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10月6日は「世界脳性まひの日」“Warm Green Day” ~知ることからはじめよう~

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ライター:aki

「自閉症啓発デーは盛り上がっていてうらやましいな」そんな脳性まひ(※1)の当事者のひとことをきっかけにはじまった、「世界脳性まひの日×エンタメ」のイベント、その名も「Warm Green Day」。
クラファンへの参加もよし、テーマカラーのグリーンを身に着けてSNSに写真をアップするもよし。まずは知るために一緒に楽しみませんか?
脳性まひ当事者の石牧大さん・川端舞さん、そして一般社団法人Get in touch(以下 Get in touch)事務局の石川悧々(りり)さんにお話を聞きました。

脳性まひにもいろいろな人がいる

川端舞さん
川端舞さん

石牧大さん
石牧大さん

川端舞さんは、脳性まひの当事者で、「NPO法人NEWSつくば」のライターです。今年8月、ジュネーブの国連本部に渡航した障害当事者100人のうちのひとりでもあります。
石牧大さんも脳性まひの当事者です。自分の会社を起こすとともに、地元の神奈川県で障害者サーフィンを楽しんでいます。

「自分が脳性まひだということは知っていても、どんな障害なのか実は大人になるまでよく分かっていなかったんです」
石牧さんと川端さん、2人ともこのように話します。
ひとくちに「脳性まひ」といっても、どんな障害があるかは人それぞれです。妊娠中から生後4週間までに、脳に何らかの損傷を受けることが原因といわれています。手足に障害がある人もいれば、話すことに困難のある人もいます。知的障害がある人も、ない人もいます。障害のあらわれ方は、みんな違います。

「同じ脳性まひでも障害の程度は人によって様々です。“脳性まひの人”という人は実際にはいないと思っています。いろんな人がいておもしろいなと思ってもらえればいいなと思います」(川端さん)

グリーンのイベントTシャツのロゴは「KNOW CP(※2)」(脳性まひを知ろう)。
「おもしろいでしょ?”Know“と”脳“をかけてるの!」と事務局の石川さんが話すと、石牧さん、川端さんも「え!ダジャレ?」「今知りました!」「おもしろい」「すごくいいと思います」と話が盛り上がって笑顔になります。

ビームス提供のオリジナルTシャツ

Get in touch の誰も排除しない「まぜこぜの社会」をめざす活動に賛同をし、立ち上げ当初からスタッフティシャツを協賛してくれているビームスさん
写真は今回ビームスさんよりご提供いただくオリジナルTシャツ。
クラウドファンディングのリターンとして提供されます。当事者の2人も「おもしろい」と太鼓判です。

反発が来たら大成功!楽しい日にしたい

実は当事者も知らない人が多かったという「世界脳性まひの日」。
「私自身、当事者でありながら、こういう日があるということを知らなかったんです。
脳性まひにもいろんな方がいる。だから『まずは知ってもらう』という考えは大賛成!反対意見が出たらむしろ進歩です。とにかく知ってもらうことが第一歩だと思っています」(石牧さん)

「私には重い言語障害があります。普通級に通っていましたが、小中学校のころは障害のある自分は話さない方がいいとずっと思っていましたし、学校の先生もあまり話してくれなかった。するとだんだん周りの友達とも話せなくなっていきました。
でも高校時代は学校の先生とも友達とも普通に話せるようになりました。大人になってから高校の友達と再会しても、『もっと話してよ〜』といわれます。一緒に同じ時間を過ごして、慣れてくればいっしょに話せるんだよ、と知ってもらえるといいなと思います」(川端さん)

脳性まひについて、知識のない人がイベントを立ち上げてもいいのかという迷いは、Get in touchメンバー内でもあったといいます。しかし「みんなが知らないなら、知らない者同士で知っていこう」と考え、楽しいイベントのひとつにしていこうと切り替えました。

青いテーマカラーやライトアップイベントが定着してきた「自閉症啓発デー」も10年前は似たような状況でした。
「福祉業界の周辺だけで啓発しても広がりに限界があって、やっぱりイベントやエンタメ性は、たくさんの人に知ってもらうのに効果的だというのは自閉症啓発デーで経験していました。だから今回もエンタメ性を取り入れたいという結論になりました」(石川さん)

石川悧々(りり)さん(中央) Get in touch事務局

石川悧々(りり)さん(中央) Get in touch事務局。
頸椎損傷・脳幹血管腫の障害当事者で、障害平等研修(DET)のファシリテーターです。

「やるか、やらないか」を自分で決める

WGDイメージ写真

障害があると、やる前にあきらめてしまう場面は多くあります。支援者の中にも「疲れてしまうから休んだら」「やらなくていいよ」と善意でいう人もいます。けれど、それは少し違うというのが当事者の意見です。

「生きているからには『好きなことをやりたい』と思うのは自然なこと。本人がやりたいと思うことを応援するのも、支援のあり方だと思うんですよね」(石川さん)

「私は周りの人にサポートしてもらって、サーフィンを楽しんでいます。その体験の中で、脳性まひではないのですが、身体に障害のある子が海に入りたいと意思表示をすることがあります。結果的に怖くなって入らないこともあるんですが、『こうすれば入れる』というサポートをしたうえで、自分の意志で『入らない』と決めるのと、最初からあきらめるのでは意味が違うと思うんです」(石牧さん)

「今の話で自分の高校時代を思い出しました。私が体育大会に参加できるように友人たちがみんなで考えてくれました。一緒に『この方法ならできるか』『こういうルールにすれば参加できるか』と色々試してくれました」(川端さん)

「脳性まひがあっても、作品を作りたいから自分ができる方法でアートをつくり続ける人たちもいます。ぜひ、Warm Green DayのPR動画をみてください。歌詞もすばらしいので、多くの方に聴いてほしいです」(石川さん)



導入の歌詞からハッとする、そして思わず笑顔になる動画です。

10月6日は緑色の写真をSNSにアップしよう!

記者発表会場にて。写真左から北澤豪さん、東ちづるさん、玉木幸則さん、有森裕子さん
記者発表会場にて。写真左から北澤豪さん、東ちづるさん、玉木幸則さん、有森裕子さん

9月20日には、東京都内で「Warm Green Day」の記者発表がおこなわれました。
東ちづるさん(俳優・Get in touch 代表)、有森裕子さん(公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 理事長)、北澤豪さん(一般社団法人日本障がい者サッカー連盟会長)、脳性まひ当事者の玉木幸則さん(福祉番組ご意見番・社会福祉士)が登壇し、それぞれに想いや経験を語りました。

「やりはじめないと何も変わってこない。ぜひここからスタートしていきたいです」(北澤さん)

「できる人が、できることを、できるかぎりやっていくのが、大事だと思っています」(有森さん)

「楽しい形で障害を取り上げると、いやな気持ちになる方もいます。そういう方は本当につらい思いをされてきていると思います。ただ、私たちは知らないから、知るためにこういう形で活動しているということをご説明しています」(東さん)

「まずは知ってほしい。現在、脳性まひの子どもは医療の進化によって、特に軽い人が増えています。軽度の人は、より健常者に近づけようという教育や訓練をされることがあるけれど、つらいものはつらいしできないことはできない。そのことを知ってもらって、みんなが自分らしく生きていいんだということを伝えたいです。当日はぼくも楽しみます!」(玉木さん)

もっとも簡単な参加の方法は、10月6日当日に緑色のものを身に着けたり、SNSに緑色の写真を投稿すること。自閉症啓発デーと同じように盛り上がって定着していくことをめざして、今年が第一歩です。
ハッシュタグは、「#WGD106 #世界脳性まひの日」です。

緑色のライトアップや、イベント・クラファンも。

10月6日当日は、日本中のいろいろな場所がグリーンにライトアップされる予定です。
現在、色々な地域や企業・団体に参加をお願いしています。あなたの住んでいる地域でも、どこかでグリーンのライトアップやデコレーションが実施されるかもしれません。

すでに、東京都庁・神奈川県庁・世田谷区庁舎・フジテレビ・セルリアンタワー東急ホテル・​群馬県庁などのライトアップが決まっています。もし気付いたら、ハッシュタグをつけてぜひSNSなどに写真を投稿してください。

Warm Green Day特設サイト

トークイベント「生きづらさだヨ!全員集合」
詳細とお申し込みは上記のリンクから。(10月3日で、申し込みを締め切りました。)
脳性まひの当事者が登壇します。「答えは出なくていい。一緒にモヤモヤしましょう」(東さん)
今回の取材に答えてくれた川端舞さんも登壇予定です。

クラウドファンディング
ビームスオリジナルのスタッフTシャツが、リターンになっているプランもあります。

WGD106 フォトシュシュ
結婚式場やイベントで大人気の「フォトシュシュ」を使ったWGD特設サイトを、Get in touch ホームページ内に設置します。
グリーンのコーディネートや緑色の写真をスマートフォンからシュッシュッ!!と、投稿できます。
(フォトシュシュ特設サイトは、10月6日午前9時から24時まで)

(※1)脳性まひ(CP : Cerebral palsy)とは、お母さんのお腹の中にいる間から、生後4週間までの間に発生した脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害を指します。
出典:国立精神・神経医療研究センター:
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease26.html

(※2)CP:脳性まひのこと。Cerebral palsy

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ライター aki

ASDの長男と、たぶん定型発達の夫と暮らしています。私自身は診断をうけていませんが、おもちゃを一直線に並べて遊ぶ子どもではあったらしいです。                Twitter: https://twitter.com/akiko_m_psy10

ブログ
https://note.com/aki_m_psy10
公式HP

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