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申請は?判定は?「療育手帳」カンタン取り方ガイド

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療育手帳ガイドのイメージ

ライター:Media116編集部

知的障がいのあるお子さんや、その家族をサポートしてくれるのが「療育手帳」です。この手帳を取得することで、一貫した支援や指導が受けやすくなり、また様々な福祉サービスが利用できるようになります。これから取得について考えようとしている知的障がい児の親御さんや、ご本人のために療育手帳の取得の仕方をくわしく解説します。

障がい者とその家族の経済的・物理的負担をサポートしてくれる証明書

「療育手帳」とは、都道府県や政令指定都市・中核市などの自治体が、知的障がい児・知的障がい者に交付する手帳です。療育手帳の制度は、ほかの身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳と違い、法で定められた制度ではありません。(下記の手帳イメージは鹿児島県ホームページより抜粋)

療育手帳のイメージ

各自治体の独自制度のため、名称を「愛の手帳」(東京都・横浜市)、「みどりの手帳」(さいたま市)、「愛護手帳」(青森県・名古屋市)とする自治体もあります。名称が違うだけではなく、障がいの程度の区分やサービス内容も自治体によってかなり違いがあります

 手帳は公的な知的障がい者向け福祉サービスを受ける際に必要な「証明書」でもあります。この手帳を利用することで、税金の減免、公共料金の割引、交通運賃の割引といったサービスを受けられます。経済的な負担を軽減できるほか、知的障がい者とその家族にとって何より必要な指導や相談が受けやすくなるメリットがあります。

また、将来的に障害者雇用での就職・転職を考えている方は、障害者手帳が必ず必要になります。手帳を取得するまで選考を受けることができないケースもありますから、希望の求人情報を逃さないためにも、早めに手帳の申請に動いたほうが安心です。


ポイント 都道府県によって障害の程度の認定区分が異なる

 療育手帳は、申請すれば必ず取得できるわけではなく、障がいの程度や知能指数によって判定され、交付されるかどうかが決まります。都道府県によって、具体的な判定基準や判定ランクの設定は異なります。

認定区分は、重度Aとそれ以外のBに分ける自治体が多いのですが、A~C、1度~4度と区分する自治体もあります。軽度の知的障がいの場合は、お住まいの自治体の基準によって、交付される場合とされない場合があります

ポイント 判定は心理判定員や小児科医が行う

障がいの程度は18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所などで、自治体指定の心理判定員や小児科医がIQや日常動作をみて総合的に判定します。判定には予約が必要です。まずはお住まいの自治体に手帳の申請をして、判定予約を申し込みましょう。

相談イメージ

ポイント 数年ごとに再判定が必要

知的障がいは、成長にしたがって障がいの程度が変わる可能性があるために、再判定が必要となります。2年~5年ごととしている自治体もあれば、東京都のように3歳・6歳・12歳・18歳時点で障がい程度に変化の生じたとき、と時期を定めている自治体もあります。次回の判定時期を手帳に記載する自治体もあります。再判定を受けて障がいの程度が軽くなれば、区分が変わることもあります。判定の時期は人によって異なります。


療育手帳の取得の仕方

いよいよ申請の仕方についてです。提出先や相談先は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口(福祉事務所や福祉担当課)や、児童相談所になります。 お子さんの手帳の取得を迷っている親御さんは、まずは児童相談所に相談するところから始めるのもよいのではないでしょうか。

申請に必要なのは以下のものです。

①療育手帳交付申請書

②顔写真(タテ4センチ×横3センチの場合が多い)

③印鑑(申請書が自著であれば不要の場合もあり)

取得の流れは以下の通り。

1)市区町村の障害福祉担当窓口、または児童相談所で、療育手帳取得の申請をし、障害の程度の判定の予約を申し込む

2)心理判定員・小児科医による面接・聞き取りが行われる

3)判定結果に基づき、精神保健福祉センターで審査が行われ、区分が決定される。

4)手帳が交付される

お住まいの自治体の手続きの仕方については、福祉担当窓口に問い合わせるか、自治体ホームページを確認されることをおすすめします。

相談イメージ


望まれる療育手帳交付の統一基準

前述のとおり、療育手帳は自治体の独自施策のため、手帳交付の統一基準がありません。そのため、同じ症状でも、交付する自治体と交付しない自治体があり、対応にばらつきがあるのが現状です

例えば、知的障がいがあっても、発達期を過ぎてからの病気やケガなどが原因で知的機能が低下した場合は、療育手帳の交付対象外とされることがあります

また多くの自治体が、IQ70~79以下を目安に療育手帳を交付していますが、広汎性発達障害があっても知的障害が伴わない高機能自閉症の場合は、手帳の交付対象としない自治体もあります。

アスペルガー症候群のため、人とのコミュニケーションがうまく取れないが、IQが基準より高いという理由で却下されるケースもあります


一方で、IQだけを見るのではなく、総合的に社会生活の困難さを見ながら判定する自治体もありますし、高機能自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害がありながら、療育手帳の交付対象外になった場合、精神障害者福祉手帳の交付対象となることもあります

▼東京都の判定基準例:
東京都児童相談センター・児童相談所のホームページより: 判定基準一覧表【6歳から17歳までの児童の場合】(PDF)
 
本来は、どこに住んでいても、公平な支援が受けられるのが理想です。手帳交付の統一基準ができることが望まれます。


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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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