意外と知らない?あのコンビニATMがユニバーサルデザインだったと話題に・・・
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ライター:Media116編集部
当たり前ですが、生活していくには“お金”が必要。その“お金”を管理するために自宅や会社近くのコンビニATMを利用している方も多いのでは?しかし、障がいによってはATMを利用することが結構大変とのこと。
今回はユニバーサルデザインのコンサルティングを行うベンチャー「株式会社アーチャレジー」の代表で、ご自身も視覚障がいがある安藤将大さんに、障がい者におすすめのコンビニATM情報を教えてもらいました。
銀行でお金を管理するのは結構大変
「銀行ATMでお金を管理するのは、当事者にとっては結構大変なことだったりしますよね。
視覚障がい者の場合、画面が見えない人はATM横にある受話器を使って操作します。受話器からは自動音声ガイダンスが流れ、操作したい内容をダイヤルキーを使って指示します。よくコールセンターに電話を掛けた時に流れてくるガイダンスと同じ要領です。
ただ、この音声操作には欠点が…。入金や残高照会はできますが、肝心の振込などの複雑な操作ができない。
画面が見える程度の視力でも、近づいて見ると画面の周りが暗くなったり、詐欺の注意喚起やらカードローンの宣伝やらで、中々スムーズに操作できなかったりします。
加えて、銀行によっては暗証番号を打つときに表示される番号の並び順が変わるので、間違えて押すこともしばしば。操作を間違えるたびに一からやり直さなければいけないので、かなり時間がかかってしまうこともあります。こんなときに音声ガイダンスと画面操作を併用できると便利なのですが、画面に触れた瞬間、受話器から聞こえていた音声ガイダンスは切れてしまいます…。
また車いす利用者の場合、大抵の現金受取口やカード・通帳挿入口は画面の奥にあったり、ATMによっては荷物台が手前に設置されていたりするため、手が届かないということも…。
さらにATMの両側にある除き見防止パネルが大きいと、それが邪魔で、そもそもATMに車いすを横付けすらできないこともあります。やっと手が届いても、ATMの画面は横から見ると表示が見えないようになっているので、操作するのも一苦労です。
「そういえば・・・」と心当たりがある当事者の方も多いのではないでしょうか?」
ユニバーサルデザインで有名なセブン銀行
「そんな中、真っ先にユニバーサルデザインを取り入れたのがセブン銀行のATMです。いろんな障がい者が開発に関わったそうで、とても使いやすいデザインになっています。
まず音声操作が簡単に行えるようになっていて、色々な操作に対応しています。そして弱視の人にとって嬉しいことに、画面が明るく、表示されるボタンもコントラストがはっきりしています。
現金受取口やカード挿入口、数字キーなどは画面より手前にあり、とてもコンパクトにまとまっていて、車いすに乗ったままでも操作が可能です。
そして注目したいのが数字キー。とても押し心地がいい!
従来の銀行ATMではポケットサイズの電卓のような小さなキーでしたが、セブン銀行のATMはパソコンのキーボードを思わせるようなキーになっています。これなら指先の細かな操作が苦手な人でも確実に数字を入力できます。
このような細かい配慮は、当事者が開発に関わってこそ成せる業ですよね。
最後にもう一つ嬉しいのは、条件によっては他銀行カードでもATM手数料が無料になること! これなら他の銀行口座でも全国に2万2千台あるユニバーサルデザインなATMの恩恵にあずかれるわけです。」
最近話題のE-netのATM
「そして最近、E-netのATMも数年前からユニバーサルデザインなっていたんじゃないか?という話が障がい者の間で話題になり始めています。なんでも、誰かが試してみたら音声ガイダンスで操作できたんだとか…。障がい者でも使いやすいATMが1万3千台も加わったのは大きい!
このように、ユニバーサルデザインであることが知られていないケースもあり、当事者ですら気づかないうちに便利になっているものが身近にあるんですね。」
いかがでした?ユニバーサルデザインのコンサル目線のオススメATM情報。ATMの利用は日常的なハナシなので、会社や自宅近くのコンビニでより使いやすいATMを開拓してみては?
お近くのコンビニATM、試してみたら意外と音声ガイダンスで操作できたりして・・・。
▼株式会社アーチャレジーのホームページはコチラ
株式会社アーチャレジー
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