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【障がいがあってもステキな結婚式はできる!】Vol.4 視覚障がい者が結婚式をあげるときのポイントと演出のアイデア教えます!

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ライター:Media116編集部

全盲の方、弱視の方・・・視覚障がいの方が結婚式を行うときには、自分だけでなく同じ障がいがあるゲストが困らないためにチェックしておくとよいポイントがあります。また、音や感触、香りを使うなどアイデアを駆使することで、全員が楽しめる結婚式を作り上げることができます。今回は、視覚障がいの人が結婚式を行うときのポイントやアイデアについて、前回に続きフリーウエディングプランナーの木許郁子さんに教えてもらいました。

自分もゲストも困らないために会場選びでチェックすること

視覚に障がいがある人同士のカップルや、どちらかに視覚障がいがある場合、またゲストの中に視覚障がいがある人がいるときには、会場を選ぶときにいくつかチェックしておきたいポイントがあります。

□駅からのアクセスのしやすさ

駅の改札から会場まで、自力で行きやすいところを選びましょう
歩道が広い、階段がない、点字ブロックがある、横断歩道に認識音が付いているなど、ゲストが来るときに困らないかを自分でチェックすると安心です。

点字ブロックのイメージ

□会場内に点字案内があるか
→会場内の床に点字ブロックがあるかどうか確認しましょう。案内係には点字ブロックの上を他の人が歩かないようにお願いしておきます。また、エレベーターのボタンや会場内の案内板に点字があるかどうか自分で確認を。

□障がい者用トイレの使いやすさ
障がい者用トイレはパーティ会場と同じフロアにあると安心です。実際に使ってみて各ボタンや手すりに点字が付いているかチェックしましょう。

障がい者用トイレのイメージ

□会場内のテーブルの形
→ゲストテーブルは通常丸形が多いです。位置を把握しやすい四角いテーブルを用意できるか、配置を工夫できるかなど、スタッフに聞いてみましょう。

□料理の装飾や給仕の配慮をしてくれるか
→婚礼料理は華やかにするために料理の皿に生花など食べられない物を飾ることがあります。視覚障がいのあるゲストが間違って口に運ぶことがないよう、料理の装飾に配慮してもらえるか確認しましょう。また、料理を運ぶスタッフには、「2時の場所にワイングラスがあります。10時の場所にパンがあります」などと分かりやすく説明してもらえるかなど、きめ細かな対応についても事前に依頼しておくと後で困りません。

料理の周りの装飾のイメージ

□会場装飾の撤去ができるか
→ホテルや結婚式場ではキャンドルやガラス製品、陶器の花器などを飾っている会場が多いです。万が一ぶつかることがないよう、結婚式当日に撤去してもらえるか聞いておきましょう。

□盲導犬を受け入れてくれるか
→法律上盲導犬の受け入れは可能なはずですが、実際には断る飲食店や宿泊施設があるのも事実です。盲導犬が同伴する可能性があるならば、念のため確認を取っておきましょう。盲導犬が同伴する場合は、犬が休めるスペースを作り、周囲の人に犬を触らないようにお願いしておきます

点字の招待状、3Dフィギュア、司会者…etc.ゲスト目線で事前準備を

結婚式は、準備段階で工夫をしておくと、自分たちもゲストもより一層楽しめる一日になります。具体的な事前準備のポイントについてまとめました。

□点字の招待状や席次表を作ろう
→結婚式の始まりは、招待状が手元に届いたときから。点字に親しんでいるゲストには、点字印刷の招待状を送りましょう。「点字 招待状」などと検索すれば、点字のエンボス印刷をしてくれる印刷会社が見つかります。また音声読み上げソフトで確認できるように、メールも送っておくと親切です。席次表は通常のものと点字のものを2種類用意します。点字の冊子には、化粧室の場所や料理のメニュー、ふたりのプロフィールなど必要な情報をまとめておくと、ゲストが困ることがありません。

点字の招待状のイメージ


□ふたりの3Dフィギュアを作ろう
→結婚式は、ふたりの晴れ姿をゲストに披露する場でもあります。前撮り撮影した写真を3Dフィギュアに加工して飾って置けば、視覚障がいのゲストにも触って楽しんでもらえます。もちろんふたりにとっても記念になりますし、触るたびに結婚式の余韻を感じられるのでお勧めです。

□実況できる司会者を頼もう
結婚式では視覚的な演出が多いのも事実。そのため実況ができる司会者をお願いしましょう。実況は慣れている人でないと難しいです。「後ろの扉が開きました。お父様と腕を組んで今、新婦が瞳を潤ませながらバージンロードを一歩一歩進みます」などと式の雰囲気を崩さないように、状況を言葉にして伝えてもらうことで、ふたりもゲストもより実感しながら式を楽しめます。

司会者のイメージ

□アテンドをお願いする人を頼もう
→結婚式は、今までお世話になった人に感謝を伝える場でもあります。親や友人、施設の担当スタッフなど、日頃自分をアテンドしてくれている人もゲストに呼んでいるのであれば、ゲスト以外で当日にアテンドをしてくれる人を探しましょう。視覚障がいの人に慣れている、施設に勤める別のスタッフなどに声をかけるとよいでしょう。

当日がもっと楽しくなる挙式や演出のアレンジ方法

挙式や披露宴の演出では、少し工夫が必要になります。できないことよりもできることを楽しむという気持ちで、それぞれのアレンジに意味を持たせれば、いつにも増してステキな結婚式になります。

□バージンロードを歩くときの工夫
男性ならこれまでの人生を支えてくれた人として、母や兄弟、友人にアテンドしてもらい歩くといいでしょう。女性なら父親が一般的ですが、母や姉妹でも構いません。

□宣誓書の工夫
→誓いの言葉を述べる宣誓書には、事前に点字をつけておくとスムーズに進められます。せっかくなので、オリジナルの宣誓文を作成するとよいでしょう。

□祝福のシャワーの工夫
→生花のフラワーシャワーやシャボン玉を飛ばすバブルシャワーは、踏んだ時に滑る可能性があるので他の物にしましょう。ゲストの人に鈴を鳴らしてもらうベルシャワーや、棒に付けたリボンを振ってもらうリボンワンズなら、音や感触でゲストの祝福を感じることができます

リボンと指輪のイメージ


□テーブル装花や装飾の工夫
→ゲストにも視覚障がいの人がいるなら、背の高い装花やキャンドルなどは危険です。装花は背の低いスタイルにし、火を使うキャンドルサービスは別の演出に。

□演出の工夫
→音や香り、感触を楽しむ演出を取り入れると全員で楽しむことができます。例えば長いリボンをゲストに持ってもらい、結婚指輪を通して新郎新婦のもとへと運ぶリングリレーなら、全員がリングに触れることができ一体感が生まれます。またゲストが通る通路や会場の入り口に香りのよい花を飾ると、結婚式の印象が強く残ります。楽器や歌が得意な友人がいるなら、余興に演奏をお願いするとよいでしょう。

##プロフィール 木許郁子さん

障がい者ウエディングレゼルクレール主宰
フリーランスウエディングプランナー

長年、音響・司会手配の会社を経営しつつ自ら音響PAやブライダルピアニストとして活躍。現在はフリーランスのウエディングプランナーとして活動。2014年から「障がい者ウエディング」をサポートするブランド『レゼルクレール』を主宰。自らサービス介助士の資格を取得し、障がい者の結婚式をプロデュースしている。ブライダルの専門学校で障がい者ウエディングのノウハウを教えるなど、障がい者ウエディングへの理解を広める活動も行っている。

レゼルクレールHP http://presea.jp/

構成・文/稲垣幸子

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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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