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各自治体が続々と導入中!都道府県別の「ヘルプマーク」導入現状をまとめてみた

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ライター:Media116編集部

外見ではわかりにくい障がいを持っていて、援助や配慮が必要な人のサインとなる「ヘルプマーク」。赤地に白いプラス(+)とハートのマークがデザインされた8.5cm×5.3cmの樹脂製の札で、東京都が2012年に作成しました。主に内部障害や難病の人、妊娠初期の人をはじめ配慮を必要とする全ての人が、かばんなどに付けて使用します。裏側にはシールが貼れ、緊急連絡先や自分の障害、助けてほしいことなどを書き込めるようになっています。

最近は、東京都以外の自治体も導入を始めた、というニュースも時々流れるようになりました。ヘルプマークは徐々に全国に広がりつつあるようですが、一方で、SNSを中心に「このマークを知らずに電車で席を譲ってもらえなかった」などのコメントが拡散されることもしばしば。まだまだ認知度は十分ではないようです。

実際のところ、ヘルプマークはどれくらい普及しているのでしょうか?そこで、今回は全国の自治体における普及状況について調べてみました。

ヘルプマーク、類似のマークを全国でおよそ半数の自治体が導入

Media116が独自に調べた結果、都道府県単位で「ヘルプマーク」もしくは「ヘルプカード」(ヘルプマーク同様、必要な支援について書かれたカードタイプのもの)、またそれと同等の役割を果たすツールを導入しているのは、24都府県(2017年4月5日現在)。

また、北海道札幌市や、福島県いわき市など市区町村単位で導入している自治体も数多く存在し、導入検討中の自治体も少なくありません。

ヘルプマーク
〔ヘルプマーク(ヘルプマークは自作もOKです)〕

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県のホームページなどでは、「県民からの声」としてヘルプマークを導入してほしいという要望、それに対して前向きな回答をしている自治体担当者のコメントが多く見られ、ヘルプマークの必要性が徐々に理解されつつあるようです。

ヘルプマーク・ヘルプカード&類似マーク等の都道府県別導入状況の分布図
〔都道府県別・ヘルプマーク・ヘルプカード&類似マーク導入状況(2017年4月5日時点)〕
※Media116の独自調査によるものです。内容に過不足がありましたら、編集部まで情報をお寄せ頂ければ幸いです。

「見えない障がい」を理解して欲しいというニーズに応え、独自でマークを作る自治体も

東京都が作成したヘルプマーク、ヘルプカードをそのまま利用して導入している自治体が多いのですが、同じような役割を果たすものでありながら別のデザイン、別の名称で導入している自治体もあります。
例えば、兵庫県では兵庫県身体障害者福祉協会が「譲り合い感謝マーク」という名称で、オリジナルのキャラクターを配したピンバッジ、キーホルダーを作成しています。

この背景には、「見えない障がい」の認知を切望する人がたくさんいて、各自治体や団体がそれに応えようと独自に検討を進め、開発や周知活動に汗をかいてきた実情があります。

その結果、ヘルプマーク、ヘルプカードに相当するツールが全国各地にさまざま存在し、自治体によって導入の有無も、デザインや名称もまちまちであるというのが現状です。

種類が多い!障がい者を示すマークもいろいろ

一方、ヘルプマークやヘルプカードとは別に、障がいがある人を示すマークもさまざま存在します。

聞こえが不自由なことを表す「耳マーク」(一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会作成)や、特定非営利活動法人ハート・プラスの会が作成した、身体内部(心臓、呼吸機能、じん臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能))に障害がある人を表す「ハートプラス・マーク」などが挙げられます。

障がい者関連のマーク一覧

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ヘルプマークやヘルプカードを導入していなくとも、これらのマークについては「配慮をしましょう」と広報をしている自治体もあります。障がいによって必要な配慮はさまざまですし、どのような障がいの方か判別がつくマークがあること自体は非常に良いことだと思いますが、一方で障がいを知らせるマークの種類の多さが「覚えにくい」「わかりづらい」というイメージを与え、認知されにくい要因の一つになっているかもしれません。

2020年の東京オリンピックに向けて、日本に訪れる外国人観光客も増加します。日本にいる全ての人が、「何を示すものなのかを認識できる」統一感のあるマークの必要性があるかと思います。

ヘルプマーク、夏にもJISに加わる見込み より拡大へ

これまで挙げたような「統一感」という課題を前に、ヘルプマークが夏にもJIS(日本工業規格)に加わりそうだ、というニュースもあります。

JISとは、工業標準化法に基づき、主務大臣が制定する工業標準で、日本の国家標準の一つ。日本全国を単位とした標準化のための基準であるため、普及率の拡大や認知度のアップにつながることは必至です。

外見からわかりにくい「見えない障がい」を持つ人にとっては、安心して外出ができたり、困った時に助けを求めやすくなったりと多くのメリットがあるヘルプマーク。

車につける「若葉マーク」や妊娠中の人がつける「マタニティマーク」のように、誰もが当たり前にその存在と意味を知っているマークになることが、障がい者と健常者の垣根を無くすきっかけになるのではないでしょうか。

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