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今更聞けない!「特例子会社」ってどんなところ?仕組みや環境は?

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ライター:ヒラノオツボネ

こんにちは!元キャリアアドバイザーの「ヒラノオツボネ」です。これまで人材紹介会社にて健常者・障がい者両方のサポート経験があり、通算200名以上の方の就職決定に貢献してきました。障害者雇用で働きたいというみなさん。「特例子会社」という選択肢を考えたことはありますか?「聞いたことはあるけど、仕組みはよく知らない・・・」「一般企業の障害者雇用と何が違うの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。今日はその「特例子会社」の全貌を明かしていきたいと思います。

簡単に言うと、「特例子会社」って何?どんな仕組みなの?

「特例子会社」とは、簡単に言うと「障がい者の雇用機会を増やし、障がい者が安定して就労できるように特別の配慮をし雇用する企業の子会社」という認識です。そして特例子会社になるためには、厚生労働大臣から認定が必要です。(その条件についてはこの後説明しますね。)

企業ごとの障がい者の法定雇用率の目標は個々の事業主(企業)ごとに義務づけられていますよね。しかし、特例子会社を設立すると、そこで雇用されている障がいのある全従業員は親会社の雇用であるとみなされて、障がい者の法定雇用率を算定する際に親会社と同じ事業所として取り扱われるのです。そのため、事業主は企業の本体で法定雇用率を達成していなくとも、特例子会社の障がい者数を計算にいれて法定雇用率を報告できるという仕組みです。

障害者

雇用される障がい者側と雇用する特例子会社側のメリットは?

特例子会社は障がい者側にも雇用する側にもメリットのある「win-winな会社」であると言えます。
まとめるとこのような内容です。

■雇用される障がい者側のメリット
・雇用の機会が増える。
先にも述べたように、企業の本体で環境面や設備面で配慮が難しく障害者雇用を積極的に行えないという会社でも、特例子会社を設立することで障がい者を雇うことができるようになります。そこでの雇用の機会が生まれることは障がい者側にとっては大きなメリットですよね。

・安定して就労するための環境や配慮が比較的一般の企業よりも整っていることが多い。
もちろん特例子会社ではない一般の企業でも、きちんと配慮をしてくださる企業もたくさんあります。しかし、特例子会社では様々な障がいのある方を雇用するための設備面での準備や環境調整をおこなっており、受け入れ体制が整っていることが多いです。

例えば設備面で言うとバリアフリーが整っていたり、オストメイトに対応したトイレがあったり。また、仕事の面でのサポートでは精神障がいや知的障がいのある方に向けてジョブコーチが在籍して困った時に相談しやすい環境があったり。視覚・聴覚障がいのある方のためにドアの開閉時に音や光で知らせる機能があったりと、様々な配慮が凝らされています。

バリアフリー

特に特例子会社特有のメリットとしては、働き方の面でのサポートが大きいですね。例えば通院をはばからずにできたり、障がい特性に合った勤務時間や通勤時間の配慮があったり。

全ての配慮がすべての特例子会社に備わっているわけではありませんが、特例子会社ごとに障がい者を受け入れ、快適に業務を遂行できるよう様々な努力をしているのです。

■雇用する側のメリット
・企業本体の業務や環境では法定雇用率達成目標人数の障害者を雇用することができなくとも、特例子会社の環境や設備を整えることで障がい者を雇用し、その障がい者雇用数を含めて法定雇用率を達成することができる。
こちらに関しては先で述べた通りの仕組みです。企業本体で雇用が難しい状況でも、環境を整えた特例子会社であれば障がい者を雇用でき、それによって法定雇用率の目標に近づけることができます。

・障がい者の就労を安定させ、就労の定着率が向上する。
こちらも法定雇用率の達成に向けて雇用側としては大切になってくることです。入社してもなかなか配慮が受けられない、サポート体制が弱いと感じると就労することが不安になり退職をしてしまう方も少なくありません。実際に一般企業に障碍者雇用で入社した方の3カ月での離職率は身体障がいのある方で15.3%、精神障がいのある方に至っては30.1%という数字が出ています。
「障害者雇用の現状等 平成29年9月20日厚生労働省職業安定局」
様々な障がいのある方を受け入れ、長く働いてもらうためには環境の整った特例子会社が必要なのですね。

・障害者雇用のノウハウを蓄積して企業本体やグループ会社へ展開し雇用を促進することができる。
企業本体やグループ会社で障害者雇用がうまくいっていないという場合、設立した特例子会社から安定した障害者雇用のノウハウを学ぶことができます。障がい別に必要な配慮や、設備面・環境面で必要なサポート、就労事例などを展開することでグループ全体で障害者雇用の促進をはかることが可能になります。

ノウハウ

特例子会社ではどんな仕事に就ける?給与や働き方は?

・特例子会社の業種
「多様化する特例子会社の経営・雇用管理の現状及び課題の把握・分析に関する調査」のアンケートに回答した194社の特例子会社の業種は、サービス業(51%)、製造業(27.7%)、生活関連サービス業・娯楽業(2.5%)などが多くあがりました。

・特例子会社で働く障がい者が従事している職種
事務(一般事務、会計事務、運輸・郵便事務等)が59.3%、運搬・清掃・包装(倉庫作業、荷造、清掃、包装)が54.1%、生産工程(生産設備制御・監視、機械組立、製品製造・加工、機械検査等)が30.9%という結果でした。

製造

・特例子会社で働く障がい者の平均の年収
障がい特性に合わせて多様な働き方をする特例子会社での年収は一概に業務生産性によって決まっているものではないことは先にお伝えしておきます。その中でもアンケートで最も多かったのは「150万円以上300万円未満」(60.3%)、次に「150万円未満」(25.3%)、そして「300万円以上400万円未満」(11.9%)という結果でした。

・特例子会社での障がい者働き方
アンケートの中では「フルタイムの正社員」を雇用している特例子会社が84.4%あり、「パートタイムの正社員(※決められた勤務時間よりも短時間で働く正社員のこと)」を雇用している特例子会社が11.9%ありました。特例子会社では体調に合わせたフレキシブルな働き方も認められているのが特徴的ですね。

「多様化する特例子会社の経営・雇用管理の現状及び課題の把握・分析に関する調査」より

「特例子会社」として認められるための一定の条件とは?

「特例子会社」となるには認定の要件があります。
(1) 親会社の要件
親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること。 (具体的には、子会社の議決権の過半数を有すること等)
(2) 子会社の要件
② 親会社との人的関係が緊密であること。 (具体的には、親会社からの役員派遣等)
② 雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。 また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合 が30%以上であること。
③ 障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること。 (具体的には、障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等)
④ その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること。
「特例子会社」制度の概要より

企業

まとめ

今回は特例子会社について書きましたが、いかがでしたでしょうか?まだまだ伝えきれない魅力もたくさんあります。それはまた今度書いていきたいと思いますので、乞うご期待!もちろん、必要な配慮を提供してくださるのは特例子会社だけではありません。一般の企業でもこちらから必要な配慮をきちんと伝え、双方が納得した形で入社すれば環境面でも安定して就労することは可能です。自分に合った働き方はどんなものなのか?どうぞこの機会に想像してみてくださいね。
atGP(アットジーピー)でもタイミングによりますが特例子会社の求人を掲載することがありますので、チェックしてみてください!

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ライター ヒラノオツボネ

これまで一貫して人材紹介会社にて健常者・障がい者の転職サポートに携わってきた人材一筋のオツボネ。ゼネラルパートナーズではキャリアアドバイザーとして身体障がいのある方のサポートを経験した後、精神障がいのある方のサポートに従事。現在はMedia116のライターとして仕事系記事を執筆中。

ブログ
公式HP
https://www.atgp.jp/

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