うつ病の私が彼氏にされて嬉しかった3つのこと
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ライター:Cyndi
こんにちは。うつ病ライターのCyndiです。
突然ですが、うつ病患者だって人間ですから、恋愛ってしますよね。どちらか、あるいは両者がうつ病患者のカップルも、健常者同士のカップルと同じく、お付き合いを続けていく上で苦しいこと・楽しいことを両方経験するでしょう。ただ、それにはうつ病のような精神疾患を持っている人ならではのものもあるのではないかと思っています。
私はうつ病を発症してからも複数名の男性とお付き合いをさせていただき、たくさんの優しさをもらいました。うつ病の恋人を持つあなたへ、「こんなことをしてもらって嬉しかった」という体験談をお話します。
1. 外出と外出の間に睡眠を取らせてもらった
私がうつ病で最も困っている症状はとにかく疲れやすいこと(体力低下)です。
その日は遠距離恋愛の彼氏が大阪から東京に来てくれていて、1日中東京観光をしていました。喜んでもらいたくて一生懸命だった私は案の定疲れ果ててしまい、自宅に帰って爆睡。
その日に帰阪予定だった彼氏は私を起こさずに、隣で一緒に眠ってくれていました。
彼氏は健常者でしたが、あれも出来なかったこれも出来なかったと泣く私に、気にしないでいいよといつも言ってくれました。それでも言葉だけでは足りなくて、自分を責めてしまうのがこの病気。この時は、一緒に眠ってくれるという行動が結びついたことで、罪悪感が減り、感謝の気持ちが大きくなりました。
Point:言葉だけでなく行動で「うつ病の症状が出てしまっても大丈夫だ」と示すこと
2. 食事を摂れないでいたら、料理をしに来てくれた
私はうつ病の症状がひどくなると、たびたび食事を摂れなくなります。食べられるならアイスでもケーキでもシリアルでもなんでもいいから食べなくちゃ、だめなら水分だけでも、と思えば思うほど、体は自分に食べない罰を与えようとします。
いつもはひたすら耐えていたのですが、ある日近所に住む彼氏にSOSを出したところ、すぐに野菜とお肉を買ってきてスープを作ってくれました。
大好きな人と一緒にいて、目の前にはあたたかい食べ物。不思議と体も「生きたい」と言い出したように感じ、スープを少しずつ口に運ぶことができました。まずはスープを食べられるだけ、その次はコンビニまで出かけて好きなものを、そして最後は自炊。自炊が全てではないですが、彼氏の料理のおかげで回復できたと感じたエピソードでした。
Point:SOSは勇気を出してしている。余裕がある時だけで良いので応えてあげること
3. 汚い私を抱きしめてくれた
うつ病の症状がひどく、寒い時期だったとは言え、2~3日ほどお風呂に入れない日がありました。顔周りの髪の毛は涙でバリバリ、体もそろそろ違和感が出てきて、シャワーを浴びたい頭の中と浴びられない体が常に喧嘩をし、私は疲弊しきっていました。
この酷い状況を彼氏に正直に話したところ、彼氏はすぐさま駆けつけてくれて、号泣していた私を当たり前のように、真っ先に抱きしめました。
「汚いよ?」「いいの」「涙で濡れちゃうよ?」「いいの」というやりとりをして、私はしばらく泣いていました。ずっと泣いてこそいましたが、不安の涙から安堵の涙に変わっていったのを覚えています。
この時の彼氏は双極性障害II型の当事者でした。自分が鬱転した時の辛さを知っているからこそ、泣いている理由も聞かずに、甘えさせてくれたのかもしれません。
Point:自分が「ダメ」な状態なことは自分が一番分かっている。たまにはそれも受け入れてほしい
まとめ:「病気のせい」と開き直ってくれると嬉しい!
うつ病の自分と付き合っていると、毎日のように「自分はこんな症状でダメだなあ」「自分はクズみたいな人間だなあ」と思います(そして実際、ダメだったりクズになってしまっていたりします)。
そんな恋人を捨てるか、工夫して付き合っていくかはパートナーの方次第です。工夫して付き合っていく方を選んだ方には、ぜひ私の体験談と嬉しかったポイントを参考に、うつ病患者の恋人と向き合っていただけると幸いです。
でも、特に健常者の方には、うつ病がどういうものか分からないですよね。自分が体験していないことは分かるわけがありません。その時に覚えておいてほしいことは、どうか良い意味で「病気のせい」と開き直った対応をしてくれると嬉しいということです。
といっても、病気のせいだとわざわざ口に出す必要はありません。
恋人が泣いていたら「あーあ、うつ病が大事な恋人を泣かせてるよ、自分が泣き止ませてやらないとなぁ」と考えて行動する。
恋人がデートに来れないと言ったら「まぁうつ病だもんなあ、仕方ないか」。
恋人が死にたがっていたら「困ったなあ、うつ病が恋人を死なせようとしているよ、どうやって止めようかなあ」。
こんな風に考えてくれると、うつ病患者のパートナーとしての心の負担も減っていくと思います。
全てのうつ病患者とそのパートナーの皆さんの未来が明るいものでありますように!
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ライター Cyndi
うつ病&ADHD当事者のフリーライター。精神障害者保健福祉手帳3級(うつ病)所持。新卒入社したベンチャー企業を5ヶ月で休職→退職し、仕方なく翌年よりフリーライターとして独立。うつの人が集まる「うつバー」不定期主催。
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