バリアフリー(音声ガイド版)の映画「舟を編む」を、アイマスクして観てみた!
この記事を共有
ライター:Media116編集部
皆さんこんにちは。Media116編集部です。
前々回は、バリアフリー映画「信長協奏曲」(聴覚障がい者向け)をレポート、そして前回はフリーの字幕制作ソフト!をご紹介しましたが、記事は読んでいただけましたでしょうか?
まだの方はぜひこちらから
バリアフリー字幕版の「映画 信長協奏曲」を耳栓付けて見てみた!
バリアフリー字幕映画を借りに行ったら 「龍三と七人の子分たち」と「愛を積むひと」の2択だった件
さて今回は映画レポートの第二弾として、視覚障がい者向けバリアフリー映画を観てみました。(残念ながら、今回は映画館ではなくDVDでの視聴となりましたが・・・)
今回視聴した映画は「舟を編む」。
第37回日本アカデミー賞 最優秀作品賞他6部門を受賞したアノ名作です。
舞台はとある出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書を作るために配属された元営業部員の奮闘する姿や、純粋な恋愛がその背景にみられる(目で観ていないのですが)、感動ドラマ。
ご興味のある方は、ぜひ観てみてください。
「舟を編む」
バリアフリー映画を探す手段で新たな発見が!
ちなみに前回の記事でも触れましたが、バリアフリー映画を探すのに結構編集部では苦労していました。が、今回こちらを視聴した際に、以下の情報を得ることができました。
株式会社住友商事 「バリアフリー映画の取り組み」
こちらの企業様では、CSRの一環として、2004年から映画のバリアフリー化に取り組んでこられており、視覚障がい者向けの「音声ガイド」や聴覚障がい者向けの「日本語字幕」を付けた作品を制作し、全国各地の上映館でバリアフリー版作品を鑑賞できる機会を提供してくれています。(映画が始まる前のアナウンスで知りました)編集部はこちらの取り組みを知らなかったことを猛省し、もっともっと皆さんに良い情報をお届けできるよう、精進してまいります。
読み聞かせの小説を読んでいるような気分に!!
では、早速体験レポートです。
私はせっかちなほうで、いつも打ち合わせをしていても「結論から言って!」とか「本質は何かな?」とかすぐに言ってしまう人間でして、早速結論から述べさせていただきたく。
感想は一言で言うと、(既にタイトルにも書いてしまっていますが)
「感情表現豊かに、登場人物から読み聞かせをしてもらっている小説だ!」です。
私は外見からは(分からないと思いますが)本を読みそうにない!とかよく言われますが、長距離移動中の新幹線の中や、趣味でよく行く温浴施設(いわゆるSPAですね)には必ず文庫本を持っていく位小説が大好きでして。
ちなみに昨年も大ヒットした池井戸潤さんの金融シリーズや、高杉良さんの企業小説、最近だと奥田英朗さんの家族モノがHITですね。
話がそれましたが、、
ナレーションというか、「そこで○○が入ってくる」~「台詞:なんでだよっ!」といった感じで、テンポよく聞くことが出来ますので、分かりにくいとか、理解できないといったことは全くありませんでした。
ただ登場人物を整理するのには、多少大変でした。ビジュアルがない分、固有名詞を毎回ナレーションで伝えてもらえるのですが、映画のはじめは誰が誰だか分からないまま聞いていました。
漫画の実写化の賛否、その気持ちが痛いほど分かる!
ただ、途中まで進んでくると、声で分かるようになります。今回は俳優さんというか登場人物がそこまで多くなかったのでよかったのですが、声で「あ、○○の台詞だ!」といった感じでナレーションがなくとも分かるレベルにまで達しました。
今回はDVDのパッケージを見ていたのでそこまでずれはしなかったですが、声、口調でなんとなくですが勝手に「こんな俳優さんかな?」といったイメージを持って観ていました。(最後に登場人物を整理したら、多少「イメージと違うっ!」という方はいましたが)
いわゆる漫画や小説で勝手に声優さんや俳優さんをイメージしてしまうのと同じでしょうか。
もっともっと作品が増えれば!
今回、実は家内と一緒にこの映画を観ていたのですが(当然家内は普通に観ています)、ナレーションは全く気にならなかったと言っていました。なので一緒に楽しめることは十分に可能だと感じましたので、ぜひ皆さまもご家族でお楽しみいただきたいな、と思います。
また、我々が探す手段を知らない現実はあるものの、前回の聴覚障がい向け映画、今回の視覚障がいの方向けしかり、まだまだ作品数が少ないな、と感じました。
今後もっともっと対象となる作品が増えていって欲しいと思いますし、作品が増え、且つ映画というエンタテインメントをもっともっと楽しめる素地を作っていきたいと感じましたので、より多くの情報を今後も発信していきます。ご期待ください!
この記事を共有
ライター Media116編集部
障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。
- ブログ
- 公式HP
- https://www.media116.jp/
おすすめ記事
-
2024年8月30日
一つじゃない 第22回
-
2024年8月9日
年越しスリランカ旅byチョイノリ
-
2024年7月24日
一つじゃない 第21回
-
2024年7月19日
脳性まひのある私が、重度訪問介護の利用で一人暮らしをして、はじめてコンビニに行った話
-
2024年7月4日
一つじゃない 第20回
-
2024年6月25日
インドの食文化と日常生活
-
2024年6月4日
山梨県から届いた嬉しいニュース!「難病者の働く」が世の働き方を変える
-
2024年5月10日
インド旅の1日紹介
-
2024年3月22日
「見えない障害」を伝えるために、当事者の声を冊子にする言語聴覚士・多田紀子さん
-
2024年2月16日
趣味も美容も仕事も「やりたいことを犠牲にしない」。当事者に聞いたセルフ透析のメリットとは
-
2024年2月9日
フィンランド大使館主催の映画『ブラインドマン』上映記念レセプションに参加しました
-
2024年2月1日
障害者は単独行動しないもの? 時代遅れの鉄道の障害者割引
-
2023年12月25日
一つじゃない 第18回
-
2023年12月8日
インドの障害者施設inコルカタ(障がい者自転車放浪inインド編④)
-
2023年11月24日
海外へ渡った車イスの男性が出会ったオリーブオイル。その販売に挑む理由とは