レンタル彼氏は精神障がいのある私の心を癒してくれるのか!?検証してみた!
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ライター:わに
みなさんこんにちは!てんかんと闘いながらゼネラルパートナーズでライターをしているわにです。私はてんかんが起因の「器質性気分障がい」があります。鬱状態になり落ち込みが酷くなると動けなくなってしまったり、逆に爆発してしまうことも…。現在は服薬とセルフコントロールの術を身に着けて急な気分のアップダウンは少なくなってきました。しかしやはりオチてしまった時には誰かに頼りたくなります。そんな時に話を聞いて頷いてくれる人がいたら…ついでにイケメンだったら…(下心)そして私は見つけてしまったのです。「レンタル彼氏」を!!!前置きが長くなりましたが、今回はレンタル彼氏は精神障がいのある私を癒してくれるのか?検証してみました!!
「レンタル彼氏すげぇ…」語彙力を失う破壊力
早速私はレンタル彼氏探しを始めました。どの彼氏なら心が癒されるのか…年下で可愛い系を選んで若いエネルギーをもらうか?…否!!ここはやはり包容力のあるお兄ちゃん系でしょう!ということで私よりちょっと年上のユウヤくん、君に決めた!
利用したレンタル彼氏派遣の会社では彼氏にもランクがあり、金額にも差があります。利用時間は最低2時間から。レンタル2時間分と彼氏の出張費、加えて飲食代…合計で2万円弱でした。結構お高い。この時点で「リピートはないな。とりあえず2時間楽しんでみよ。」という気持ちでした。
申し込む際に「レンタル彼氏と何がしたいか?」という欄があったので「身の上話を聞いてほしい」というオーダーを。1対1、対面2時間の会話…レンタル彼氏側考えたらおでかけデートしてた方が多分ラク。しかしここはレンタル彼氏のポテンシャルを見極めようじゃないか!!
待ち合わせは居酒屋の半個室。時間ピッタリにカレが現れた!!
「はじめまして」とにこやかに入ってきたカレは高身長のさわやかイケメン。「こんなイケメンと2時間缶詰かよブヒィーー!」とBBA大慌て。
「は、はじめまして!わにと申します。本日は貴重なお時間を頂き有難う御座います!」と取引先かという挨拶を済ませ、レンタルがスタート。
カレ「俺さっき入ってきてね、こんな綺麗な人と飲めるんだって思ったら嬉しかったんだ(ニコッ)」
BBA「はっ?…あまーーい!料課金されますか…?」(金の心配しかしていない)
軽い雑談を30分程してお酒も回ったところで突然カレがこう言いだした。
カレ「いっこだけお願いがあるんだけどさ……俺の隣きてほしいな?」
BBA「ブヒィィィィーーーーー!!!!無理でしゅ無理でしゅ私臭いから!!」
カレ「おいで(スッ)」
無理強いはしないけど腕を広げて待つ強引さ。
レンタル彼氏すげぇ…(語彙力)
あなた一体どんな教育を受けてきたんですか?ハニートラップ専門のロシアの諜報員とかだったんですか?
暴露魔法?恐れ入るレンタル彼氏の傾聴力の高さ
隣に座ると「話を聞いてほしいってことだったけど、どうかしたの?」と優しく話しかけるカレ。
「ええとですね、まずあなたをお呼びたてした経緯といたしましては…(謎)」緊張しすぎて経緯から話しだす。
仕事の話から家庭の話に段々とシフトしていく。自分では特に大きな悩みはないと思っていたのだけれど、あまりにカレの会話の流れがうますぎてポロポロと愚痴が口からこぼれだす・・・!なんなら他の人には話さないような過去辛かった話とかまで口をついて出る。
(私こんなことまで話すはずじゃなかったのに・・!暴露魔法使ってるのか!?)
そして私が障がいについて切り出す。
「私障がいがあるんだ。理解のない人もいて、それで辛い想いをしてきたことも多くて…」
とひとり語りを始める。
うんうんと頷いて話しを聞いてくれるカレ。一通り話し終えると
「言葉を失うよ。そんな人達がいるなんて論外だし、世の中で一般的な人じゃないよ。だからそんな言葉に傷つかないで。」
『そんな言葉に傷つかないで』という言葉がとても印象的で、嫌な思い出だったことがその言葉一つで救われたような気持ちになったのです。
こちらの記事で書いた話をした時には
「ここはあんたみたいなのが座るところじゃないんだよ!」と怒鳴られたので、優先席の対象が誰なのかJR東日本に問い合わせてみたところ・・・
「その人はきっと自分が幸せじゃないからそういうことをするんだね。自分が満たされていないから、人に当たり散らさなきゃ生きていけない人なんだよ。そういう人は相手にしない、近寄らないことだよ!」
「まじかよありえねーな!」とかではなく、私を傷つけた人達はどんな人物だったのかまで想像して、傷を癒すような言葉をかけるテクニックには恐れ入りました。
そして結婚の話になり、
「自分に障がいがあることで相手に迷惑をかけてしまうことがあって、申し訳なくなる」と言うと
「変に気にして遠慮することって、果たして相手にいいことなのかな?わにちゃんが卑下することが二人にとっての幸せじゃないかもしれないよ。だって結婚って、困った時には助けるつもりでするもんなんだから。」
カレの答えにはハッと気づかされることばかりでした。自分では気にしていないと思っていたことでも、実は心の奥底でくすぶっているものがあったのだと気づかされました。そして話し終えたころにはそのくすぶりも消えて、飲む酒が一段と美味しく感じられたのでした。
否定されない安心感と肯定される充実感
今回体験してみて感じたレンタル彼氏のすごいところは「傾聴力」「共感力」「肯定力」の3つが備わっているということ!
どんな話でも嫌な顔一つせず傾聴してくれ、こちらの話の腰を折らずベストなタイミングで共感の相槌を打ってくれる。そして何より私自身や私の話すことを全て肯定してくれる!レンタルした2時間の中で「でも」「それは」など否定的な言葉は一度もありませんでした。
誰にでも、アドバイスが欲しいんじゃなくただ誰かに気持ちを聞いてほしい時はあると思います。でも相談相手によっては(相手は良かれと思っているけど)落ち度を指摘されたり、もっとこうしなきゃ!と尻を叩かれちゃうパターンもあったり…。けれどレンタル彼氏はただただ話を聞いて、共感の言葉をくれて、自己肯定感を保ってくれる。それがたった2時間だったとしても3泊4日屋久島にでも旅行に行ったかのような癒しになったのです。
相談事にもってこい!の「他人」
よく身近な人に相談するのがいいと言いますが「重いと思われるんじゃないか」とか、「この人にこの話はできないな」とか、「もし話が伝わってしまったら…」など身近であるが故の制限があって心の底からぶちまけることはなかなかできないですよね。
そんな時に後腐れない他人、そして守秘義務を守ってくれるレンタル彼氏は相談にうってつけ!洗いざらい気持ちを言葉にして、共感してもらって、イケメンに褒め倒されてイイ気分になって「じゃあね!」とサラッと別れることができるのです。
ちょっとお高いですが「相談料」+「自己肯定感を得る料」+「トキメキ料」の3セットと考えたら鬱憤がたまった時に利用するのはいいかもしれないと思いました。
結論:レンタル彼氏は正義!!!
しかしながら危ない薬をキメたかのように数日間ぽーっとするくらい中毒性が高すぎるので要注意です。…でも、幸せな気分になって「よし、今週もがんばろう!」「干からびていた女としての魅力を取り戻そう!」などなど、前向きな目標が考えられるようになるならその2万円には十分な価値があるのかもしれないと思ったのでした。
ちなみにレンタル彼氏側から気に入ってもらったら課金なしのプライベートアフターもあるそうですよ…信じるか信じないかはあなた次第…!(小声)
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ライター わに
17歳の時に側頭葉てんかんを発症、精神障害者手帳2級の障がい者。 酸いも甘いも経験してきた熟れ時アラサー女子。 「全力で働き全力で遊ぶ」がモットー。 誰彼構わず噛みつき周囲をヒヤつかせるため「わに」。 過激な記事を投稿しようとし編集長に止められるのが日課。
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