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生活保護受給をためらっているあなたへ<法テラスを活用しよう>~ジャーナリスト桐谷匠の体験談~

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生活保護受給をためらっているあなたへ ~法テラスを活用しよう~ タイトル画像

ライター:桐谷匠(きりたに たくみ)

みなさん、こんにちは。前回、障害者年金の受給に関する体験談を語ってくれたジャーナリストの桐谷匠(筆名)さん。今回のテーマは「生活保護」。生活保護を受給する際には「法テラス」を活用することが有効であることを、感情を揺さぶる文章で綴ってくれました。

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「生活保護なら弁護士費用の償還が免除される」

先進諸国における障害者雇用の状況は、その国の障害年金政策と大きく関係してくる。すなわち、障害年金の水準が高い国では障害者の就労率は低く、水準が低い国では相対的に障害者の就労率が高くなる傾向がある。日本の場合はどうかというと、障害年金の額が英米などに比べて低く、その分、障害者の就職率は高くなっている。つまり、「障害者は就労できないから年金で暮らすべき」と考えるのではなく、「障害者もできるだけ就労すべき」と考えるのが、日本の障害者雇用政策の基本と言えるだろう(参考:「社会福祉学」平岡公一他、有斐閣)。

だが、これをひっくり返して考えるならば、日本では何らかの事情で働けない障害者は生活を維持していくことが難しいということになる。もっと端的に言えば、生活保護を受けるほかに生計を維持していく手段がないということである。

かく言う私も就労不能状態にあったとき、生活保護を受給していた。この生活保護という制度、近年のこの国ではすこぶる評判が悪い。受給資格を持つ申請者を相談窓口で申請書すら渡さず追い返してしまう「水際作戦」が行われていることなどは、すでに多くの方がご存じだろう。

生活保護を受けたい(もしくは受けるしかない)、しかし福祉事務所の相談窓口を訪れるのは怖い――そう考えてしまう向きは多いと聞く。

しかし、心配することなかれ。もし、あなたが障害年金受給者であるか、あるいは障害者福祉手帳の所持者であれば、比較的スムースに申請手続きを進めることができる。そう、障害者であると公的に認められている者は、稼働年齢層(60歳未満)であっても原則、窓口で生活保護の受給要件についてあれこれ問われることはない。

私自身も事前に障害年金の受給を開始してから相談窓口を訪れたため、「預貯金が基準生活費の半分以下になった時点で」という留保をつけられたものの、なんの支障もなく受給を開始することができた。

だが、逆を返せば障害者でありつつ未だ障害年金や障害者福祉手帳の受給手続きが未完了である者――つまり公的に障害者であると証明することが難しい者は、どうしても相談窓口で冷たくあしらわれてしまいがち。そうしたとき、どうすればいいのか。いちばん良い方法は弁護士を仲介人として立てることである。

などと言うと「ちょっと待って、弁護士なんかを立てると巨額の弁護士費用が掛かるんじゃないの」と知識をお持ちの方は思うだろう。そう、弁護士費用は高い。一回、福祉事務所に同行してもらうだけで場合によっては30万円ぐらいかかることもある。これから生活保護を申請しようとする人に、そんな金銭的余裕はないだろう。

では、どうしたらいいのか。最善の策は、「法テラス」を活用することである。法テラスとは刑事・民事を問わず国民がどこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにしようという構想のもと、総合法律支援法に基づき、平成18年4月に設立された法務省管轄の公的な法人。ここでは、経済的に余裕のない人が法的トラブル(生活保護の申請拒否などもその一つ)にあったときに、無料法律相談や必要に応じて弁護士費用の立て替えを行っている。

と、ここまで読まれた方は、「なんだ弁護士費用を立て替えてくれるだけね。じゃあ、いずれ償還しなければならないんじゃないの」と思われるかもしれない。

しかし、ことが生活保護となると事情が異なってくる。つまり、その人が生活保護申請に法テラスの弁護士を活用し、実際に保護を受給開始した場合、償還金の返済が免除になるケースが多いのだ。つまり、無料で弁護士を活用できるのである。

もちろん、この償還金返済免除にあたっては、事前に法テラスの審査を受け、免除申請を認可してもらう必要がある。ただ、生活に困窮した障害者の場合、この免除申請が受けられる可能性は現実的に高い。

ここではアウトラインだけを書いた。実際のところは最寄りの法テラス窓口に相談してみてほしい。例えば東京なら蒲田で生活保護専門の無料相談を受け付けている(tel:03-5714-0081事前予約制)。
福祉事務所の「水際作戦」は狡猾だ。だから、こちらも戦略を練ろう。生活に困窮したすべての障害者に幸あれと願って本稿を閉じる。

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桐谷匠

ライター 桐谷匠(きりたに たくみ)

桐谷匠(筆名) 1960年、横浜市出身のジャーナリスト。業界紙記者、編集プロダクション勤務、コピーライターなどを経て、フリーランスのジャーナリストとして今日に至る。40歳を迎えた’00年、統合失調症を発症。幻覚・幻聴などさまざまな症状に苦しみながら仕事を続けてきたが、一時は完全な就労不能状態となり、生活保護を受給していたことも。ここ数年は体調と相談しながら月刊総合誌などへの寄稿を中心に執筆活動を行っている。精神障害者福祉手帳2級を所持。現在、障害当事者とその家族のためのウエブマガジン「D.culture」編集部所属。本名で著書を二冊、上梓している。

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http://disability-culture.jp/

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