは、主に12歳から18歳の子供たちが入居しているそうだ。日本のように障がい種別に入居先が分かれているわけではなく、知的障がい者も、身体障がい者も、一緒になって生活している。学校に通える子は特別学級などに通学し、通学が難しい強施設内で勉強したり、作業療法を受けたりしながら過ごすそうだ。

また、日本の福祉施設でよくあるような手すりやスロープ、リクライニングベッド等はないが、その分はスタッフやボランティアのサポートでカバーしているとのこと。ベッドで寝ている入居者は、床ずれをしないようにクッションで位置を動かせるようになど工夫されていた。

ここに入居している子供たちは、親に見放されたり、もしくは何らかの事情があって、家族と一緒に過ごせない子供たち。いわば、ここは障がい者施設であり、孤児院でもあるのだ。18歳を迎え、施設を出る子供たちは、また別の施設へ送られる。「死を待つ人々の家」という、病人や高齢者のための施設もあるのだそう。このような施設が、日本で言う生活保護のような役割を担っているようだ。それだけでなく、支援しているのが修道女達と言うこともあり、お祈りを捧げたり、一人ひとりの心のケアをしたりなど、宗教的な属性も帯びていると言っていい。

日本の施設のように、レクリエーションなどを歌を歌ったり、クリスマスや建国記念日などの祝日には、施設内で催し事もやるそうだ。

肝心のお金は、基本的に寄付金で運営されているとの事。インドは、日本より寄付や物乞いの文化が強いので、お金持ちのインド人なんかは寄付金を出すことに対して抵抗が少ないのかもしれない。

障がい者施設を見学して思ったこと

1番印象的だったのは、作業療法も、施設内のケアに組まれていたことだ。音や光を使った作業療法も行っていると言っていたので、入居者は先進的な支援を受けているのかもしれない。
肝心の子供たちは元気そうで、修道女の皆さんによくなついているようだった。私にも、ヒンディー語でわからなかったが、笑顔で何かを話しかけてくれていた。
また、寄付金で運営している分、設備にお金はかけられていないようだったが、その分スケジュールをしっかり組んだり、レクリエーションを充実させたり、作業療法や英語の勉強を教えるなど、できる事は工夫してしっかり運営されているなという印象を受けた。

正直、施設に来る前は、これまでの街並みやへ、ホテルや飲食店内の雰囲気から、障がい者施設内もあまり整備されておらず、支援もしっかり行われていないのではないかと思っていたが、設備投資以外は日本のそれと変わらず、もしくはそれ以上サポートが行き届いているように感じた。また、孤児院でもあり、宗教的な側面も帯びているなど、昔の日本のお寺のような総合的な役割を担っているように感じた。今回は修道女の方も忙しいとのことで、1時間程度しか施設内の見学はできなかったが、次回また来る機会があれば、他の施設もボランティアをしてみたいと思う。

帰りは地下鉄にて。

何故か有料の体重計が設置されている。
帰りは地下鉄にて。何故か有料の体重計が設置されている。

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ライター keita0206

1992年福岡県生まれ。先天性四指欠損という、左手の指が生まれつき4本無い状態で生まれる。大学4年生の就活の最中、ママチャリ日本一周を思い立つ。大学卒業後は就職せずアルバイトで資金を貯め、2015年5月〜2016年9月までの約1年4ヶ月で、ママチャリでの日本一周を達成。その後クラウドファンディングにて旅の記録を書籍化。旅後は大阪で一人暮らしをするも、旅したい欲求が溢れ2022年7月〜12月にバイクで2度目の日本一周を達成。現在は自転車インド一周の旅に向けて準備中。

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https://keita-kabu-world.hatenadiary.com/

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