【超福祉展】ブラインドサッカーはただの見えないサッカーではなく「超福祉」なスポーツだった
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ライター:Media116/超福祉展2017
こんにちは、ライターのCyndiです。
11月7日(火)~13日(月)にかけて渋谷で開催されていた「超福祉展」。8日(水)に行われたシンポジウム「Alfa Romeo Presents: Be Yourself.~ブラインドサッカー女子日本代表を招いて~」に参加し、精神障害者の私が視覚障害者スポーツの世界に触れる機会をいただきました!
■ゲストスピーカー
ブラインドサッカー女子日本代表・主将
齊藤 舞香選手
NPO法人日本ブラインドサッカー協会 事業戦略部長
山本 康太氏
ブラインドサッカーとは? 音がピッチをコントロールする世界
そもそもブラインドサッカーとはどのようなスポーツなのでしょうか?
ブラインドサッカーとは視覚障害者スポーツのひとつで、その名の通り目が見えない状態で行うサッカーに近いスポーツです。
もちろん、視覚障害者用に整備されたルールもあります。例えば……
・フィールドプレーヤー4名、ゴールキーパー1名、ガイド1名の6人1チーム
・視力の有無を問わずフィールドプレーヤーはアイパッチとアイマスクを着用し、視界を完全にシャットアウト
・ゴールキーパーは弱視または健常者
・ボールは転がると音がなる仕様になっており、フィールドプレーヤーは音を頼りにボールの位置を把握する
・ボールが枠外に出ないようにサイドフェンスがある
・ガイドは視力のある人。ゴール後方から声を出してチームをサポート
・監督はピッチ外で待機。声を出して指示をする
等々。上記のように、ブラインドサッカーでは「音」がピッチをコントロールします。
フィールドプレーヤー4名、ゴールキーパー1名、ガイド1名、監督1名、その相手チームも含めた人数、そしてボール。選手は15もの音を聞き分けながらボールをゴールへと運びます。人は情報の85%を視覚から得ていると言われていますが、ブラインドサッカーのフィールドプレーヤーは視覚障害の有無・程度にかかわらず全員が視覚のない状態でプレイをすることになります。非常にフェアなスポーツであるとも言えますね。
ブラインドサッカー日本代表候補が超福祉展に登場!
このシンポジウムには、ブラインドサッカー女子日本代表候補の斉藤舞香選手がゲストスピーカーとして登壇。
ブラインドサッカーの歴史や魅力を存分に語っていただきました。
世界初の女子ブラインドサッカー世界大会が2017年5月に開催され、優勝したのはなんと日本!その主将を務めた斉藤選手の語りに、会場に訪れていた未来の女子ブラインドサッカー日本代表候補!?の学生さんも耳を傾けていました。
ブラインドサッカー歴は10年。数々の視覚障害者スポーツをソツなくこなせた斉藤選手が唯一フィールドで何もできなかったのがブラインドサッカーだったそうです。その悔しさが現在の原動力になっているとか。
しかし、ブラインドサッカーはまだまだ新興スポーツのひとつです。プレーヤーはいても指導者が育っていない、チームの数が足りていない、練習環境が整っていない等の課題がまだまだ山積み状態。それでも結果を残していることは非常に素晴らしいことですが、この素晴らしい成果が無駄になることのないように、ブラインドサッカーが日本でももっと存在感を示せるようになると良いですね。
ブラインドサッカーは「超福祉」なスポーツ
シンポジウム全体を通して、ブラインドサッカーというスポーツはまさに「超福祉」の概念を表すにふさわしいスポーツであると感じました。
フィールドプレーヤー全員が視界を排除し、音を頼りにボールを探し、目が見えるキーパーの手をくぐって狭いゴールへボールを流し込む。サッカーやフットサルのようでそのどちらでもない、新しい興奮を感じられるブラインドサッカーは、ただの「障害者版サッカー」を超越した魅力的なスポーツです。
その上、ブラインドサッカーは非常にユニバーサル。「見える人」が「見えない人」に合わせることで、誰もが同じ視覚を失ったフラットな状態で試合に臨むことが出来ます。超福祉展が起こしたいマイノリティ・福祉に対する意識のイノベーションは、このシンポジウムに参加していた人々の中で静かに起こっていたのではないでしょうか。
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ライター Media116/超福祉展2017
2017年11/7(火)~11/13(月)まで渋谷にて開催される「2020 年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう 展」。 マイノリティや福祉そのものに対する意識のバリアを変えていく福祉の一大イベントをMedia116が密着取材します!
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