当事者が語る「自分を落ち込ませてしまう行動」3つ
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ライター:Media116編集部
こんにちは!Media116編集部です。皆さんは無意識的に自分で自分を落ち込ませる行動をしてしまうことはありませんか?今回は障がい当事者の方がリアルにしてしまう自分を落ち込ませる行動について、解離性障がい当事者で現在在宅ワーカーとして働かれているNさんにお話を聞きました。そしてその中で特にNさんが困っていた行動とその対処法を3つご紹介します。
1.インターネットで自分の障がいについて検索する
「本当に元気がないときは布団から動くことが出来ません。そんな時、手元にあるスマホで自分の障がいについて調べてしまい落ち込んでしまいます。」そう語るNさん。
「調べない方がいいと思ったこともありますが、自分の病気が周りからどう思われるのか無性に気になってしまい、ネガティブな感情が先立って調べてしまうんです。同じ障がいの人は落ち込んだ時どういう行動をしていたかなどを調べていたはずなのに、障がいに対して批判的なコメントを見てしまい落ち込んでしまうことがあります。」
インターネット上では様々な情報が飛び交っていて、必要とする情報を検索していたにも関わらず不意に自分を傷つけるような情報にも当たってしまうことがありますよね。そんな時、彼女は気持ちを持ち直すために好きなモノの写真や雑誌を眺めると言います。
「ちょっと動けそうなとき枕元に置いておいた雑誌を流し読みします。文章を読むのが辛いときは、ただぼーっと写真を眺める。それだけで少し気分が晴れます。」
それも難しい時には小さめの音量で音楽を聴くなど工夫をされているそうです。スマホは無数の情報も得られ、他人ともつながることができる便利なツールですが、使い方によっては自分を落ち込ませてしまうこともあるのですね。
2.自分を責め過ぎてしまう
Nさんが自分を責めてしまうパターンは2つあると言います。ひとつはうつ症状があらわれた時に「あの時ああすればよかったのに!自分はなんてダメなんだろう…」と昔のトラウマや嫌だった時のこと、失敗したことを思い出して自分を責めてしまうというパターン。
もうひとつは「HELP」を出せなかった自分を責めてしまうパターンだと言います。生活をしていて体調が悪く動けない時、何もしたくない時…家族や友人、周りにいる人に対して遠慮をしてしまい体調不良を訴えることができず、結果無理をしすぎて更に体調を悪化させてしまうことがあるそうです。
自分を責めて気分が落ち込んでしまった時には紙に気持ちを書き起こすようにしているとのこと。最初は気持ちを殴り書きで書いてみて、落ち着いてきたら何が原因だったのか、それは自分だけの問題なのか、次こういったことがあったらどうすればいいかなど「原因・現状・対策」を詳しく書き出すそうです。
きちんと自分の気持ちと向き合い、今後のことを考える行動を起こせる彼女はとても強い女性なのだと思いました。
3.気晴らしになるかもと体調を鑑みず動く・人と会う
Nさんは元気のない時や落ち込んでいる時に、外出をしたり人と会ってみたりすることがあったと言います。「その時は、動いてみたら気晴らしになるかも、人と話したら考えが変わって楽しかったな、で終わるかもと思うんです。」
しかし頭では無理に外出したり人と会うことで落ち込みのリバウンドがくるとわかっていると言います。「実際は外出すると人混みで気分が下がる、人と会うと気疲れする…こういう時私は記憶がなくなってしまったり、人格が変わってしまったり…尚更病状を悪化させてしまいます。」
そんな時にはなるべく家から出ないように心がけるそうです。例えば外出をする代わりにベランダで空気を吸う等、慣れた環境で安心して過ごせる範囲内でできる気分転換をするとのこと。まずは落ち着くまで家でゆっくり過ごしてみて、落ち着いたら近所を歩いてみたりという工夫をしているそうです。
落ち込んだ時にどう気持ちを持ち直すか、自分なりの工夫を持っていると強いですよね。
焦らず、ゆっくり、対処をみつけて
彼女は最後に読者の方に一言、こう伝えたいと言いました。
「自分を落ち込ませるきっかけは思いもよらないところにあったりしますよね。それに遭遇した時に最初は焦るかもしれません。でも、目の向け方や対策は自分に合ったものがきっと見つかると思うので、焦らずゆっくり対処を考えていけたらいいと思うんです。」
Nさんの仰る通り、焦らずゆっくり、落ち込みに対しての自分なりの対処をみつけて気持ちをコントロールすることはとても大切だと思います。そして何より、対処法を考えることによって自分の障がい特性と向き合う時間は、きっととても価値のあるものになるでしょう。
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