報・連・相がしづらい…そんな発達障がいのあなたにコツをご紹介!
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ライター:ヒラノオツボネ
こんにちは!元キャリアアドバイザーの「ヒラノオツボネ」です。これまで人材紹介会社にて健常者・障がい者両方のサポート経験があり、通算200名以上の方の就職決定に貢献してきました。発達障がいのあるみなさん、「報告・連絡・相談」を億劫に感じてしまうことや、またそのためにタイミングを逃してしまうことはありませんか?今日はそんな職場のちょっとした困りごとに効くコツをご紹介します!
それぞれのタイプに合った報連相の手段を
ご存知の方も多いと思いますが、まずはビジネスシーンでの「報連相(ホウレンソウ)」とは何かをご説明しますね。
報告:上司や業務の依頼主に対して業務の進捗状況などを伝えること
連絡:上司や業務の依頼主に限らず、関係者に対しても知っておいてほしい情報を伝えること
相談:業務を円滑に進めるにあたり他の人の意見を求めること
発達障がいのある方の中には他人とのコミュニケーションがとりづらいという方も多いと思います。他人とのコミュニケーションに人一倍敏感なタイプの人、逆にちょっと鈍感なタイプの人…あなたはどちらのタイプでしょうか?
例えば敏感さんは、あまりにも相手の反応や状況に気を使いすぎてしまい質問するタイミングを逃してしまったり…ということはありませんか?また、鈍感さんは「まだ大丈夫かな、うん。」と報連相を先延ばしにしてしまい危機的な状況に気づかないことはありませんか?どちらのタイプの方も、結果、適切なタイミングで報連相をしないで怒られてしまう!なんてこともあるかもしれませんね。
ではどうしたらいいのか?次で書いていきます。
職場で「レポートライン」と相談相手を決めておく
これは敏感さん、鈍感さんの両方に当てはまります。「レポートライン」という言葉を聞きなれない方もいらっしゃるかと思いますが、会社における「レポートライン」とは報連相を行う際の系統のことです。例えば上司に重要な意思決定を求めること、部下は業務の進み具合などを報告すること、という上司・部下の間で意思疎通をするというものです。
まずは誰に報連相したらいいか?というレポートラインを事前に決めておくことが有効です。ちょっとしたことでも「誰に相談しよう?」と困って時間が経ってしまい大事に・・・とならないように、報告は誰に、連絡は誰に、相談は誰にすれば良いかを明確にしておくとスムーズに報連相ができるようになりますよね。ではどうやってそれを決めればいいのか?まず、上司に「報連相をスムーズにしたいので、レポートラインを教えて頂きたいのですが」と相談してみましょう。上司が話しづらいようでしたら人事に相談してみましょう。それでも難しいという方は、支援機関の支援員に頼るのもテです。
また、レポートラインだけではなく相談役も決めておくと良いですね。「自分から話しかけるのが得意ではないので、ちょっとしたことでも相談できる方を用意してほしい」と伝えてみましょう。レポートラインと相談役が明確だと思った以上にすんなり安心して報連相ができると思いますよ。
緊張するならメモを書いて①~③の順番で報連相する
これは主に敏感さんに当てはまる方法かと思います。他人とのコミュニケーションに過剰に反応してしまう、気を使いすぎてしまうという敏感さんは報連相の時もドキドキしてしまったりするのではないでしょうか?緊張して上手く話せなかったらどうしよう!と思いタイミングを逃して結局後で怒られてしまうのは悪循環ですよね。そんな敏感さんは報連相の前に、まず何を伝えたいのかを書きだしましょう。
① それは報告なのか?連絡なのか?相談なのか?
② 結論として報連相したいことは何なのか?(一言で)
③ 報連相すべきと思った経緯はどうしてか?
この3つを書き出してみましょう。そして報連相の時にはメモを見ながら、①~③の順番に話してみましょう。
例えば、
「相談になりますが(①)、結論いまこの業務に苦戦しているのでアドバイスを頂けないかと思い伺いました(②)。この業務が滞ってしまうと明日のプレゼンに響いてしまいますので、早めに相談にきました(③)。」
こんな感じです。イメージはわきましたか?メモを見ながら話すことによって落ち着いて話せますし、このように順を追って話すことによって相手も理解しやすくなります。
業務が滞っていたら時間をきめて素直に上司に相談にいく
これは鈍感さんに当てはまるかもしれません。1つの業務に悩んで知らず知らずのうちに1時間が経ってしまっていた!なんて経験はありませんか?そんな時は悩む時間をきめて、それ以上の時間が経ったら素直に相談に行くということをおすすめします。なぜなら貴重な業務時間を悩んで過ごしてしまうと、上司としては「もっと早く相談してくれれば他の業務に時間を使えたのに!」となるわけです。業務が止まってしまうよりかは、早めの相談をしてくれるほうがその悩みの種がどんなに些細なことでも相手にとってはベターなのです。
そんな時に必要なのは「〇分間業務が滞ったら上司に相談にいこう」と時間を決めてしまう事です。例えば、「悩んでしまって15分間業務が滞っていたら相談にいこう」というように。後回し後回しにしてしまい、大きなトラブルになってしまう前にリスクを回避することが何より大事です。
話が長くなる人は自分が話す時間は〇分と決めて話す
これは敏感さん鈍感さんどちらのタイプにも当てはまるかもしれません。どちらのタイプでも簡潔に要点を話せるのであれば問題はないのですが、話したいことがたくさんあって全部聞いてほしい!と話が長くなってしまうことはありませんか?報連相をされる側もたくさん仕事を抱えていて、なかなか時間が取れないことが多いですよね。そんな時には「自分が話す時間は〇分だけ」と決めて報連相しにいくのが効果的です。
頭の中で話すことをまとめて、腕時計をみて「よし!〇分以内に話せそうだ!」と思ったら報連相しにいきましょう。
例えば、「3分以内に報告を終わらせるぞ。」と決めて、先ほどの①~③の順番で話を組み立て、報告に行きます。適宜腕時計で時間を見ながら話しすぎていないかを確認し、なるべく決めた時間内で話を終えられるよう努力することが良いでしょう。
直接の報連相が難しければ付箋を貼っておくだけでも違う
最後に、「報連相が本当に苦手だ…上記で書いてあることもすぐには実践できそうにない」「あまりに些細なことなので報連相しづらい」という方もいるかもしれません。そんな方はまず報連相をされる側の方に向けて付箋を作りましょう。①~③の順番を守って簡潔に、要点を押さえて文章を作ります。それをペタッと相手のデスクに張り付けてみましょう。もしできるのであれば、そのあとタイミングを見計らって相手が戻ってきたときに一言添えに行く気持ちで席まで伺いましょう。報連相を全くしないよりかは、それだけでだいぶ違います。
ここまでいかがでしたでしょうか?必要なのは「報連相をして最大のリスクを回避すること」だと覚えておいてください。報連相をすることは後々みなさんを守ることになるのです。これらのコツを使ってスムーズに業務を進めていきましょう!
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ライター ヒラノオツボネ
これまで一貫して人材紹介会社にて健常者・障がい者の転職サポートに携わってきた人材一筋のオツボネ。ゼネラルパートナーズではキャリアアドバイザーとして身体障がいのある方のサポートを経験した後、精神障がいのある方のサポートに従事。現在はMedia116のライターとして仕事系記事を執筆中。
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