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手話を楽しく学べる絵本『しゅわしゅわ村』シリーズ

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ライター:松下隼司(まつしたじゅんじ)

大阪の公立小学校で教師をしている松下隼司と申します。教員23年目、2児の父親です。
今年度(2025年度)、4年生のかわいい子どもたちを担任しています。
日々、授業をしたり、休み時間や給食や掃除の時間などを共に過ごしたりと、1日の大半をたくさんの子どもたちと一緒に過ごしています。
また絵本や教育書をつくったり、Voicyというネットラジオのパーソナリティをしたりしています。

小学4年生は、総合的な学習の時間に「手話」を学習することが多いです。
手話を通して、「聴覚障がい」について学びます。
手話のテキストを使って簡単な挨拶をしたり、手話ソングを歌ったりします。
(今だったらたくさんの手話ソングをYouTubeでも視聴できます。)

1.絵本をつかった授業のメリット

私は授業で‶絵本″をよく使います。
絵本の魅力は次の5つです。

① 文章だけでなく、とても魅力的な絵がある。
お話の内容が楽しい。
文字が少ないので、読みやすい。
自分のペースで読み進められる。
⑤ 自分の気が向いたときに、何度でも読み直せる。(学習したことが定着する。)
 
絵本を使って授業するまでは、せっかく力を入れて授業しても、子どもたちもよく考えてくれても、日が経つと、授業のことを忘れられてしまいます。人間は、忘れる生き物だからです。それがいいところでもあるのですが。

また、私が少しでも小難しいことを話すと、子どもから「?」という心の声が聞こえてきます。

でも、絵本を使った授業は、子どもたちから大好評です。絵本には、上の①~⑤の魅力があるからです。

2.おすすめの絵本

聴覚障がいと手話を扱ったおすすめの絵本を紹介します。
絵本『しゅわしゅわ村』シリーズです。

『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社
『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社

『しゅわしゅわ村』というタイトルは一見、シュワ~という炭酸をイメージされるかもしれません♪
『しゅわしゅわの村』の「しゅわ」は、手話のことです。『しゅわしゅわ村』のタイトルを漢字で書くと『手話手話村』なのです。手話を使った村に出てくるさまざまな登場人物のお話の絵本です。この素敵なタイトルだけで、子どもたちは引き付けられます。
知らず知らずに手話に興味・関心をもつようになります。

『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社 その2
『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社 その2

『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社 その3
『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社 その3

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〈絵本の内容(偕成社HPから以下、引用)〉
 絵本を楽しみながら、自然と手話がおぼえられる「手話ではなそう」シリーズの5作目は会話編で、主人公がおつかいに出かけます。
 スーパーマーケットで買うものはきゅうりです。
 とちゅうで友だちに会って「こんにちは」「またね」。
 焼きいもカフェで「あまくて おいしい おいも!」「どうぞ ごゆっくり」。
 「トイレ どこですか?」「そこを まがったところに あるわ」。
 絵のなかの手話のイラストを見て同じしぐさをしていると、ちょっとだけ手話ができるようになります。
 巻末には手話、指文字の説明付き。
 手話は言語です。その普及を図る「手話言語条例」の成立は、全国の自治体でどんどん増えています。手話を知って、親しむきっかけとなる絵本。
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上の画像は、絵本『しゅわしゅわ村のはじめてのおつかい』の中からの引用です。
お話の文字を読みながら、絵を見るだけでも楽しいのですが、絵本の中には主人公だけでなく、他に小さく描かれている生き物も手話を使って会話をしています。
それを探したり、手話で何と話しているか調べるのも楽しいです。(しかも、その答えが絵本の巻末に丁寧に載っています。)

絵本『しゅわしゅわ村』は、おつかい編以外にもいろいろなシリーズがあります♪

『しゅわしゅわ村のおいしいものなーに?』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社
『しゅわしゅわ村のおいしいものなーに?』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社

『しゅわしゅわ村のどうぶつたち』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社
『しゅわしゅわ村のどうぶつたち』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社

『しゅわしゅわ村のゆかいなのりもの』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社
『しゅわしゅわ村のゆかいなのりもの』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社

『しゅわしゅわ村のだじゃれ大会』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社
『しゅわしゅわ村のだじゃれ大会』作・絵:くせさなえ/出版:偕成社

「食べ物」「動物」「乗り物」「だじゃれ」、子どもたちが好きなテーマです♪
そんな子どもに身近で興味・関心があるテーマと、「手話」をかけ合わせた絵本『しゅわしゅわ村』シリーズを通して、子どもたちは楽しく聴覚障がいや手話について学ぶことができます。

私が小学校教師になった23年前には、この絵本『しゅわしゅわ村』シリーズがまだありませんでした。もっと早くにこの絵本があったら、若手教師だった頃に担任した子どもたちに、聴覚障がいや手話についてもっともっと楽しく授業できたのに~と思います。それほど素敵な絵本です♪

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ライター 松下隼司(まつしたじゅんじ)

・大阪市立豊崎小学校教諭 ・絵本『ぼく、わたしのトリセツ』『せんせいって』 ・教育書『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』『教師のしくじり大全』 ・Voicy(無料のネットラジオ)のパーソナリティ  https://voicy.jp/channel/4155 ・第20回読み聞かせコンクール朗読部門で県議会議長賞、自由部門で教育委員会教育長賞を受賞 ・令和4年度 文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞 ・教科書編集委員

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