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障がい者が知っておくべき、「マイナンバーにひもづいていく情報」とは?

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マイナンバーにひもづく障がい者関連情報・イメージ画像

ライター:Media116編集部

昨日のネットニュースで、「マイナンバーを記録したパソコンは修理できない」と、PC各社の修理規定が波紋を呼んでいました。慎重な対応を見せる企業がある一方で、過剰反応と指摘する声もあります。いずれにせよ「マイナンバーはそれだけ重要な個人情報」ということです。
では、マイナンバーには障がいに関してどんな情報がひもづき、そして障がい者の生活にどのように影響していくのでしょうか? 障がい者が知っておきたい、マイナンバーの現在について調べてみました。

障がい者にとって、マイナンバー制度導入のメリットは?

私たちが福祉サービスや社会保険料の減免などを申請すると、役所では申請者がその対象になりうるかどうかを確認するために、国の行政機関や地方公共団体など様々な機関の間で、氏名、住所、所得などの個人の情報のやりとりをします。

しかし、機関ごとに住民票コード、基礎年金番号、医療保険被保険者番号など、それぞれの番号で個人の情報を管理しているため、情報のやりとりには、時間と労力が必要でした。

これを、ひとつの共通番号を導入することで、行政機関同士の連携を図りやすくし、個人の特定を確実に行えるようにする、というのがマイナンバー導入の目的です。

上記によって、行政の福祉サービスを利用することの多い障がい者とっては、様々な申請において、これまで必要だった、住民票や課税証明書などが不要になり、手続きがラクになるメリットがあります。

マイナンバー
 

障がい者に関わるマイナンバーが紐づく情報は?

マイナンバーは所得や税金の情報と関わりますから、障がい者控除の申請など年末調整や確定申告といった税の記録などが紐づいてきます。

身体障害者手帳や精神障害保健福祉手帳の申請にもマイナンバーが必要になりました。

また、障害児福祉手当や特別児童扶養手当、特別障害者手当など、障がい者向けの手当ての申請にもマイナンバーが必要なものがあります

ほかに、障がい者に関わる、マイナンバーに紐づく情報にどんなものがあるのか、マイナンバーコールセンターにお聞きしたところ、障がい者が利用できる「マル優・特別マル優」といわれる非課税貯蓄がマイナンバーと紐づくとのことでした。

障がいに関するマイナンバー
 

マイナンバーで障害年金はどうなる?

障害年金を受給されている方は、マイナンバーとの関係も気になるところでしょう。
 日本年金機構に障害年金にマイナンバーがどのように使われるのか、お聞きしたのですが、年金はまだマイナンバーに紐づいていないとのことで、具体的にどう利用するのか、今は答えられないとのことでした。

実は、当初、日本年金機構はマイナンバーシステムと基礎年金番号とを紐づけて、年金情報を管理する予定だったそうです。しかし国会でのマイナンバー法改正時に、サイバー攻撃による情報漏えい事件が発覚したために、安全な体制が整うまで、接続は延期となり、今にいたります。

 しかし、基礎年金番号とマイナンバーが紐づくのは時間の問題でしょう。実施されれば、当然、年金の手続きはラクになり、受給者にとってメリットはあります。その一方で、公平・公正な税・社会保険制度を実現するのもマイナンバーの目的のひとつですから、不正受給の調査もこれまでより容易になると考えられます。

マイナンバーコールセンターの方のお話では、たとえば「就労不可」の診断書を提出して障害年金を受給しながら、実際は就業して収入を得ていた場合などには、年金機構がマイナンバーを利用して、他の行政機関からと情報をやりとりし、法律にのっとった調査を行うことは可能になるでしょう、とのことでした。

年金とマイナンバー
 

医療分野の情報の一元化は?

将来的には、病院や処方箋などの医療分野や公共料金の支払いなどにも利用が広がるのでは、と見込まれているマイナンバー制度。自分の「病歴・薬歴」というプライバシーにかかわる情報がどのように扱われることになるのか、気になる方もいると思います。

ですが、いまのところ、個人の病歴・薬歴の情報はマイナンバーには紐づかないとのこと。ただし、企業の特定健診の結果や、予防接種の情報などは、マイナンバーシステムで管理されていくそうです。

医療分野とマイナンバー

(おわりに)
マイナンバーは、もともと「社会保障」「税」「災害対策」の三つの分野で使用するためにスタートしましたが、昨年秋の改正法で、新たに「銀行口座」「特定健康診査」「予防接種記録」が紐づけられることになりました。

限定的とはいえ、個人資産や医療関係の記録も入ってきたわけです。民間利用がどの程度広がっていくのかは、今はまだわかりません。メリットが多い反面、情報漏えいのリスクも絶対にないとは言い切れないなど、将来的な不安を持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。

今後、マイナンバーがどのような情報を扱うことになるのか、セキュリティ対策は万全か、国会での審議に注目すべきでしょう。また、くれぐれも、個人番号カードや通知カードは大切に保管し、盗難や紛失が起きないようにすることが大切です。さらにマイナンバー制度を騙って口座番号や暗証番号、年金情報など、個人情報を聞いてくるような詐欺に応じないように、くれぐれも気をつけてください。

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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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