「ミライロID」を使って障害者割引で横浜アンパンマンこどもミュージアムを楽しんできた!
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ライター:Media116編集部
前回、「障害者手帳を見せたくない!心のバリアを軽減し外出しやすくするアプリ「ミライロID」とは?」という記事で画期的なアプリをご紹介しました。それはアプリに障害者手帳の状況を移すと障害者手帳の原本の代わりになるというもの。今回は実際に「ミライロID」を使用して入館できるのか!?のお試し×横浜アンパンマンこどもミュージアムをバリアフリーで楽しんできたレビューを「ママは身長100cm」の著書を持つ伊是名夏子さんとお嬢さんに協力して頂き、お届けします!
横浜アンパンマンこどもミュージアムへのバリアフリーでの行き方
ミュージアムには「新高島駅」と「横浜駅」から行くことができます。
・みなとみらい線「新高島駅」3番出口より徒歩3分
・JR「横浜駅」東口より徒歩10分または、きた東口Aより徒歩13分
今回は電車のアクセス本数の多いJR横浜駅から実際にバリアフリーで行けるルートを歩いてみました!
まずJR横浜駅東口から地下街へ降ります。右折するとエレベーターがあります。
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」と記載があったので、方向音痴のスタッフは道が合っていたんだなとちょっと安心。エレベーターを降りると横浜スカイビルの看板が目の前に見えますので、そこを左折。順路に沿って進んでいくとこの写真のような広場に出ます。
すでにアンパンマンたちがお出迎えしてくれていますね。エレベーターのマークがありますので、それに従ってエレベーターで1Fへ。1Fに着いたら直進しセブンイレブンを少し過ぎた右手にあるエレベーターで2Fへ。エレベーターを降りたら右折して突き当りを右折。
そうするとこちらの「はまみらいウォーク」が見えますので直進します。しばらくすると日産グローバル本社が見えます。本社内のギャラリーをそのまま進みます。ギャラリーを出て正面左にあるエレベーターで1Fへ。
エレベーターを降りるとこの光景が。横断歩道を渡り直進すると横浜アンパンマンこどもミュージアムに着きます。記載では横浜駅東口から10分とのことでしたが、エレベーター待ちの時間なども含め女性の足では20分程度かかりました。
時間や距離が気になる方は、みなとみらい線「新高島駅」での下車がおすすめです。こちらもエレベーター完備です。
もし、車で来館される方は第一駐車場(B1F)・第二駐車場(富士ゼロックス1F)に、それぞれ2台分、第三駐車場(施設裏平面)に1台分の障がい者用駐車スペースがあります。来場時にはコーンが立っていました。ご自身で移動が難しい場合は近くにいる警備の方やスタッフの方にお声がけをしてくださいね。
さて、横浜アンパンマンこどもミュージアムに到着!おおきなアンパンマンがお出迎えしてくれます。開園15分前に着きましたが、このおおきなアンパンマンの立像と記念撮影をするために既に親子連れの行列ができていました。
いざミュージアムへ!
スロープからミュージアムに入館します。スロープの先には2Fミュージアム入口になっています。しかし、結構急…。同行した車椅子ユーザーによると、電動車椅子であれば問題ないかもしれませんが手動の車椅子では上るのが困難な傾斜と距離なのでエレベーターでの移動が無難かもしれません。
※エレベーターは1Fショップ&フード・レストランフロアにあります。
まずはショップ&レストランのある1Fに向かいました。取材時はハロウィン当日でしたので、レイアウトがハロウィン仕様になっていました。現在はクリスマス仕様になっているそうです。
こちらのリュックサックはとても人気だそうです。その理由は自分でワッペンを選び、その場でつけてくれるということ。世界でひとつだけのリュックサックができちゃいます!様々なショップが展開されていて、このフロアだけで1日過ごせちゃいそうです。
1Fをぶらぶらと回っていると、ある男性に遭遇しました。その方は大きなリュックサックを背負って「救護 救急救命士」というゼッケンをつけています。
お話を聞いてみるとミュージアムから依頼され民間企業から派遣されている救急救命士の方だそう。救命士の方は1F~3Fまで全てのフロアを回っているそうです。体調が悪くなった方がいたら病院に行くべきか否かの判断をするのが仕事とのこと。「確かに、はしゃいでケガをしてしまうお子さんもいらっしゃるかもしれませんね。」そう言うと、「いえ。お子さんだけではなく、僕は全ての方の安全のためにいるんですよ。」と答える救命士さん。心強いですね。こういった方を配置しているのは障がいのある方の受け入れにもとても良いことだと思いました。
「ミライロID」でスムーズに障害者割引が受けられるのか!?
いよいよミュージアム内に入館します。ここで「ミライロID」の出番です!「ミライロID」を提示して、本当にスムーズに障害者割引が受けられるのか…?
入館料はこども(1歳以上)・おとな(中学生以上)共に2,200円(税込)です。障害者手帳の提示で本人とつきそいの方1名様まで半額入館できます。今回は障害者手帳の原本ではなく、「ミライロID」をチケット売場の女性に提示します。
「はい、大丈夫です~。何名様ですか?」
問題なくアッサリとパスしました!IDを提示するだけで障害者手帳の原本を提示しなくてよいのは、気持ち的にも手間を省くという意味でもとても良いことですね。「ミライロID」がもっと普及して、こうやって人前で障害者手帳の原本を出すことなく、そして必要以上の個人情報を晒すことなくスムーズに障害者割引が受けられるようになる近い将来が楽しみです。
バリアフリーで楽しめる?「リアル」をレビューします!
ミュージアム内に入ると伊是名さんのお子さんはおおはしゃぎ。「ママ、早く、こっち!」と言わんばかりに伊是名さんの手を引いてどんどんと進んでいきます。ミュージアム内の床はフラットになっており、車椅子でも動きやすいです。
ただ、混雑時はお子さんもたくさんいて走り回ったりしているので車椅子の操作には気を遣わなければならないと伊是名さんは感じられたそうです。また、車椅子ユーザーであるお母さんとしては遊具の柱が多くあることでご自身のお子さんを見失ってしまうので、よく見ておかないと!という気持ちが大きかったとのこと。
遊具の中にはいくつか家の形をしたものがあります。下の写真のように、高さがある遊具の入口にはスロープがありました。ただ、伊是名さんはそのスロープを少し角度が高すぎると感じられたようです。家の形の遊具の入口は小さく、小さなお子さんは入れますが大人はかがまなければならない大きさです。他のお子さんもたくさんいる中で一緒に入って楽しむのは難しい場面もありました。
こちらではアンパンマンのお面をつくることができました。テーブルとイスは子供用のサイズで、車椅子の伊是名さんは高さが合わずちょっと大変そうです。
「子供に合わせるとテーブルが低くなるのは仕方がないけど、できれば端の方に車椅子の高さに合わせたテーブルが置いてあると良いかもしれないですね。」と仰る伊是名さん。お子さんが車椅子の場合も、親御さんが車椅子の場合も両方あるので、親子が同じ高さで一緒に楽しめたらいいですよね。
多目的トイレは1F~3Fに1つずつ備わっています。伊是名さんに実際に入ってもらいました。
トイレ内の広さは十分です。洗面器やハンドドライヤーも車椅子の高さに合わせて設計されていて使いやすいとのこと。お手洗いの心配はなさそうですね。
さて、3Fでアンパンマンたちが登場するメインステージが開催されるということで移動します。
ステージを観る際に、決まった「車椅子用スペース」は設けられていません。一番後ろの席にスペースをつくってもらい、そこから見学する形です。周りを見渡すと、バギー車椅子に乗ったお子さんがいました。その子もやはり一番後ろの端のスペースで見学していました。
これに関して伊是名さんは少し残念に感じたようです。
「車椅子ユーザーでもひとりの子だし、必然的に一番後ろの端に誘導されてしまうのは可哀想です。よく見える場所に車椅子スペースを設けても良いと思います。できるだけすぐに!」
他のお子さんと同じように楽しめる場所が必要だと仰いました。
ステージが終わり、お昼になったところでフードコートへ。
フードコートの通路幅は広くとってあり、車椅子でもスムーズに動けました。テーブルの高さも車椅子に合っていました。
伊是名さんのお子さんは「おこさまうどん(どんぶり付き)」900円(税込)を注文。お子さんが食べるのにピッタリサイズ。食べ終わったどんぶりは持ち帰ることができるので人気の商品です。和柄がかわいいどんぶりは、アンパンマンこどもミュージアム限定です!どんぶりの中の絵柄は3種類で、どれがもらえるかはお楽しみです。
美味しそうにうどんを頬張る伊是名さん親子。ランチにも満足です。
一言の声がけが何よりの「バリアフリー」
今回、伊是名さんは半日お子さんとミュージアムを回った感想をこう仰いました。
「屋内なので雨の日でも楽しめるというのはとても良いと思いました。また、コンパクトにまとまっているので小さい子でも十分楽しめるのがいいですね。お弁当などを持ってきて休める場所もあるのは嬉しいです。」
続けてこう仰います。
「こどもの過ごしやすさが考えられている反面、車椅子ユーザーにはもう少し配慮が必要だと思いました。来館されている親御さんは自分のこどもをみることでいっぱいいっぱいで、車椅子ユーザーへの配慮まで気が付かないと思います。その時にスタッフの方が率先して声がけをしてくださると尚嬉しいですね。」
取材の最初にミュージアムの社員の方が「課題点があれば是非教えて頂きたいです。改善できることは積極的に改善して全てのお客様に楽しんで頂けるミュージアムにしたいので。」と仰っていました。そのため、今回の記事ではバリアフリーに関して「リアル」を書いてきました。しかしそれは期待の裏返しなのです。スタッフの方に更に「心のバリアフリー」が浸透して、今後ミュージアムに来場する全ての親子がより一層アンパンマンを好きになれるようになるといいなと思ったのでした。
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
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■横浜アンパンマンこどもミュージアム
〇営業時間
2・3F ミュージアム10:00~17:00(最終入館16:00)
1F ショップ&フード・レストラン10:00~18:00 ※入場無料
〇休業日
元日(他に館内改装・保守点検等による臨時休業あり)
※詳細はお問い合わせください。
横浜アンパンマンこどもミュージアム公式HP
■伊是名夏子(いぜななつこ)
コラムニスト
東京新聞・中日新聞
「障害者は四つ葉のクローバー」連載中。
骨形成不全症という骨の折れやすい障がいで身長100cm、体重20kg。
著書:ママは身長100cm
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■関連記事:
障害者手帳を見せたくない!心のバリアを軽減し外出しやすくするアプリ「ミライロID」とは?
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