心が崩れかける前にすること!闘病15年のわたしが辿り着いた最強の散歩
この記事を共有

ライター:生きづらさ解消家だいだい
みなさんは自分の心を守る「対応策」を持っていますか?
わたしは15年前に統合失調症になりました。それ以来精神的な弱さを抱えています。
ちょっとしたことで落ち込んだり、怒りを感じて異常な行動をしたりと自分でも信じられないくらい「心が弱い」状態です。
精神疾患になると普通の人なら我慢できたり、余裕を持って対応できることができなくなります。
すぐに自分を責めてつらくなってしまう、逆に他人に八つ当たりして人間関係が悪化するなど例をあげればキリがありません。
そんな状態では非常に生きづらさを感じて生活がままならないでしょう。わたしが今まで何度も繰り返した地獄のような日々です。
しかし、今はそんな状況を抜け出して以前に比べれば生きやすくなったように感じます。
なぜでしょうか?
その答えは「対応策」を事前に準備できているからです。「対応策」があれば、つらい状態を予防できます。仮につらい状態になってもそのつらさを軽減し、早く解消することも可能です。
対応策をいくつか用意することで生きづらさを減らし、今の快適な生活を送れています。
最強の習慣、散歩
さて、対応策はいくつもあるのですが、今回はその中から一つわたしが最強だと思っている方法を紹介いたします。
その最強の対応策とは「散歩」です。

「なんだ、散歩か」とちょっとがっかりしたかもしれません。しかし、わたしは散歩こそ最強の自己防衛であり、生きづらさを解消する対応策だと胸を張って断言します。
このコラムを読んでいる方で「散歩」をしたことのない人はいないでしょう。
それぐらい「散歩」は当たり前の行動です。でも、だからこそ誰でもお金もかけずにすぐ行えます。この手軽さは対応策として非常に魅力的です。
以下わたしがどのようなシチュエーションで散歩を行い、どんな効果があったのか紹介していきます。
①怒りを抑えるために散歩!
「あー、むしゃくしゃする」
その日わたしは勤め先の上司の理不尽な暴言に怒りを覚えていました。
仕事のミスに対する行き過ぎた注意をされたからです。
その中にわたしの人格までも否定する言葉が含まれていました。
正直、反論を言いたくなりますが、そこで争っても時間の無駄です。わたしはグッと堪えて素直に謝りました。
しかし、退社後になってもその上司に対する憤りは消えません。
このまま家に帰っても四六時中イライラして家族に迷惑をかけたり、ゆっくり休むことができず、次の日まで後を引きそうです。
そこでわたしは帰り道を延長して「散歩」の時間をとりました。

ここでわたしが意識したのが「何も考えず淡々と歩くこと」です。
耳にイヤホンをつけていつもより音量をあげて手足をセカセカと動かして20分くらい止まらずに散歩しました。
最初はイライラする気持ちを足にこめて地面を蹴りながら歩きます。靴底がすり減る感覚がします。
散歩を始めて10分くらいすると息があがり、呼吸に意識が向きました。
すると、だんだん怒りが収まってきます。
熱が冷めるような感覚とともに冷静さも取り戻し始めるのです。
そのうち、「あの上司も何かイライラしていたのかもしれない」「わたしの対応が悪かったのも事実かな」など怒りとは別のことを考え始めました。
そして、20分ほど経つとあれだけ怒りを感じてたのが嘘のように落ち着いていたのです。
「なんであんなに怒りを覚えていたんだろうか」と不思議に思ってしまうくらい心が落ち着きました。
散歩をすることで精神のバランスが整ったようです。
あるいは散歩をする時間はいい感情の冷却期間になったのかもしれません。
怒りの熱が冷めていき冷静になりました。
②自信を持つために散歩!
「自分なんて何もできない」
「時間はあるのに有効活用できない」
「ダメな自分に喝を入れたい」
人間誰しも自己嫌悪に襲われることもあります。
あるいは闘病中休まなければならないけどどう休んでいいかわからず、ただ時間を無駄にしている感覚に飽き飽きしていることもあるでしょう。
そんなどうしようもなく感じる自分に喝をいれたくてたまらなくなるそんな瞬間もあります。
そんなときも散歩が効果的なのです。淡々と体を動かして散歩をすることで「歩く」という行為に集中できます。
歩くことに没頭すれば自己嫌悪感も薄まっていくものです。

また、散歩は何時間行っても誰かに迷惑をかけることも基本的にありません。
お金もかからず、体力の続く限り、時間の許す限り散歩を行うことは可能です。
個人的な話をするとわたしは最大8時間散歩に行ったことがあります。距離にして大体35キロは歩きました。
正直辛かったです。なんでこんなに自分は歩いているのか、こんな行為に意味なんてあるのか、歩いて10キロくらい延々と考えていました。
しかし、そのうち気分がハイになっていきスマホの万歩計が5000歩を超え、1万…2万と増えていくことに興奮していきます。
スマホの地図アプリでスタート地点からゴールに向かって徐々に動いていく自分の現在地の変化に胸が熱くなりました。
そして、最後に目指していた地点に辿り着いたあの感動は今も忘れられません。
自分は一人の足で35キロを歩いたんだと。もはや達成感と感動で胸が一杯になりました。
ただ歩くという行為は簡単なことですが、それでも30キロ以上歩くことは滅多にないでしょう。
それをやってのけたというのは非常に自慢できることです。こういう無謀に近いチャレンジは時間のあるときにしかできません。
病状が回復してきて少し元気があって時間にも余裕のあるときにちょうどいいチャレンジです。
もちろん、誰にでもおすすめできるチャレンジではありません。実際わたしもこの無謀な散歩でしばらく足を痛めて歩行が困難になりました。
でも、何か自分の中でモヤモヤした感情が渦巻いてつらいのであれば、こういった散歩をやるのも一つの解決方法です。
どなたかチャレンジしてもらえるとわたしの伝えたいことも理解できるかと思います。ちょっと無謀なことにチャレンジしてみませんか?無理は禁物ですが(笑)
③悲しみに負けないための散歩!
最後に紹介するのは悲しみを感じたときも散歩が効果的だということ。
このことに気づいたのは実の姉を亡くしたときです。
わたしの姉は若くしてこの世を去りました。
そのときのショックといったら言葉に言い表すことのできないものでした。
姉が亡くなってわたしは三日三晩泣き腫らし、悲しくて寂しくてたまらなかったです。
あまりに大きな喪失感に押しつぶされそうになりました。
この状態が長引けばわたし自身がダメになってしまう予感すらあります。
だからわたしは前を向くために何かできることはないか悲しみで動けない体に鞭を打って動きました。
最初は料理をする、本を読むなどいろいろ試しました。
しかし、どれも悲しみが強すぎてろくに集中できず、途中で投げ出してしまいます。
改めて姉のいない世界で生きていくというのは本当に難しいことだと実感。
「もう自分は何もできないんじゃないか」そんな絶望的な気持ちになり、パニックにも陥ります。
そのとき、ふとあることを思い出しました。
「そういえば姉と歩いた散歩道に最近行っていない」と。
わたしと姉はよく一緒に散歩をしていました。
家の近くの河川敷の土手を歩いてはそこに咲く花々や流れる水のきらめきなどを眺めていろいろお話をする時間。
今となっては2度と戻らない時間です。

わたしは姉との思い出を追いかけるように家の外に出ていつもの散歩道を歩きました。
久しぶりにみた外の世界は季節が変わっている感じがします。
ズンズンと歩いていると徐々に悲しみで一杯だった頭の中が少しクリアになっていきました。
ただ、歩くだけで悲しみが弱くなっていくようです。
歩いて歩いていつの間にかいつもの何倍もの時間を散歩に費やしていました。
そして、家に帰る頃には「姉のいない」ことに対する悲しみや寂しさが影を潜めて少し落ちついているようでした。
散歩することで内省が進み頭の中のごちゃごちゃがだいぶ晴れて行ったのです。
悲しみは今でも消えていませんが、悲しみに翻弄されず自分らしくいられるようにするためにも散歩は有効です。
わたしも時たま悲しくなると散歩をして心を整えています。
まとめ
このようにわたしは散歩をすることで目の前に立ち塞がった困難や課題に対して対応してきました。
心が崩れてしまいそうな時は散歩に出かけて自分を見つめ直し、自分を整えることができるのです。
もし、散歩に出かけるのがどうしても難しい場合は自分の散歩用にお気に入りの靴やグッズを用意すると散歩に行きやすくなるでしょう。

自分なりの「心を守る対応策」を持つこと。
それが長い闘病生活を生き抜くための大きな武器になると、私は15年間の経験から感じています。
ただし、散歩はあくまで心を整えるための補助的なセルフケアです。
症状が強いときや一人で抱えきれないと感じるときは、無理をせず医療機関を受診したり、主治医や支援者に相談したりすることも大切です。
まずは10分だけ外を歩いてみてください。たった10分でも、心の景色が少し変わることを実感できるかもしれません。
この記事を共有
ライター 生きづらさ解消家だいだい
1995年生。中学3年で統合失調症を発症。5年前同じ病を患った姉の自死を経て、今は生きづらさ解消家としてSNSやnoteで活動中。当事者ならではの視点を用いた文章が得意。2025年6月『生きづらさを解消する方法を100通り試してみた。』出版。最近は生きづらさを解消できるボードゲームを開発中。書籍・各種SNSの詳細はこちら https://lit.link/daidainakanaka 公式X:https://x.com/daidai0725da
おすすめ記事
-
2026年8月21日
ADHDと生きて60年、AIの進化で人生が夢のよう
-
2026年7月31日
インスリンを打ちながら日本1周。本間さんの挑戦の軌跡
-
2026年7月24日
当事者だから伝えたい。義足の訓練と障がい者の防災意識
-
2026年7月17日
医療費の負担を減らす「自立支援医療(精神通院医療)」とは?
-
2026年5月29日
発達障がい当事者のエンターテイナー すがなるみさん 子どもに届けるエンタメの魅力
-
2026年5月22日
バリアを越えて走れ!自転車職人、半世紀の挑戦
-
2026年5月15日
おもしろい!を増やせばつらさは減る!面白がるのススメ
-
2026年4月24日
アート雇用で働いた僕「言いたいことが伝わらない」――田村健さん
-
2026年3月20日
統合失調症でも16万文字の本が出版できた
-
2026年3月13日
見えないからこそ、誰かと走る―全盲の自転車日本一周































コーポレートサイト








