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身体障がいの方のマイカー、カスタマイズ(改造)術を徹底レポート!

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ライター:Media116編集部

突然ですが、身体に障がいがある方のマイカーって見たことあります? おそらく見たことないが大半では?身体の障がいといっても人によってさまざま、ご自身に合わせ、愛車に驚くべきカスタマイズ(改造)をほどこし、車を操ります。今回は、そんな身体障がい者の愛車をレポートします。


車選びのポイントは「車高」と「ドア」!

今回は、上下肢に障がいのある車椅子の方の愛車を取材してきました。

― まず、本体の車ですがどういった車種を選ばれるんですか?

「障がい者の車というと車の後ろに車椅子が搭載可能な専用車とかをイメージされる方もいるようですが、自分のこだわる部分さえクリアしていればどんな車でも問題ないです。私がこだわるのは車高とドアの広さ。」




― 車高とドアの広さ、ですか。それはまたどうしてです?

「車高にこだわる理由ですが、車椅子から運転席のシートに移動する時には、お尻を少ーしずつ横にスライドさせながら座るんです。だから、なるべく車椅子と運転席のシートが同じの高さの自動車がいい。結果的に大きな車を選んでますね。最近はコンパクトな車が流行っているし、燃費もいいので変えてもいいなと思ったりもしますが、シートの高さが合わないので、結局今の車を長く愛用してますね。」

ドアが広いと車への乗り降りや、車椅子の出し入れがしやすい。あとで実際にお見せしますよ。」

― よろしくおねがいします!

アクセル、ブレーキ、ハンドル・・・自分に合わせ全てカスタマイズ!

― 運転席を見ると、ぱっと見ただけでもいろいろと装備されているようですが、こういったカスタマイズはどこに依頼されるんです?

身体障がい者専用の自動車のカスタムメーカーがあります。私はニッシンというカスタムメーカーに依頼しました。カスタマイズですが、本人の状況にあわせてさまざまな装備をつけてくれます。障がいは人によって本当にまちまち、私は上下肢に障がいがあるので、ハンドルが握りづらかったり、足でブレーキやアクセルを操作することが出来ません。メーカーはこうした私の障がい状況に合わせて、アクセルやブレーキ、ウィンカー、ハンドルなど車の運転に必要な装備をカスタマイズしていきます。」

― 障がい者専門のカスタムメーカーがあるんですね。しかし、一体どうやって運転されてるんですか?

手動運転装置といって、手でアクセルやブレーキなどを操作できるレバー型の装置を運転席の左側につけており、右手でハンドルを、左手で手動運転装置のアクセルやブレーキなどを操作しながら運転します。」



― レバーの先に色々なボタンやレバーがついてますね。ここだけで主要な操作が出来るようになっているワケですね。

「ハイ、だから足の部分のペダルは使いません。私が運転するときには通常のアクセルやブレーキは使用しないので、足が当たらないように前面に跳ね板がついていて、立てられるようになっています。」



― なるほど。障がいのない方が乗るときには板を降ろせば運転できると。ハンドルはどうやって回すんです?

「ハンドルのカスタマイズも人によって本当にさまざまです。ハンドルはFUJICONというメーカーにお願いしたのですが、私の場合は手とハンドルを固定する装置をメーカーに自作してもらいました。このように、ハンドルに付けた3つのノブの間に手首を差し込んで固定してハンドルを回します。とりはずしも出来ますよ。」



― よくできてますね~。これならスムーズに回せますね。

「あと運転席のシートのカスタマイズは、自分一人で車の乗り降りをするためにも重要なポイント。車椅子への乗り降りの橋渡しをするため、椅子の横に折りたたみ式のサイドサポート(台)を取り付けてます。さらにシートと車椅子のすき間を埋めるために、専用の板も作成しました。」





― なるほど。この台の上にお尻を乗せて、車椅子から運転席のシートに徐々に体をスライドしていくわけですね。アレ、残った車椅子はどうされるんです?

これがまた大変でして・・・運転席に座った状態のまま、外に残した車椅子を手でたたみ、腕にひっかけて持ち上げ、助手席後ろの後部座席のスペースまで一気に移動させます!







― スゴイ・・・これを毎朝やってるんですか??? ものすごい体力使いそうですね。。

「ハイ・・・時間をかけて車椅子から運転席のシートに移動し、それから車椅子を出し入れするので、半端なく疲れます。。。」


スイッチまで徹底してカスタマイズ

「他にもありますよ。例えばスイッチ類。通常の車のボタンは大抵押しボタン式だったりしますが、私の車はトグル式(棒を倒すタイプのスイッチ)に変えています。ボタンを押すのは厳しいですが、これなら私でも操作できます。」



ドアにはベルトを付けてます。このベルトを押したり引っ張ったりしてドアを開け閉めしています。」



「鍵は秀逸ですよ。鍵に取り付けたL字金具の部分を両手ではさんで回すことで鍵をかけることができるんです。」




― メーカーは色々なノウハウを持っているんですね~。

「そうですね。メーカーは技術的なノウハウをたくさん持っていますね。頼りになるのは補助金の申請関連の知識。障がい者の車のカスタマイズは、障がい状況にあわせてオプションをつけたり改造したりしていくわけですが、カスタマイズに対して障がい者向けの自動車関連の補助申請をどうすればいいのか、もの凄く詳しい。自動車のカスタムには費用がかかりますからこの知識は心強いです。」

カスタマイズして終わりではなく、年月を重ねて、より快適に、より乗りやすくするための工夫がちりばめられた愛車。そのこだわりに脱帽でした。

ニッシン自動車工業ホームページ

「FUJICON」(有限会社フジオート)ホームページ

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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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