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【辛口注意】日本初!統合失調症専用のアプリ「こころケア」をレビューしてみた!

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ライター:Media116編集部

みなさんこんにちは!Media116編集部です。今回は統合失調症の方向けのアプリ「こころケア」を実際に統合失調症の方専門の就労移行支援事業所「リドアーズ」へ通所されている当事者の方に8日間使用して、レビューしてもらいました!結構辛口な意見も飛び交っていますが(笑)生の声をお届けします!

いま、障がい別の体調管理アプリがどんどん開発されてきている

今回の「こころケア」は統合失調症の方向けのアプリですが、実は他にも障がい別の体調管理アプリが開発されてきているんです。ご存じでしょうか?例えばてんかんであれば「Epi Diary」、うつであれば「うつレコ~うつ病の人のための行動記録ツール~」等々…発作や気分のアップダウンの記録ができたりと、より自分で自分の体調を管理することを手助けしてくれるんです。更にそのアプリを主治医に共有することで伝え忘れなく正確に体調の変化を伝えられるんですね。便利な時代になりましたね。
「こころケア」は株式会社ウェルビーがMeiji Seika ファルマ株式会社と連携し、千葉大学医学研究院精神医学教授 伊豫雅臣先生の監修で開発されたものです。

統合失調症専用アプリ「こころケア」の特徴は?

このアプリの特徴は主に4つあります。
① 服薬時間・通院日を通知
お薬名と飲む時間をアプリで設定すると、お薬を飲むタイミングをPUSH通知でお知らせします。
通院日を登録しておくと、前日に残薬チェック機能で余っている薬を確認・記録できます。

ステップ1
(画像引用:株式会社ウェルビー「こころケア」ホームページより)

② 睡眠時間の記録
昨日「寝た時間」と「起きた時間」を毎日記録することで睡眠のリズムを睡眠日誌形式で一目で振り返り、睡眠リズムに乱れがないか確認できます。

ステップ2
(画像引用:株式会社ウェルビー「こころケア」ホームページより)

③ セルフチェック
先週と比べて、調子はどうか?毎週設問に答えて、調子が悪いと思ったら早めに医師に相談して悪化を防ぐことができます。

ステップ3
(画像引用:株式会社ウェルビー「こころケア」ホームページより)

④ レポートを診察に
これまでの記録をレポートとして印刷することができます。それを主治医の先生へ共有することで普段のご自身の状態をしっかりお伝えできます。

ステップ4
(画像引用:株式会社ウェルビー「こころケア」ホームページより)

レポート
(画像引用:株式会社ウェルビー「こころケア」ホームページより)

ふむ。一見とても便利そうですね。さてここからは、「こころケア」の使い心地について統合失調症の方にレビューを聞いていきましょう。


実際に使ってみた感想は?三者三様の意見

今回このアプリのレビューにご協力頂いたのは、統合失調症専門の就労移行支援事業所「リドアーズ」に通所されているHさん(男性)、Sさん(女性)、Aさん(男性)の3名です。

■服薬管理について
飲む薬

Sさん「服薬を完了して記録した後に、頓服を飲んだことがあったんですよ。そうするとその頓服を飲んだ記録がさかのぼって入力できなかったんです。後から飲んだ薬も追加できるようなシステムにして欲しいです。

編集部「やっぱり過去をさかのぼって飲んだ薬をメモしたいですか?」

Sさん「したいです!自分が頓服を何回飲んだのか確認したい。私は普段は日記につけるようにしてて、それを主治医にも報告してます。一度頓服の量を誤飲して死にそうになったことがあって、服薬管理を日記でつけるようになりました。」

編集部「記録することで体調は安定してきたんですか?」

Sさん「毎日の服薬と服薬チェックで体調も気分もよくなるので、しっかり薬をのむように気をつけています。忘れた日は「なんでだろう?」と振り返って親と一緒に相談できるのがいいですね。逆に頓服を飲みすぎてしまうことがあって、自分では気づかないこともあります。でもメモできる機能があると客観視できるからいいですね。

記録をしていないと頓服の飲み忘れや飲みすぎが発生してしまうというSさん。「こころケア」は服薬管理をボタンを押すことで記録できる機能があること自体は非常に良いですが、さかのぼって記録することができないという難点を感じたそうです。

Aさん「薬を飲む設定をした時間に通知がくるのは飲み忘れがなくてとってもいいと思いました。でも実際、飲むけど飲んだというチェックのボタンを押し忘れたりすることがあります。

飲んだ薬

編集部「Aさんも普段服薬管理をメモなどでつけていたんですか?」

Aさん「自分はしていなかったですね。というのも、自分の主な薬は注射をする形なんですよ。飲み薬としては副作用の震え止めや睡眠薬を飲んでます。」

実際担当の私も使用してみました。服薬時間になるとアプリの通知(ポップアップ)がくるので服薬を忘れはしないのです。しかし、飲んだことを記録するにはアプリを開かなければならないんです。アプリを開かずにチェックができると尚良いと思いました。そしてこのアプリでは「残薬メモ」といって、どの薬が何個残っているかメモできる仕組みがあります。それについてHさんは・・・

残薬

Hさん「残薬管理も手動でメモする形になっていますが、通院までの残薬を自動的に割り出してくれればよりいいなと思いますね。ついでに、残薬が通院日前になくなる場合はに早めに通院するようアラートしてほしいです。アラートも、LINEみたいにバイブ機能つきで大きく画面に出して欲しいですね。」

このアプリでは次回通院日も記録できるのですが、こんな意見も。

Aさん「自分は通院間隔や曜日が変わらないので、次回通院日を自動で割り出してもらえるとありがたいですね。」

Sさん「自分は通院日の1週間前からカウントダウンしてアラートしてほしいです。

確かに、カウントダウン形式なら通院を忘れることはないですよね。今回のレビューで3名とも共通で「薬が切れることが一番のリスク」とのことでした。残薬管理と通院忘れの防止が特に重要ということがわかりました。

■睡眠記録について
Sさん「就寝・起床時間を手動で入れるのが手間ですよね。」

睡眠

Aさん「腕につけて寝るだけで睡眠時間や中途覚醒、寝返りとかを記録してくれるアプリとかあるじゃないですか。あんな感じでベッドわきに置いておけば睡眠時間が自動で記録できたりしないかなーなんて(笑)いま睡眠に特化したアプリって沢山でてますよね。このアプリだけだと睡眠記録に関しては弱いかなと思いますね。」

Sさん「睡眠記録を印刷できますけど、見やすいように折れ線グラフとかで睡眠表を作成してほしいかもしれないです。」

Hさん「睡眠障がいがあるのでレム睡眠・ノンレム睡眠までわかれば嬉しいですね。睡眠を管理することはとても大事です。でもこころケアは手動で入力しなければならないので普通にメモしているのと同じ感覚です。自動計算がほしいところですね。

■セルフチェックについて
このアプリには「セルフチェック」という機能があります。8つの質問項目があり、睡眠、服薬、食欲、集中力、不安感、気分の波、普段と違ったこと、幻聴について設けられています。評価は「改善または変わらない」「少し悪化している」「悪化している」「かなり悪化している」「これ以上なく悪化している」の5段階で自身の体調の良し悪しを管理することができる機能です。みなさんはどう感じられたのでしょうか?

セルフチェック

Aさん「どのタイミングでセルフチェックをするのが適切なのかわからなかったですね。チェック項目は改善またはかわらない以外は悪い状態を表すものだし、先週より良くなった!という表記がないんですよね。

Sさん「そうですよね。セルフチェックもワンパターンで飽きてきてしまって途中でやめたい気分になっちゃいました。」

Hさん「なんのためにセルフチェックがあるのかとか、どう使って欲しいのかがあまりわからなかったですね。」

Welbyさんの担当者の方としては基本的にはセルフチェックで記録した内容を診察で使って欲しいと思って作られたとのこと。なかなか診察で言いづらい、言葉で表現しづらいところを設問にしたということでしたが、ユーザーにとっては物足りないようで・・・

Hさん「質問をもっと掘り下げて欲しいなと思いますね。不安感が何回、幻聴が何回、とか細かいところまで記録しないと医師に見せても意味がないんじゃないかなと思いますよ。本当に症状が重い人はこのような複雑なアプリは使えないかもしれないので、統合失調症を一辺倒にしないである程度症状が安定している人の目線でつくってほしいです。」

と、厳しい言葉も。編集者も確かに8つの質問だけでは医師とのコミュニケーションが完璧に網羅されるとは思わなかったですね。

まとめ

今回、服薬・睡眠・セルフチェックなど「体調管理」というコンセプトには共感できるとの意見が満場一致でした。便利なこともあるという意見はありましたが、多くは「もう少し痒い所に手が届いてほしい」と物足りなさを感じる意見が多かったですね。特に良かったと思われていた点は服薬時間や睡眠記録の通知機能でした。

逆に辛口だったのは、現段階ではもう使用しないが、もう少し睡眠や残薬管理、通院のカウントダウンなど自動化できれば使っても良いかな、という意見もありました。
色々と辛口な意見や要望が飛び交った会でしたが、みなさん矢継ぎ早に手を挙げて生の声を聞かせてくれていたことは、裏返すとアプリに対しての「期待」だと感じました。株式会社ウェルビーの担当者の方も「当事者の方ならではの貴重な意見を今後の改善ポイントとして取り入れていきたい!」とのことでした。

一方でSさんは「このアプリと出会って服薬管理が格段に便利になった!これからも継続して使っていきたいです。」とおっしゃっていました。利用の方法によって意見も様々なようですので、もしご自身で試してみたい!興味を持った!という方は「こころケア」でアプリを検索してみてくださいね。


株式会社ウェルビー こころケア アプリ / 公式ホームページ

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障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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