「目隠しでサッカー???」ブラインドサッカーを体験してみた!
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ライター:Media116編集部
ブラインドサッカーをご存知でしょうか?その名の通り、目隠しで行うサッカー。
完全に目隠しの状態でパスを回し、フルスピードのドリブルでかわして、ゴールにシュートする。あり得ない。何故そんなことが出来るのか。。。
「百聞は一見にしかず!」ということで、ブラインドサッカーを使った体験型プログラム「OFFTIME」に参加させてもらいました。
ブラインドサッカーについて
ブラインドサッカーは、アイマスクをつけて行う5人制サッカーで、アイマスクを着けた4名と、晴眼者もしくは弱視者が行うキーパー1 名が、転がると出るボールの音と、周りの声を頼りにゴールを奪い合います。特筆すべきは、健常者もアイマスクさえつければ、視覚障がい者と同じ立場でプレイができる、珍しいスポーツということです。
OFFTIMEに参加してみた!
OFFTIMEでは、参加者が目隠しをして走ったり、運動したり、ブラインドサッカー用のボールを使ったゲームをします。コミュニケーション、チームビルディング、ダイバーシティ理解など、日常生活に活かせる新たな発見ができる体験型プログラムです。
平日の夜に、会社の同僚2人とともにこのプログラムに参加しました。
え、目隠しで準備体操・・・?
最初のプログラムは「目隠しでの準備体操」。
まず2人1組になり、1人が目隠しをする。もう1人がどんな体操をするのか、体の動かし方を声で説明してあげる。
「簡単じゃん?」と思いつつ、目隠しをした瞬間、当たり前だが世界が完全に暗闇の世界に。
そして「左手を胸の前に持ってきて、右手を左手の下に回して、背中側に・・・」というパートナーの説明に対し、「ん?ん?これであっているの?」。周りのメンバーからもどよめきが。
比較的動きの無い体操は何とかなったが、ジャンプや動きの機敏な体操はもう皆バラバラ(汗)
準備体操だけでこの状態。
目隠しの洗礼を受けた我々に対して、次は「全員目隠しをしてこちらが指定する順番で一列に並んでください」との説明が。
「名前(アイウエオ)順」「生年月日順」などの指示が出る中で、今度は全員が目隠しをしているので、もうどこを先頭にして、どうやって順番に並ぶか、なんとか声を掛け合って列を作っても、目隠しをとってみると90度近く曲がった列になっており。。。
日々、どれだけ視覚情報に頼っているのか、つくづく思い知らされました。
ボールにさわれる!
他にも、目隠しをしてさまざまプログラムを体験させていただき、最後にブラインドサッカー用のボールの登場。ここからはチームに分かれての対抗戦。
1人が目隠しをして、他のチームメンバーが「転がると音が出るブラインドサッカー用のボール」を投げる。
↓
目隠ししたメンバーが、鈴の音を頼りにボールを探す。
↓
ボールを見つけ、決められた的に向かってシュートする。
いたってシンプル、ただこれだけなのですが、、、
実際に自分の番になってみると、鈴の音を追いかける以前に
「走るのが怖い。。。」
どこに誰がいるのか。
壁はどこなのか。
どこに向かって進んでいるのか。
全くわからない。
まごまごしていると、ボールが止まってしまいどこにあるのか見当もつかない(汗)
声を頼りに徐々に近づくも、ボールに触れない。(スイカ割りを思い出して頂ければイメージがつきやすいと思います)
声を頼りにボールに行き着くのがどれだけ大変か。
そして「ボール触った!触りさえすればなんとかなる!」と思ったら、ここからが一番難しかった。
普段は無意識に出来ているボールさばきがまったく出来ない!!!!
何しろ、ちょっとでもボールと足が離れたら、もうボールが足の前にあるのか右にあるのか全く分からない状態に。
「こんなんどうやってドリブルするんだ????」
ともう放心状態。あがいた結果、ドリブルはあきらめ、足の裏で少しずつボールを押す作戦に。
足とボールを大きく離してからシュートなど出来るはずもなく、ボールから少しだけ足を後ろに引いてつま先でのトゥキックが精一杯。。。
「試合したい!」と思って参加しましたが、いざやってみるととてもそんな状況でなく。。
選手の方々は、一体どうやってあんなハイスピードな試合してるんだ????と、
いかに驚愕なスポーツなのか改めて再認識しました。
そして、日々如何に視覚情報を頼りにしているか、それが無くなった時、どれほどの恐怖と困難が現れるか。限られた体育館の中だけでもこの恐怖感だったので、日常になったときの怖さは想像を絶します。
文字通り「体験してみないと分からない」貴重な経験を以前、会社の近くで全盲の方が「東京駅がどっち方面か」迷っていたのを思い出し、今更ながらその方の気持ちが少しだけ分かった気がしました。
最後に、ブラインドサッカーを通じて色々な体験ができるのもいいですが、何より「おもしろい!」ぜひ一度、体験することをおススメします!
▼OFFTIME(オフタイム)
OFFTIMEホームページ
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ライター Media116編集部
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