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うつ病がある方の就職活動 ~人事・採用担当者の本音、採用ポイントとは?~

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うつ病がある方の就職活動 ~人事・採用担当者の本音、採用ポイントとは?~

ライター:うつ症状のある方向けサービス シゴトライ

皆さん、こんにちは。うつ症状の方専門の就労移行支援「シゴトライ」で施設長をしている南雲です。今後、うつの方が仕事をしていく上で役に立つ情報を随時発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

およそ10~15人に一人が生涯にうつ病を経験すると言われている ほど、身近な病気であるうつ病(ヤンセン社ホームページより)。
うつ病やうつ症状を抱え、仕事を休職、退職される方は少なくありませんが、一時的には休養が必要であっても、多くの方が回復し、再びうつ病と付き合いながら働くことを選択しています。

今回は、世間ではあまり語られていない「うつ病のある方の採用」について実際の採用担当者の本音、採用ポイントをまとめました。

企業の人事、採用担当者の本音とは?

採用担当者が見ているポイントのイメージ

現在精神障がい者 の採用は企業にとって特別なことではなくなってきました。しかし、採用しても短期間で退職されてしまう経験をした企業は多く(2008年時点では約50%が1年以内に離職※) 、「どうしたら長期的に就労してもらえるのか」、「本当に今採用して大丈夫か」どうかを慎重に見る企業が多い傾向にあります。

(※NIVR 「精神障害者の職場定着及び支援の状況に関する研究 調査研究報告書No117 .p47」参照)

病気の事を伏せていたとしても、前職を退職した理由は必ずと言ってよいほど聞かれるポイントです。退職後のブランクがあればその期間についてもどんな理由で何をしていたのかは確認されると思ってよいでしょう。この理由の中にあいまいな部分やつじつまの合わない内容が含まれると、病気の事を伏せていたとしても、次の選考に進めるには懸念が残るケースが多いです。

それだけ、採用側は採用した方には長期的に働いてほしいと思っているのです。では、うつ病であることを伝えた場合の面接の場面ではどの様なポイントを採用担当者が見ているのでしょうか。

採用面接で採用担当者が見ている3つのポイント!

面接風景

ポイント1:体調は安定しているか?

前述のとおり、企業は採用しても短期間で退職されてしまうことを避けたいと考えています。まず企業が気になるのは、入社後の勤怠が安定するかどうかです。何らかの体調が安定しているという実績(例えば、アルバイトやリワーク施設、就労移行支援事業所等に会社と同じスケジュールで通えているといった実績 )あると説得力が増します。


ポイント2:体調や病気について本人がしっかり理解し、受け入れられているか?

長期的に働いて頂くために、会社側も必要な配慮は行いたいと考えています。必要な配慮を行うために必要なのが、うつ病に関する自己理解です。うつ病は周囲からは見た目ではわかりづらいものであるため、成果や効率を求められる職場環境の中で周囲が必要な配慮を推し量って対応することに困難さがあります。

そのため、本人から必要な配慮を申し出て頂くことが必要です。よくある事例としては、「必要な配慮はありません。通院時のみ早退させてください」と仰る応募者も多いですが、逆に「体調や病気について本人がしっかり理解していないのでは」と懸念されることもあります。ご自身の体調悪化時の症状や悪化の予兆、対策、そして必要な配慮をまとめておくことをお勧めします。特に、体調悪化の予兆に早めに気づき、自身で悪化し過ぎないような対策がとれているということを伝えられると良いでしょう。


ポイント3:採用後、配属先が本人の希望する配慮事項を実施できそうか?

必要な配慮を伝えていくことが必要と先述しましたが、過度に必要な配慮を伝えると配属先が見つからないケースもあります。ご自身と会社のどちらにとっても負担が掛からないバランスで、自身でできる取組み(体調悪化の予防、対策)と配慮を整理して説明することをお勧めします。このバランスを取るためには、第三者の意見を取り入れることが有効です。

では就職活動をすすめるにあたってどうしたらよいのか…

通所型施設のイメージ

精神科デイケア、リワーク施設や就労移行支援事業所といった通所型の施設(※)があります
※就職や社会復帰を目的として施設に通いながら生活リズムを作ったり、就職のトレーニングを受ける施設。就労移行支援事業所は福祉サービスの一つ。利用にはいくつかの条件はありますが、居住地の役所で手続きをすることで多くの精神疾患の方が利用することが利用することができる施設です。

同様の病気を経験している当事者同士の交流や情報交換から自己理解が深まり、通所型かつ集団の中で行動する施設であることから、通勤訓練、集団の中での緊張や人間関係のストレス対処も身に付き、会社同様のスケジュールであっても体調を安定させられるという実績をつくることができます
(例えば、シゴトライでは出席の実績や体調の安定度合いを第三者が証明するプロフィールシートという書類を発行し、就職活動時、履歴書等とともに提出いただけるようにしています。)

就労移行支援事業所は全国に2700か所 程あるようです(平成25年12月時点)。運営団体は福祉法人の他、NPO法人、株式会社等様々な形態があります。特色もさまざまなので自分にあった事業所を探してみてはいがかでしょうか。

ご自身の体調や病気について理解し、受け入れる事は簡単ではありません。入退院を何度も繰り返し、ようやく理解できたという方も少なくないのです。目に見える形で確認のできない症状や状態であることから、なかなか理解ができなかったり、受け入れられないというのは精神疾患を経験されている方に共通する悩みかもしれません。
同様の経験をし、ともに就職を目指す仲間ができることも通所型施設を利用する大きなメリットの一つといえるかもしれません。

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ライター うつ症状のある方向けサービス シゴトライ

うつ症状の方向けの就職支援サービス。就職のためのスキルアップ研修や、安定就労のためのストレス対処法などのノウハウを活かし、うつ症状の方に関わる情報を発信していきます。

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http://www.45try.jp/

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