【障害者採用での転職】障がい者専門の人材紹介会社って一般の人材紹介会社と何が違うの?
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ライター:ヒラノオツボネ
みなさんこんにちは!ヒラノオツボネです。私は通常の人材紹介会社を経験した後、障がい者の方専門の人材紹介会社「ゼネラルパートナーズ」にてキャリアアドバイザーを務めてきました。前回「人材紹介会社とは何か?」ということをお伝えしましたが、今回は通常の人材紹介会社と障がい者専門の人材紹介会社の違いを書いていこうと思います。
障がい者専門の人材紹介会社ってどんなところ?
障がい者専門の人材紹介会社は、障害者手帳をお持ちの方、または障害者手帳を取得予定の方を対象として企業からお預かりしている障害者採用の求人をご紹介する有料人材紹介会社になります。
求人をお預かりしている企業も障がい配慮を前提として採用を考えていますので、障がい配慮を受けつつ障害者採用で活躍したいという方にマッチします。
お仕事をあっせんするという点においては、大きくは通常の人材紹介会社と仕組みに変わりはありませんが、普通の人材紹介会社にはない特徴がいくつかありますので、そのポイントを次でご紹介します。
大手企業の非公開求人が多い
障がい者の法定雇用率が年々上昇していることに伴い、企業側は障がい者の採用を強化しています。特に大企業であればあるほど多くの障がい者を採用する必要があるため、その傾向は顕著に現れます。つまり、障がい者専門の人材紹介会社に求人を委託するのは必然的に大手企業が多くなるという事です。
大手企業はそのネームバリューゆえにインターネットなどで募集をかけてしまうととんでもない数の応募者が集まってしまいます。特に大手企業の人事担当者は大変忙しいので、その応募者全員を選考することが時間的に難しいのです。そのため人材紹介会社へ依頼し、非公開求人として企業の要件とマッチする求職者にのみ求人をご紹介する、という「非公開求人」の形を積極的にとっているのです。
紹介求人は事務系職種の割合が大きい
現状、企業からお預かりしている案件の多くは事務系職種となっています。ここでの「事務系職種」の意味としては、事務職や人事・経理・総務などのバックヤード業務を指します。理由としては障がい配慮を考えた際に、外回りや目標数字のプレッシャーが発生する営業などに比べ体調的にもメンタル的にも負担が少ない職種で長く活躍してほしいという企業の思いがあります。
弊社でも事例がないわけではありませんが、逆にこれまでの経験を生かして事務系職種以外で活躍したい!という方にとっては、現状では多くの求人をご紹介することは人材紹介会社によっては少し難しいかもしれません。
障害者採用では未経験で応募できる事務系職種も多くあるため、これまでブルーカラーとして体調的に無理をして働いてこられた方にとってはホワイトカラーになれる良いチャンスになるかもしれません。
体調を鑑みて契約社員スタートの案件が多め
現状では正社員スタートの求人はまだ少ない状況です。多くは契約社員、または正社員登用のある契約社員スタートの求人になるかと思います。なぜ正社員スタートの求人が多くないのか?あくまで理由の一つではありますが、企業側としては契約社員としてまずは負担の軽い仕事からだんだんと無理をせずに仕事に慣れてもらい、体調の安定を鑑みながら正社員を目指してほしいという思いがあります。
障がい者枠ではご年齢が高くても転職成功の可能性が高い
前段で私は通常の人材紹介会社にて勤務していたと申しました。最近ではその傾向も薄れつつあるのかもしれませんが、その当時障害者採用以外での転職において大きなネックとなっているのは「年齢」でした。長期勤続によるキャリア形成の観点などの理由などから、一般的に基本的に35歳を過ぎると転職が難しくなる傾向があります。
しかし、障害者採用の大きなメリットは「年齢があまり重要視されない」ということです。実は私がキャリアアドバイザーをしていた時にも58歳の男性がご転職に成功されました。極端な話をすると、障害者採用では60歳を過ぎた方でも転職先が決まる可能性があります。
通常の転職と違い、障害者採用では年齢が高くとも転職成功の可能性が高いのです。
障がいに関して知識のあるキャリアアドバイザーが専任になる
障がい者専門の人材紹介会社の良いところは、キャリアアドバイザーが障がいに関する知識を備えていることです。障がいについての講習を受けたり日々何名もお会いする中で知識を積み重ねているので安心して障がいについて話すことができます。
また、会社によっては臨床心理士などの資格保有者も在籍していることもあり、一層安心感があります。
専任のキャリアアドバイザーが必要な配慮や障がい状況について理解してくれる
以前、人材紹介に関する記事でも書きましたが、障がい者専門の人材紹介会社でもお客様のお話をよく聞いた上で「キャリアシート」などと呼ばれる紹介状と、お人柄やご経験をキャリアアドバイザーが企業へご推薦する文章を載せた「推薦状」などと呼ばれる書類を作成します。
一般の人材紹介会社と違うのは、キャリアシートの中に障がいについての記載を含むことです。例えば発病(受傷)のきっかけから回復までの経緯、現状のご体調、必要な配慮などです。
「えっ!?そんなことまで話さなきゃいけないの!いやだ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし理由なくお伺いしているわけではなく、ご体調や配慮事項などをしっかりと文面にして企業へ伝えることで入社後のミスマッチを防ぐためのものです。
逆に言うと、大変残念ですが障がい状況について人材紹介会社には一切話したくない、という方は障がい者専門の人材紹介会社では求人のご紹介はできません。その場合には一般的にインターネットやハローワークで公開されている求人へ直接応募されるのが良いでしょう。
入社後のミスマッチをなくすためのフォロー体制が充実している
多くの障がい者専門人材紹介会社では、入社後のアフターフォローを大切にしています。例えば障がい上周囲との関係がうまくいっていない、任せられている仕事量が障がい上できる範囲を超えてしまっている、などご自身では解決が難しい状況であれば人材紹介会社が企業と求職者の間に立って解決に向けて調整をいたします。安心なのは、事前にキャリアカウンセリングの際に障がい状況や必要な配慮についてキャリアアドバイザーにお話しを頂いているので、キャリアアドバイザーがしっかりと求職者の障がいやご状況を理解した上で間に立ってくれるということです。
まとめ
さて、ここまで読まれてみて障がい者専門の人材紹介会社の仕組みについてお分かりになられましたでしょうか?人材紹介会社は世の中にゴマンとあり、その中からご自身に合った紹介会社を選ばれるのは難しいことと思います。その際には何社か併用して使ってみたり、同時にインターネットやハローワークなどの公開求人も並行して応募してみたりなど、工夫をしてみてくださいね。皆様のご活躍をお祈りしています!
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ライター ヒラノオツボネ
これまで一貫して人材紹介会社にて健常者・障がい者の転職サポートに携わってきた人材一筋のオツボネ。ゼネラルパートナーズではキャリアアドバイザーとして身体障がいのある方のサポートを経験した後、精神障がいのある方のサポートに従事。現在はMedia116のライターとして仕事系記事を執筆中。
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