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障がい者が法的トラブルに巻き込まれるとどうなる?

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ライター:風来坊

障がい者が法的トラブルに巻き込まれたとき、誰が支えてくれるのでしょうか。私は障がいを理由に入店を拒否され、行政への相談、弁護士への法律相談、そして裁判を経験しました。その過程で見えてきたのは、障がい者が権利を守るための法的支援の少なさでした。本記事では、私自身の体験をもとに、障がい者が裁判と向き合う現実と、制度が抱える課題について考えます。

【ある日、裁判をすることに】

ある日、筆者(障がい者)が入店拒否に遭い、抗議をしましたが、店員からは「障がい者のくせに生意気だ。裁判する」と言われ、裁判することになった。

「障がい者は入店禁止」
これは私が実際にあるお店で言われた言葉です。私が何か悪いことをしたのなら仕方がありませんが、このときの私は何もしていません。障がいがあるという理由だけで、入店を断られたのです。
障害を理由とした差別は、障害者差別解消法で禁止されています。私は行政の相談窓口に相談し、担当部署が仲介に入ることで、お店はいったん入店禁止を撤回しました。
ところが数日後、お店は再び入店禁止を宣言し、法廷で争う姿勢を示してきたのです。

【相談しても解決しなかった】

私は再び行政の窓口に相談しました。しかし返ってきたのは「相手が裁判をするというなら、行政としてはこれ以上介入できない」という説明でした。
個人間の紛争に公的機関が介入できないという仕組みは理解できます。それでも「差別の問題は個人の問題ではないはずだ」という思いは消えず、行き場のない気持ちになりました。

【一人で裁判をすることにした】

私はお店の対応に対して、法的に争うことを決めました。
法律の知識のない私にとって、弁護士への相談は必須でした。弁護士相談は一般的に30分で5,500円。しかし私には人とスムーズに話せないという特性があり、相談時間内に事情を伝えきれませんでした。何度か相談を重ねましたが、うまく意思疎通できないまま時間切れになることが続きました。
このままでは前に進めないと考えた私は、自分で法律を調べ、弁護士を立てずに「本人訴訟」で裁判をすることにしました。
正義の天秤

【ひとりぼっちの裁判に勝訴】

提訴から判決まで1年以上。心が折れそうになる場面は何度もありました。
そして判決の日。「店舗の入店制限は障がい者差別にあたり違法である」と認められ、お店に賠償命令が出ました。
ひとりぼっちの裁判に勝ったのです。ただし、認められた賠償額は、かけた時間と労力に見合うとは言い難いものでした。

【裁判は障がい者にはハードルが高い①:お金】

障害者が裁判に不利な理由①:収入が少ない傾向があるからです。弁護士の最低着手金は10万円。障害者の性別ごとの平均月収は、男性は47万4千円、女性は26万3千円。障害種別では、身体障害は月々23万5千円。知的障害は13万7千円。精神障害は14万9千円。発達障害は13万円です。障害者が裁判で争うには、金銭的なハードルが生じます。

日弁連の旧報酬基準に照らすと、弁護士に依頼した場合の着手金は10万円程度。印紙代や郵券などの実費も必要です。
一方、障害年金(2級)の月額は約7万円。令和5年度障害者雇用実態調査によると、発達障がい者の平均月収は13万円です。
弁護士費用が月収や年金を上回ってしまう―障がい者が差別と法的に争うことには、金銭面で大きなハードルがあるのが現実です。

【裁判は障がい者にはハードルが高い②:意思疎通】

障害者が裁判に不利な理由②:意思疎通に支援が必要な場合がある。

私自身の経験から見えてきたのは、対話に支援が必要な障がい者は、法律相談の入口でつまずきやすいということです。
障がいのない人ならスムーズに伝えられる場面でも、手話や通訳、筆談などの支援が必要な場合があります。すると30分の相談枠に収まらず、相談が中途半端に終わったり、延長料金がかかったりします。
同じ相談をするのに、障がいがあるというだけで、より多くのお金と時間がかかるのです。

【必要なのは「制度の入口」の配慮】

障がいの有無にかかわらず、法的トラブルに巻き込まれる可能性は誰にでもあります。しかし、対応に必要なコストは障がい者のほうが重くなりがちです。
法テラス(日本司法支援センター)には、収入等の条件を満たせば無料の法律相談や弁護士費用の立替制度があり、高齢や障がいのある方への出張相談もあります。ただ、意思疎通に支援が必要な人が安心して使える体制は、まだ十分とは言えないと私は感じています。
バリアは障がいそのものではなく、「30分一律」の相談枠や、情報保障を前提としない相談体制の側にある―これが、裁判を経験した私の実感です。

【同じ立場のあなたへ】

最後に、同じような状況に直面したときに使える手立てを紹介します。
・法テラスの無料法律相談・費用立替制度(収入等の条件あり)
・自治体の意思疎通支援事業(手話通訳者・要約筆記者の派遣)
・相談前に、経緯や伝えたいことを文書にまとめて渡す
・時間内に伝えきれない場合は、予約時に配慮を申し出る

私の裁判は本当に大変でした。それでも、声を上げれば「差別は違法だ」と認められることを、身をもって知りました。この記事が、同じ立場の誰かの支えになれば幸いです。

【オマケ】


夕日に向かって悲しい背中を向ける筆者

最後に、ひとりぼっちの裁判で勝ち取った金額をこっそり教えます。
内緒ですよ。
だいたいニンテンドーSwitch2が1台買えるくらいです。
私は弁護士を立てなかったのでSwitch2が買えますが、弁護士に依頼していたら赤字になる金額です。
「勝っても、報われるとは限らない」―これが裁判を経験した私の正直な実感です。
ホント大変でした。

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ライター 風来坊

東北の片田舎在住のアラフォー。 児童虐待、いじめ、パワハラ、自傷による措置入院を経験。 田舎では福祉に偏りがあると考え30代から大学で福祉を学ぶ。 数年前には事故で利き手が不自由になり、現在はリハビリを兼ねた趣味(プラモデル、ニードルフェルト、UVレジン)に没頭中。 いつか全ての人が楽しめる駄菓子屋を開きたい。

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