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【障がいがあってもステキな結婚式はできる】Vol.2 車椅子の方が結婚式会場を選ぶときのチェックポイント!

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ライター:Media116編集部

車椅子を使っていると、駅やレストランのバリアフリーチェックは日常茶飯事。でも、結婚式会場を決めるときに何をチェックすればいいか、即座に答えられる人はあまりいないのでは? とりあえずバリアフリー環境を確認しておけば何とかなるだろうと、あっさり会場を決めてしまうと、後で困ることもあるんです。そこで今回は、障がい者ウエディングのプロデュースをしている専門プランナーの木許郁子さんに、「車椅子の場合の結婚式会場選びで気を付けること」を教えてもらいました。

「車椅子は重い」「広さが必要」ということを会場スタッフに伝えよう

結婚式ができる会場はホテルや専門式場、ゲストハウスやレストランなどさまざまありますが、車椅子の扱いに慣れているスタッフはわずか。そのため「少しの段差なら大人二人で持ち上げれば大丈夫」とか「スロープを借りればOK」といった程度の認識であることも少なくありません。電動車椅子だと持ち上げることは不可能ですし、スロープと言っても相当の広さがないと使えません

「車椅子でも大丈夫ですよ」とスタッフに言われたとしても、必ず自分たちで不都合や不便がないかを確かめておくことが大切。結婚式は、本契約後にキャンセルすると、多額のキャンセル料がかかってしまうことがあるので、念には念を入れて会場を選びましょう。

結婚式イメージ

結婚式会場を決めるときにチェックするポイントはコレだ!

【1】 公共交通機関からエントランス、通路、会場フロアまでの移動経路
ゲストにも車椅子の人がいる場合は、公共交通機関を使って結婚式会場の見学に行きましょう。駅からのアクセスが良い会場でも、バリアフリーの経路を通ると回り道になることがあります。エントランスや会場内での移動にも不便がないか確認を。会場フロアへの到着が楽な会場を選ぶと、ゲストに負担を掛けません。

【2】 エレベーターの場所と数
エレベーターはどの会場にもあると思いますが、車椅子用のボタンが付いているか、ドアが開く時間の延長ボタンがあるかまで必ずチェックをしましょう。また、ゲストに車椅子の人が複数いるときは、当日混み合うことが予想されます。エレベーターが1台しかないなら、健常者の人に階段を案内できるかも聞いてみて

【3】 多目的トイレの場所と数
結婚式をする会場のフロアに多目的トイレがあるかもチェック。実際に利用してみて、広さや使いやすさまで確かめておくと安心です。またブライズルーム(新郎新婦の控室)のあるフロアにも多目的トイレがあると、中座中に助かります

【4】 ドアなどの間口の広さ
車椅子が通れない幅のドアや入口がないか、利用する可能性がある個所は全て確かめておきましょう。75~80センチ以上あれば、電動車椅子でも大丈夫

【5】 会場の収容人数と広さ
車椅子でゲスト席の間を通ることを考えると、テーブルとテーブルの間の通路幅を通常より広く取る必要があります。会場費が同じなら、できるだけ広い会場にすることをおすすめします。目安はゲスト数の1.5倍の人数が収容可能かどうか。ゲストが30人なら50人くらい入れる会場を選びましょう。

会場の広さ

【6】 ブライズルーム(新郎新婦の控室)の広さ
車椅子で入れる広さでないといけないので、8畳以上の部屋が必要です。(車椅子だけで2畳分取ります。)また、着替えの際には車椅子から立ち上がって体を預けられる高さのある机や台が必要です。机や台が部屋に入れられるかも聞いておきましょう。

【7】 バージンロードの幅と祭壇の広さ
バージンロードの幅は通常120センチになっています。ふたり共が車椅子なら、並んで通ることができません。その時は別の場所にバージンロードを作るなど、工夫が必要に。

チャペルの祭壇は、車椅子で180度回転できる広さがあるかもチェック。祭壇が一段高くなっていてその場で祭壇に上がって確かめられないときは、広さが1.5平方メートル以上あるか測ってもらいましょう。

バージンロード

【8】 高砂の広さとテーブルの高さ
祭壇同様、披露宴でふたりが座る高砂も一段高くなっていることが多いです。その場合、高砂の上で方向転換できるかを確かめておきましょう。広さが足りないときは、高砂を広くしてもらえるか聞いてみて。また、ふたりが座る高砂席やゲスト席のテーブルの高さが車椅子の肘あて部分にぶつかって、テーブルとの間に隙間が空いてしまうことがあります。そうなると食事がとりにくいので、テーブルの高さに問題がないかもチェックしておいて。

【9】 段差にはスロープが付けられるか
結婚式会場で完全にバリアフリーというところは少ないです。段差があるときは、スロープで対応すればいいのですが、スロープはかなり広いスペースがないと付けられないことを、スタッフが知らないことがあります。

50センチの段差の場合、自力で登れる傾斜を作るなら、スロープの長さは3メートル必要。段差の4倍の長さのスロープだと傾斜は15度になり、後ろから押してもらえればどうにか上れます。祭壇や高砂にスロープを付ける場所があるかも確認しましょう。

【10】 時間に余裕を持ったパーティができるか
通常の結婚式は披露宴の時間が2時間と決まっており、終了後は次のパーティの準備のために急いで撤収するようにお願いされます。車椅子の場合は、移動や着替え、演出など全てにおいて通常より時間がかかります。少なくとも3時間利用できる会場、できれば1日1組で時間制限がない会場を選ぶことをおすすめします

結婚式はお世話になった人に感謝を伝える場。ゲスト目線も忘れずに!

10のチェックポイントの他にも、ふたりの状況によってさまざまな確認事項が必要になってくると思います。どんな条件が必要なのかを検討するときには、ぜひゲストの立場に立って考えてみるといいと思います。

例えば、かつてゲストとして出席した結婚式で、自分だけ高砂席に上がって新郎新婦と写真を撮れずに悲しかったという思いから、自分の結婚式では車椅子の友人全員が高砂席に上がれるようにしたという人もいます。結婚式はふたりにとって今までお世話になった人に感謝を伝える最良の場。ゲスト一人一人に必要な設備なども考えながら、会場を吟味しましょう。

自分たちで一から準備するのが不安な人は、ぜひフリーランスのウエディングプランナーに相談を。予算の範囲内で希望の結婚式ができる会場をピックアップし、会場見学にも付き添います。

プロフィール

木許郁子さん
障がい者ウエディングレゼルクレール主宰
フリーランスウエディングプランナー

長年、音響・司会手配の会社を経営しつつ自ら音響PAやブライダルピアニストとして活躍。現在はフリーランスのウエディングプランナーとして活動。2014年から「障がい者ウエディング」をサポートするブランド『レゼルクレール』を主宰。自らサービス介助士の資格を取得し、障がい者の結婚式をプロデュースしている。ブライダルの専門学校で障がい者ウエディングのノウハウを教えるなど、障がい者ウエディングへの理解を広める活動も行っている。

レゼルクレールHP http://presea.jp/


構成・文/稲垣幸子

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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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